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クラウド型文献管理EndNoteBasic - Your reference on the cloud

理系研究者に人気の文献管理ソフトEndNoteについて、「英語文献管理のEndNote」に書いた。学術論文、博士論文、修士論文、卒業論文等、執筆がとくに長期化する場合、文献リストや脚注のフォーマット統一は神経質な悩みの種だったが、文献管理ソフトはそれを解決する。本記事は2010年4月に書いた「EndNoteWeb」が元になっている。その後、2013年にEndNoteBasicにバージョンアップし、ファイル添付が可能になった。図書館・データベースのEndNote対応も大幅に進展した。
定番EndNoteのWEBサービス版のEndNoteBasicは、書籍・論文の書誌をWeb上で一括管理し、参考文献リストを作る。データがWEBメールのようにクラウド上に保存されるので、大学でも自宅でもアクセスできるのが長所だ。英語論文データベースの標準であるISI Web of Knowledge/Scienceも、EndNoteBasicとログインを共有している。加えて、日本語書籍・論文データベースの標準であるCiNii Books/Articleや主要大学図書館OPAC(蔵書カタログ)も、EndNote形式でのエクスポートに対応した。

日本語書籍・論文も条件付で扱えるようになったので、理系研究者だけでなく文系学部生も、卒業論文やレポート用に是非試す価値が増えた。いや、研究者よりむしろ学部生の方が、早い時期に漏れのない書誌フォーマットを学ぶ必要があるかもしれない。RefWorks(年100ドル)やZotero(無料)がライバルだったが、いまや学界標準のEndNote、無料版のEndNoteBasicには敵わない。

(1) EndNoteBasicの長所

・大学でも自宅でも、留学先やネットカフェですら検索結果をクラウド上に保存できる。
・日本語・英語データベースで検索した論文の書誌と論文PDFを保存できる。
・一部の大学図書館OPACで検索した日本語・英語書籍の書誌も取り込める。
・Amazonで検索した日本語・英語書籍の書誌も取り込める。
・オンライン統計等、インターネット資料のURLをブックマークでき、ダウンロードファイルを保存できる。
・文献リスト用の書誌フォーマットに整理できる。

(2) EndNoteBasicの短所

・書籍・論文データベースから文献情報を取り込むには、一端、ファイルをPCに保存し、EndNoteBasicからRefMan RIS形式でインポートする二度手間になる(2013年時点)。また、有料データベースを学外で利用するには、大学図書館からリモートアクセスするログインIDが必要だ。
・Amazonの検索結果もCaptureするには、自宅パソコンのブラウザにプラグインをインストールする必要がある。
・一般のWEBページのURLも「Web Page」として保存できるが、書誌を手打ちする必要がある。WEBブックマークとしてはDeliciousや「はてな」の方が使いやすい。
・日本語文献リストには手打ちでの修正が必要だ。英語文献が前提だからだ。日本語著者名は「姓, 名 and 名 姓」になり、英語著者名はカタカナにならない(アルファベットになる)。書名では『二重カギカッコ』が使えず漢字がイタリックにされる。余計なことに「東京:XX社」と出版社の地名も入る。
・大学に所属しない場合、高価なEndNoteや年間100ドルのRefWorksを自前で購入する必要がある。
一見立派そうな文献リストが簡単にできるだけに、逆に内容が空洞になる危険がある。データベースにキーワードを打ち込み、玉石混交の書誌を大量に集めただけでは、先行研究の調査として知的作業に欠けている。範囲の試行錯誤や優先順位の選別、書誌検索と現物確認の往復が大切だ。図書館・文書館のプロですらデータベース検索だけを過信し、その図書館・文書館固有の分類構造・所蔵分布を勉強しない司書が増えた。

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(3)「Alfred Chandler」に関する日本語・英語の書籍・論文・記事の網羅的な文献リストは、以下の手順でフルフォーマットの立派なものが驚くべき短時間でできる。

1.EndNoteBasicの準備
1-1.所属する大学図書館で、学外から図書館サービス(電子ジャーナル・データベース検索等)を使うリモートアクセスのIDを取得する。
・図書館URLを自宅パソコンにブックマーク。
・モバイル用URLを携帯にブックマーク。

1-2.論文の文献リストをオンライン上で収集・整理・印刷する
・Web of Knowledge(EndNoteBasic & Web of Scienceと共通)のID取得(学内)
・自宅パソコンでもMyEndNoteWebをブックマーク

2.書籍の検索と保存

2-1.(OPAC) 大学図書館のOPACで所蔵図書を検索し、EndNoteBasicに保存する。
・大学図書館OPACとEndNoteBasicを立ち上げ、2つのウィンドウを同時に比較できるように細長く並置する
・大学図書館OPACでAlfred Chandlerを「日本語+英語」で検索する
・検索結果は、EndNote形式ファイルでPCに保存する。
・EndNoteBasicで、このリストをカスタマイズ→「RefMan RIS」をマイリストにコピー
・EndNoteBasicからRefMan RIS形式でインポートする。

2-2.(CiNii) CiNii Books(全国図書館所蔵図書)を検索し、EndNoteBasicに保存する
・CiNii Booksを立ち上げ、2つのウィンドウを同時に比較できるように細長く並置する
・CiNii BooksでAlfred Chandlerを「日本語+英語」で検索する。
①CiNii Booksの検索結果をPCにEndNote形式ファイルで保存する。
②EndNoteBasicを立ち上げ、そのファイルをRefMan RIS形式でインポートする。
③所属の大学図書館に所蔵がない本・雑誌は、他大学所蔵図書館に相互借出依頼(ILL)を申請する。または、Amazon.co.jp, Amazon.com, Amazon.fr等で購入可能な書籍は、所属の大学図書館に図書リクエストで購入を依頼する

2-3.(EndNote+OPAC) EndNoteのオンライン検索に所属大学の図書館OPACが登録されている場合、それをマイリストに登録する。EndNote内でOPACに接続し、Alfred Chandlerに関する洋書を検索し、検索結果をEndNote Basicに保存する。
・EndNote Basicで「収集」→「オンライン検索」
・このリストをカスタマイズ→自分の所属大学の図書館をマイリストにコピー。
・選択→XXXX U→接続。
・自分の所属大学の図書館OPACでAlfred Chandler=Author or Alfred Chandler=Titleを検索(検索語は日本語不可)。
・グループに追加→新しいグループ名→「Chandler」(例)を打ち込む。
・すべてにチェック→グループに追加→Chandler。
・マイレファレンス→追加文献を確認。
※英語検索しかできないので、日本語検索したいならば2-1の方法を使うべきです。

2-4.(Amazon) Amazonで書籍を探し、検索結果をEndNote Webに保存する
・自宅ブラウザを起動
・EndNoteBasicでオプション→プラグインのダウンロード→Windows/Machintosh版のダウンロード→許可→ブラウザ再起動
・ツールバーのボタン「EndNote Web」をクリック
・別ウィンドウでAmazon HPを開く→Alfred Chandlerを検索→特定の書籍を選んでそのページを開く
・ツールバーのボタン「Capture」をクリック
・保存先=EndNote Web、レファレンスタイプ=Bookで保存
・マイレファレンス→追加文献を確認→URLに移動をクリックし、Amazon HPを確認
・メイン図書館のOPACを立ち上げ、EndNotoWebと2つのウィンドウを同時に比較できるように細長く並置する
・メイン図書館のOPACでAlfred Chandlerを検索し、マイレファレンスの書籍が図書館で借出可能か調べる
①メイン図書館に所蔵されている場合、OPACの該当書のURLをCopy→マイレファレンスの該当書のURLにPaste
・マイレファレンスで、メイン図書館蔵書に「オンラインリンク」の追加を確認
・「URLへ移動」をクリックし、メイン図書館OPACページに飛ぶか確認
②メイン図書館に所蔵されていない場合、メイン図書館への図書リクエストで購入を依頼する
※EndNoteWebでの書誌の自動取り込みには楽だが、網羅的な検索にはWebcat Plusの方が先決

3.論文等の検索と保存
3-1.CiNii Artcileから日本語論文を探し、検索結果をEndNote Webに保存する
・CiNii Article→Alfred Chandlerで論文検索
・全件選択→EndNote形式で保存→実行→「CiNii Chandler」(仮)をデスクトップに保存
・EndNote Webで収集→レファレンスのインポート
・このリストをカスタマイズ→「RefMan RIS」をマイリストにコピー
・ファイル=「CiNii Chandler」(仮)、フィルター=RefMan RIS、インポート先=「Chandler」(仮)→インポート
・マイレファレンス→追加文献を確認

3-2.英語データベースから英語論文を探し、検索結果をEndNote Webに保存する
・Web of Knowledge→Alfred Chandler=著者名 OR Alfred Chandler=タイトルで検索する
・すべてチェックし、「EndNote Webに保存」。
・マイレファレンス→追加文献を確認。

3-3.日経BP記事検索サービスや新聞等で記事を探し、検索結果をEndNote Webに保存する
・細長いウィンドウで雑誌・新聞記事検索サービスとEndNote Webを立ち上げ、2つを並べる。
・「新しいレファレンス」にCut&Pasteで書誌を入力する

3-4.WEBページのURLを保存し、論文の参考文献リストとしてスタイルを整える
・自宅パソコンFirefoxのプラグインをダウンロードする(7.Amazon参照)
・Firefoxのツールバーのボタン「Capture」をクリック
・保存先=EndNote Web、レファレンスタイプ=WebPage、Author=作成者名またはWEBサイト名(手打ち入力)、Title=該当ページの個別タイトル(自動記入を添削)、Access Date=閲覧年月日(手打ち入力)、URL=自動記入、Added to the library=自動記入
cf.Title欄は自動記入されるが、そこに作成者名・WEBサイト名が混ざる場合、Author欄にCut&Pasteする。
・マイレファレンス→追加文献を確認→URLに移動をクリックし、元HPを確認
・文献リストの作成で表示を確認→表示のおかしな部分を統一的に添削
cf.Chicago 15th Aでは閲覧年月日が明記されない。

4.文献リストの作成

保存した検索結果の書籍・論文を欧米フォーマットの文献リストにする
・フォーマット→文献リストの作成
・このリストをカスタマイズ→「Chicago 15th A, Chicago 15th B」(例)をマイリストにコピー
・レファレンス=「Chandler」(仮)、書誌スタイル=「Chicago 15th A」、ファイル形式=RTFでプレビュー=印刷
・表示のおかしい項目を見つける→マイレファレンスに戻って入力データを添削
・欧米フォーマットでは書名が『カギカッコ』付にならない→Word論文にCut&Paste後に添削(または書誌スタイル自作?)

※ツールが発達すると、図書館OPACや論文データベース等でキーワードを打ち込むだけで、仕事をしたつもりに勘違いしがちだ。EndNoteWebで文献リストを作るのは、最終到着点ではなく、単なる出発点に過ぎない。留意点が4つある。
専門知識がないと何が的確なキーワードか分からない。闇雲にキーワードを打ち込むだけでは、先入観以上の発展はできない。検索結果の書籍・論文の現物をチェックし、その過不足を検討してから、再びキーワードを試行錯誤しないといけない。的確なキーワードを見つけること自体が、先行研究を検討する重要なプロセスだ。
②文献リストを作るだけでなく、「現物」を手にしないと意味がない。書籍なら前後の書棚を見て、論文なら学術雑誌の目次をざっと見て、機械検索に漏れた掘出物を探すべきだ。そして、一連の書籍群から新しいキーワードを見つけたり、手にした本の巻末の文献リストから必須文献をリストアップしたりして、再び文献リストを作りなおす「往復作業」が大切だ。
機械検索では重要度や優先順位が分からない。そのため、玉石混交の珍妙な文献リストを引用するレポートが増えている。検索語にはドンピシャにヒットしたとしても良書とは限らない。機械操作の技術よりも、良書を選別できる「眼と足」が大切なのだ。
④良書を発見するには、本の巻頭と巻末をチェックし、以下をチェックする。
-出版社:一流出版社の名前(岩波書店など)とその方向性(大月・青木ならマルクス主義など)を覚えておくべきだ。
-出版年:古典なら古くても良いが、先行研究を手早く把握するには最新刊(2000年以後)が望ましい。
-該当分野の巨匠:巻末の著者紹介、訳者解説等をチェック。
-該当分野の基本書:複数書の巻末の文献リストをチェックし、そこで重複する基本書を抑える。

テーマ : 研究者の生活
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : EndNote 書籍 論文

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terry75014

Author:terry75014
仏米英生活10余年、海外大学院卒。海外渡航・留学助言は各数10ヶ国。ここでは一個人の立場で独断と偏見を書きます。テリーと呼んで下さい。

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