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Amazon Kindle DX - Kindle(第2.5世代)入門

本記事は元々2010年4月17日に書かれた。当時は日本語Kindle Storeが存在せず、Kindle DXも日本語表示すらできなかった。最新情報は、Kindle Whitepaper 3G Reviewに書いた。2013年1月時点は、Amazon.comはKindle Touch、Amazon.co.jpはKindle Paperwhite 3Gを併用している。ただ、Kindle DXは、10インチディスプレイでPDF文書もギリギリ読め、無料で3G接続できるメリットがある。


Amazon Kindle DXを使い始めてしばらくたつ。良く作り込まれた素晴らしい電子書籍専用機だと思う。Kindleは、得手・不得手がはっきりしているので、すべての用途に万能であるわけではない。が、電子書籍・論文の書店・データベースやPDFファイルの蓄積とリンクし、新しい読書スタイルを提案する。英語書籍・雑誌・PDFの読書端末としてはひとつの完成形だ。Kindleが日本語書籍を販売し始めれば、他社の対抗は困難だろう。Amazon Kindleと他メディアの使い分けProject Gutenbergで英書を読む発展途上の日本語電子書籍iPadなんかいらないモバイル読書Google Booksの衝撃は別記。

1.Kindleの3つの側面

Kindleは、第一に電子書店システム、第二に電子書籍リーダー、第三にPDFリーダーだ。モバイルガジェットのみに目を奪われると、本質を見誤る。

1-1.電子書店システム

・電子書店として完成度が高い。Amazon IDでクラウド上にブックマーク・下線・メモなどの読書歴を管理し、Kindleはもちろん、PC、iPhone/iPad、Androidフォンからも同じ購入本を何度でも再ダウンロードできる。規模の経済性との相乗効果で、書評データベースとしても世界標準になろうとしている。買おうと思った一瞬後には本を手にしている。衝動買いのスピード感にはカルチャーショックがある。

1-2.電子書籍リーダー

・読書専門機として、機能を絞り込み、十分に実用的だ。iPadのようなマルチメディア志向は最初から切り捨てている。E Inkのため、目に優しく軽く、圧倒的に長時間稼働だ。しかし、表裏一体の弱点として、ページ切替は白黒反転して遅い。カラー液晶やタッチパネルには対応しないし、ブラウジングも遅い。また、KDW(Kindle専用)やMOBIに対応するが、英語標準のEPUBや日本語標準のXMDFには対応しない。

1-3.PDFリーダー

・KindleはAmazonが書籍販売のために開発したが、PDFリーダーとしても期待される。Gutenbergや青空文庫の版権切れ書籍を自由に読めるのは、巨大な図書館が手元にあるようなものだ。また、PDF化された書類ファイルを持ち歩きたいというビジネスマンや、電子ジャーナルのPDF論文を読みたいという研究者の需要をも満たす。※Kindle DX以降、10インチ版が発売されないため、A4書類のPDFリーダーとしては使いにくい。

2.私の活用法

2-1.英語新聞・雑誌の定期購読

①フリーの電子書籍管理ソフトCalibreは必須だ。Feedbooksより進化し、「電子書籍版iTunes」と言える。
②日本語新聞:日経新聞電子版(有料)をパスワード自動入力でダウンロードし、Kindleフォーマットに最適化できる。無料公開のネット新聞も購読できる。
③英語新聞: Wall Street Journal(日刊)、The Economist(週刊)、Business Week(週刊)、Harvard Business Review Blog(月刊)等のWEB公開分を無料で購読できる。Kindle購入書籍と同様、英英辞書、ブックマーク・ハイライト・コメントも使える。
④仏語新聞:Le Monde(日刊)、Liberation(日刊)、L'Express(週刊)、Le Point(週刊)等のWEB公開分を無料で購読できる。Courrier International(仏語週刊誌、月5ユーロ)も、定期購読者はパスワード自動入力でダウンロードできる。
⑤新聞・雑誌は購読料さえ払えば、PCにつなげたりCalibreを使わなくても、Kindleで直接、最新版を購入できる。International Herald Tribune(月19.99ドル)、TIME(月2.99ドル)等。※日本語Kindle Storeで雑誌講読は未確認である。
⑥『日経ビジネス』『日経トレンディ』『日経アソシエ』等、WEB公開されていない雑誌はCalibreで利用できないが、日経BPデータベースと契約(と契約する図書館を利用)していれば、ひとつひとつPDFでダウンロードしてKindleで閲覧することができる。

2-2.Gutenbergと青空文庫

・Kindleの凄さは、Gutenbergと青空文庫の膨大な文学全集を無料で使えることだ。
ManyBooksを使うと、版権切れの世界の古典文学集「Gutenberg」から、AZWファイルを無料でダウンロードできる。英書以外に、仏書や独書等もある。Kindle形式の書籍は、Amazonで購入したものと変わらぬ使い勝手で便利だ。詳細は、Project Gutenbergで英書を読むを参照。Calibre経由ならばPCから転送するが、3G接続でManyBooksから直接ダウンロードできるかもしれない。
青キンDirect[alfa]をブラウザにブックマークすると、版権切れの日本の古典文学集「青空文庫」からPDFファイルを、3G接続で直接ダウンロードできる。※日本版Kindleデバイスなら、日本語Kindle Storeから青空文庫のAZW版を無料でダウンロードした方が早い。

2-3.複数デバイスでの並行読書

・一度購入したKindle書籍はクラウド上に保存されるため、PCやiPhone/iPad、AndroidフォンなどのKindle対応ソフトでも繰り返しダウンロードして読める。
・Kindleは、後戻りせず順々にページをめくる小説類に向いている。Kindle書籍は格安で、新刊ベストセラー小説でも9.99ドルだ。クリックするだけで、確認もなくあっという間に受信する。発展途上の日本語電子書籍モバイル読書参考。

2-4. 雑誌論文PDF・自炊PDFのデータベース

・学術雑誌データベース(Web of Science/Knowledge等)のPDF論文は、ダウンロード後に結局、印刷して読むことが多い。逆にビジネス書類は、スキャンでPDF化して、EmailしたりPCに保存することが多い。書籍を裁断してスキャンする「自炊」派もいる。それをKindleで持ち運び出先で閲覧できれば、厚いファイルを持参するより軽い。英語論文管理のEndNoteWeb参照。

2-5.WEBページの無料ブラウジング

・2010年現時点の日米では、Kindle DXではDocomo/Softbank回線を使って無料でWEBブラウジングできる。青キンDirectやManyBooksで、無料の和書・洋書を直接ダウンロードもできる。Kindle3や日本語ハック済のKindleDX/2ならば、日本語ページの表示も問題ない。※2012年時点のKindle Paperwhite 3GやKindle Touch 3Gでは、AmazonとWikipediaしか3G接続できない。
・ただし、試用版扱いだけあって、本格利用には堪えない。E Ink特有の白黒反転もあり、接続速度はイライラするほど遅い。また、日本語入力ができないため、Google検索の範囲は限定される。ブラウザで開けないページも多い。スマートフォンの方が2倍以上速くて使いやすい。

3. 設定とオプション

3-1.日本語フォント

・日本販売のKindle Paperwhite/Fire HDはもちろん、米国販売のKindle Keyboard/4/Touchは日本語フォントを内臓している。Kindle2/DXで日本語を使うには、自己責任のハック(改造)が必要だ。私自身は、システムVer.2.0で日本語化していたが、2011年にVer.2.5にバージョンアップした機会にアンインストールしていた。しかし、その後、2012年1月に再び新方法で日本語化した。3つの注意点がある。
①ハックで「文鎮化」(故障)しても、Amazonのサポートは一切取り合ってくれない(米国と英語交渉の経験済)。
②複数のハックを重ねてはいけない。
③以下で紹介されるジェイルブレイクのファイル名はすでに更新されている。前例通り成功する保証はない。
・Ver.2.5の場合: Kindle DX Graphite (2.5.5) 日本語ハック成功(明限突破)KindleDX ver2.5.5日本語化でけた(机右の杞憂)参照。
④私の場合、因果関係は分からないがハック後、Amazon、Google/Gmail/Calendar、Facebook等、主要ホームページを閲覧できなくなった。Yahoo!Japan等は閲覧できるが、WEBブラウジングの実用性が大きく下がった。

3-2. 日本語入力

・日本発売のKindle Paperwhite/Fire HDはもちろん、米国発売のKindle Keyboard/4/Touchや日本語Hack済のDXですら、日本語フォントさえあれば、WEB上で日本語入力も可能だ。Kindleネタのリンク集では、青空mobi(青空文庫)、青空PDFダイレクト、きんどるぐぐる(Google検索)、きんどるGmail、つぶやきんどる(Twitter)、きんどる翻訳を日本語で使える。

3-3.オプション

・ディスプレイに保護シートを貼り、読書時はカバーを外して生身で使う。高価で重いAmazon純正レザーカバー(50ドル)は買わず、皮革風のフォルダイアリーB5(白)(1,600円)に挟む。それを手芸店で買った幅25cmの平ゴム(150円)でMoleskin風に束ねる。フォルダイアリーの四隅に切れ込みを入れて、平ゴムで固定しても良い。コンビニ・書店で見る付録バンドも良さそうだ。パソコンケースも保護には良いが、せっかくの薄さ、本らしさが損なわれる。
・Kindle Touch、Kindle4、Kindle Keyboardには、プリインストールの英英辞書に代えて、英和辞書『英辞郎』をインストールできる(Kindle DXには非対応)。


3-4.裁断とスキャン

・日本語書籍をKindleで読むには、書籍を裁断してスキャンする。専門業者は2010-2011年に激減したが、ヤフオクでも裁断済書籍が販売されている。※日本語Kindle対応デバイスを持っているなら、日本語Kindle Storeからダウンロードした方が早い。



4.Kindleの長所

E Inkの電源の持ちは画期的だ。Kindle DXでも約1週間持つが、Kindle3なら無線オフで約1ヶ月、Wi-Fiオンで約3週間、3G+Wi-Fiオンで約10日間も持つ。iPad等のタブレットとは稼働時間の桁が違う。ネットを使うと消耗するが、読書だけなら電源を使わない。充電も早い。
・バックライトのないE Inkの字は、目に優しく読みやすく、長時間の本格読書に耐える。
Kindleは軽い。DX(536g)は文庫本2冊、Kindle Keyboard(247g)は文庫本1冊の重さだ。DXは、iPad2(613g)や厚めの単行本と比べれば軽い。
Kindleは低価格路線に舵を切った。DX(379ドル)もiPadの半額に近かったが、現在のKindleの費用対効果は抜群だ。
・Kindle DX/Keyboardでは、試用版扱いだが、無料でWEBブランジングできる。GmailやGoogle Calendarでのチェックには支障ない。※Kindle Paperwhite 3G等では、AmazonとWikipediaしか3G接続できたない。
・十字キーを長押して離せば、カーソルが意図する位置にピタリと止まるので、タッチパネルがなくても不便に感じない。
・世界中のどこでも深夜でも、この本を欲しいと思うと直後に叶えられる。書店・図書館の開店時間や場所の拘束が消えた。
・Amazonでの購入手続きは瞬時に終わり、1分程度のダウンロードで本がすぐに届く。
・Gutenbergや青空文庫の膨大な図書館が手元にあるようなもの。
・データベースからダウンロードした論文PDFも、「積ん読」できる。
・外国語新聞がリアルタイムかつ安価に自動配信される。WEB版と比べると一覧性には劣るが、長文記事が読みやすい。次の記事への移動も使いやすい。
・購入歴と読書歴はAmazon IDのクラウド上に記録され、PCやiPhone/iPad、Androidフォンなど、複数の端末で何度もダウンロードできる。
・下線(Highlight)やメモ(Note)を加えられる。読みかけのページから再開する。どの端末からアクセスしても途中ページ・下線・メモ等が同様に再現される。
・Kindle書籍・記事にカーソルを当てると、辞書解説が表示される。
・文章を読み上げる機能がある。3段階の速度と男女の音声を設定できる。音声は自然で聞きやすい。

5.Kindleの短所

・E Inkの特徴として、ページ送りは白黒反転して遅い。
・目指すページを開くのに検索や階層を通してモタモタする。
・Next PageとPrev Pageの反応は遅いのに、ボタンはクリック回数を記憶する。ページ送りがモタつく間にPrev Pageを連打すると、意図せぬページまで戻り過ぎてしまう。
・タッチパネルがなく、カーソルの動きが遅い。
・斜め読みや探し読みがしにくい。
・書籍でのページ数が分からない。
・日本語書籍は日本語Kindle Storeにしか存在せず、米国Kindle Storeにほとんどない。日本語書籍の標準であるXMDFフォーマットに対応しない。
・紙と比べるとやはり高価なので、取り扱いに気を使う。
・新聞記事購読が売りだが、大半の新聞記事はネットでも無料で閲覧できる。
・マルチタスクでない。文書リーダーとWEBブラウザの間を往復するのに何回もクリックが必要。
・ブラウンジングは、無料の試用版扱いだけあって、スマートフォンに劣る。表示・接続速度が遅く、Google検索ではローマ字しか使えない。
・機能が読書に特化する。iPadのようにカラーや動画、タッチパネルには対応しない。
・書籍販売ツールのためか、PDFリーダー機能はまだ弱い。A4版のPDFを読むのには、9.7インチ(824×1200ピクセル)のDXがギリギリで、6インチ(600×800ピクセル)のKindle2/Keyboard/4/Touchでは辛い(文庫本より小さい)。また、PDFには栞(Bookmark)はつけられるが、下線(Hilight)やメモ(Note)はつけられないため、専門書・論文やビジネス書類を分析する仕事には向かない。
・電子書籍には、初見の本をパラパラ摘み読みする楽しみや、想定外の掘出物を見つける意外性がない。リアル書店・図書館・古本屋のように買うアテもなしに歩き回ることは少なく、「これを買いたい」と決めてから検索する傾向がある。
・著者が電子書籍を直接Kindleで出版したり、ベストセラー小説が一律9.99ドルで売られたりすることは、著者・消費者の立場では一見望ましい。しかし、編集者は新人作家や出版企画を労力と時間をかけて生み出し育ててきたし、意欲的な書店員も平積み・特集・ポップ・サイン会等で双方向の書籍紹介に寄与してきた。Kindleが出版社・書店の介在を中抜きすると、Amazonだけが利益を独占し、編集者・書店員がときには採算度外視で支えてきた出版文化が崩壊しかねない。
・Amazonが、MOBIはともかくKDWという独自フォーマットを使い、Gutenberg等でより一般的なEPUBフォーマットを採用しないことには、力に任せて利益を独占しようという強引な野心があるような気がする。KindleがPDFリーダーとして使いにくいことも意図的に見える。Amazonに一極集中させては危ないという予感がある。

6.KindleかiPadか?

・私はiPadでなくKindleを購入した。iPadの方がマルチメディア志向だが、価格、重量、稼働時間、読みやすさではKindleが圧倒する。スマートフォンとPC(軽量・長時間駆動のLet's Note)を常用する人なら、iPadとは用途がかぶる。また、1週間(DX)から1ヶ月(無線オフのKindle3)も充電を気にせずに読書できるのは、E Ink使用機しかない。普段パソコン画面を長時間見つめている人ほど、E Inkの読みやすさは実感できる。

6-1.Kindleの方が良い場合

・Kindleは、機能を削り落して可読性と電池寿命を確保した読書専用機だ。読書にはE Inkを利用した端末しかありえないと思う。とくにKindle3はiPad2と比べ、価格は1/3以下(2万円)、3G接続料無料、重量は1/2以下(247g)、稼働時間は10倍以上だ(Wi-Fiオンで3週間、3G+Wi-Fiオンで10日)。
・Kindleは、読書時間が長く、PCとスマートフォン(iPhoneなど)をすでに常用する人が、読書・閲覧のみに使うのに向いている。まさにAmazon書籍を電子化したものだ。iPadで電子書籍が強調されるのは、iPhoneと比べたときのディスプレイのサイズの問題に過ぎず、読書に限ればKindleに敵わない。他方、メール等にはスマートフォンやi-mode、実務作業にはPCを使えば良い。
・世界中どこでも通信料無料で書籍購入できるのは、Kindleの長所だ。とくに新聞・雑誌の自動配信は便利だ。また、現時点の日米では簡易WEB閲覧が無料なのも、隠れた長所だ。※kindel Paperwihiteの場合、簡易WEB閲覧機能はWifi限定になったl
6-2.iPadの方が良い場合
・iPadは、長時間の読書や実務よりエンターテイメントを重視し、スマートフォンやPCをあまり使わない人に向いている。大型判のiPhoneと言われるが、スマートフォン・マルチメディアプレイヤー・携帯ゲーム機を発展させたものとも言える。
・iPadに適した用途は、5分以上1時間以内の暇つぶしのネットサーフィンくらいではないか。5分以下のメールチェックや検索なら、スマートフォンの方がさっと取り出せ、目立たず片手で作業できる。逆に1時間以上のWEB作業なら、PCの方が、長文のEmailの返事や仕事の続きもできて、万能かつ安心だ。中古のLet's Note Rは、機能はデスクトップ並だが、iPadとほぼ同価格・同重量だ。

7.紙の本かKindle電子書籍か?

紙の本とKindleには、それぞれ長短所がある。Kindleには、これまでの本にない特徴があるが、紙の方が今なお柔軟だ。Kindleは、新聞・雑誌・娯楽小説には向くが、研究書・専門書・教科書には向かない。電子書籍ですべての紙媒体を置き代えようとすると、不便が生じる。

7-1.電子書籍Kindleの方が良い場合

・文庫本1-2冊の重さなので、本やファイルを複数持ち歩くより軽い。Amazon書店やGutenbergや青空文庫とつながっているため、小さな端末に巨大な本棚が詰まっているような感覚がある。読むか読まないか分からないようなものも、いつか読む気になったときのために入れておけるので、「積ん読」に最適だ。
・夜中に自宅にいたままで、読みたいと思ったときに購入でき、即座に読書を開始できる。締切に追われたときに「あの本が手元にあれば」と歯噛みすることがなくなる。
・書籍本体はもちろん、しおり・下線・メモ等も、同じAmazon IDでクラウドに保存される。下線やメモを一覧し、引用集・スクラップ帳にもできる。購入書リスト、買いたい書籍リスト、自他のレビュー等も、Amazon上で一元管理できる。それらは、Kinde、PC、iPhone/iPad、Androidフォンはもちろん、出先のネットカフェでも参照できる。
・内臓辞書や英文朗読も、紙にはできない芸当だ。朗読CD・テープはもはや生き残れないはずだ。
・新聞・雑誌・娯楽小説など、ページを前から順に読んで戻らない、読み捨てに向いている。電子辞書など、検索にも向いている。
・電源が1週間もつので、電源切れを心配しないで済む点は、紙と変わらない。

7-2.紙の方が良い場合

・研究書・専門書・教科書などは、Kindleより紙の本の方が良い。私はKindle書籍を買ってみたが、以下の理由から結局、紙の本を買い直さざるをえなかった。
・Kindleではページ送りが遅すぎる。先のページをざっとめくったり、前のページを遡ったり、探し読みしたりする。
・活字を拡大縮小できるKindleにはページという概念がない。引用のためにはページ数が必要だ。
・大著・名著を読んだという達成感を感じるためには、実物を買って書棚に背表紙を並べたい。
・下線を引いたりメモを書いたりするには、紙の方が手軽だ。とくに英文を読むときに、関係代名詞や修飾句・引用句にマークをつけたり、First, Second, Thirdの論点のナンバリングを追ったり、キーワードや新規語句をチェックするなど、多様な書き込みができる。
・とくにPDFは、ページに栞(Bookmark)しかつけられず、下線(Hilight)やメモ(Note)ができない。専門書や研究論文では致命的だ。PDFは、論文データベースからダウンロードしたり、冊子を裁断してScanSnapでスキャンするなど、今後の用途の拡大が予想される。
・紙の本は、1冊だけならばKindleより軽く、寝転がっても片手で支えることができる。
・新聞・雑誌は印刷版の方が、紙面も大きく記事の一覧性がある。写真・図表のビジュアル性も高く、軽い。
・紙の場合、貴重品扱いする箱入文芸書、丸めてポケットに突っ込む文庫本、その場で破ってスクラップする雑誌、読んだら捨てる新聞、と扱い方を選べる。他方、Kindle本体は、何を読んでいても高価な精密機械だ。
・Kindleでは、読書の選択がAmazon Kindleの品揃えとネット上の無料書籍に偏る危険がある。とくにAmazonが推薦してくる本は、「君ならこの辺が好きだろ?」と懐を探られるようで気持ち悪いし、読者レビューは玉石混交で投稿者の背景が分からないと信用できない。いずれも新しい出会いとしても偏っている。
大型書店や図書館や古本屋街をウキウキしながら歩き回り、意図せぬジャンルの本に出会い、それが新しい視点や趣味の発見になった経験は誰にもある。電子書店での検索には、知的生活に不可欠な「無駄」と「余裕」がなく、道草にトキメキがない。
・Kindleのせいでお気に入りの出版社や書店が圧迫されたり、短期的利益の出にくい新人作家・出版企画の芽が摘まれると、元も子もない。

8. 結論: 理想の電子書籍端末

・Kindleは、読書端末としても電子書店としても完成度が高く、費用対効果も抜群だ。理想は、Kindle Touchの機能・重量・価格とKindle DXのディスプレイ・3Gを兼ね備えた端末で、Amazonが販売するEPUB/XMDFフォーマットの日本語書籍を読むことだ。加えてPDFに栞、下線、メモをつけられ、本体にSDカードスロットが備われば、最高だ。カラーディスプレイやタッチパネルは必要ない。Kindleが日本語書籍に参入すれば、Sony ReaderやSharp Galapagos、iPadではとても対抗できないと思うが、Kindle専用のKDWフォーマットを強要することなくEPUB/XMDF/PDFにも対応し、日本の出版界と共存共栄を図ってほしい。

テーマ : 電子書籍
ジャンル : 本・雑誌

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プロフィール

terry75014

Author:terry75014
仏米英生活10余年、海外大学院卒。海外渡航・留学助言は各数10ヶ国。ここでは一個人の立場で独断と偏見を書きます。テリーと呼んで下さい。

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