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海外留学の誤解

1.留学すれば就職が良い。

とくに欧米留学の場合、留学と就職は直接関係ありません。就職は、学歴・部活歴・職歴など、留学以外の要素で決まることが多いです(途上国留学の場合は別なので後述)。高校生ならば優良大学に進学し、大学生なら部活に集中し、社会人なら社内業績や資格取得に挑戦する方が、留学よりも就職に有利です。就職で留学が評価されるとしたら、留学そのものより、その中身が問われます。たとえば、①大学学位、②途上国留学歴、③上級語学資格(TOEIC900・HSK6級以上など)、④インターンシップ・ボランティア経験です。

2.留学はアメリカ・ヨーロッパに限る

海外経験が少ない人ほど、「留学といえば欧米」という先入観が強いようですが、時代遅れです。嘘だと思ったら、先輩・知人・親戚の中で国際業務の最前線にいる人を探して聞いてみて下さい。就職でも、学位取得者でない限り、1-2年以下の欧米留学経験は凡庸で、ほぼ黙殺されるでしょう。むしろ、同じ費用と時間で簿記資格等を取った方が実用的かもしれません。他方、大学生の途上国留学は、それ自体が挑戦心や適応力を証明するものになりえます。新卒大学生の就職活動では、体育会部活と同程度には評価され、私の周囲の実例を見る限り出発点から有利です。実際、「国際的な仕事」の多くは、未経験者の先入観とは逆に、途上国を舞台にしています。アメリカだけを見て世界を知ったような気持ちになるのは大間違いです。英語の通じにくい中国、南米、アフリカ、イスラム圏では、中・西・仏・アラビア語の中級語学力を身につけておくと、役に立ちます。

3.大学を留年すると就職で不利になる。

交換留学を理由に大学を1年間留年した場合、卒業時に同期生の+2歳程度であれば、就職で不利になることはありません。何十人もの事例を見ていますが、断言できます。ただし、大学入学前後で浪人や留年をした場合、就職時に+2歳を超えると大学院修士課程修了者、+5歳を超えると博士課程修了者と競合します。留学で留年して+2-3歳で就職するならば、修士号に匹敵する専門性としてたとえば、大学入学資格水準の英語以外の語学力や途上国体験・ボランティア・インターンシップなどをアグレッシブに意識した方が良いでしょう。

4.留学すれば国際関係の仕事ができる。

1-2年以下の短期留学は、語学習得・海外経験の踏み台に過ぎず、それだけで国際関係の仕事はできません。私の知る留学経験者も、一流大学卒の優秀な人ほど、帰国後は大企業の総合職として、留学国とは直接関係のない仕事をすることが多いです。特定地域・語学に特化した専門職は、ビジネスパーソンのキャリア形成では王道でなかったりもします。ただし、留学で語学検定の高スコアを持っていると、海外出張・駐在のための最低点をクリアし、社内の抜擢に有利であることは事実です。また、現地で長期就職することは、VISAの関係でも能力の上でもまず不可能です。例外は、ネイティブ並に現地語(文章力)ができたり、現地に需要のある専門技能を持っていたり、現地人との結婚で就職ビザを取れた場合のみです。

5.英語さえ勉強しておければ、将来役立つ

たしかに英語は社会人の常識です。海外出張・駐在はもちろん、昇進にもTOEICを要求する大企業が増えています。仕事で使える高水準の語学力を短期間で得るには、留学が圧倒的な近道であるのも事実です。しかし、英語は手段であり、目的ではありません。語学よりも専門の方が大切です。いまや、エンジニアも社長も法律家も研究者も、通訳を介さず英語を話すのが常識なため、語学専門家は不要になりました。外国語以外に専門を持たず、日本のことも勉強不足の日本人は、現地では単に言葉が下手なお荷物に過ぎません。逆に、流暢に日本語を話し、専門知識の上でも優秀な外国人が増えてきました。

6.とりあえずまず、1ヶ月留学から始めよう

大学の夏期・春期休暇中は1-2ヶ月しか日程が取れませんが、そのような短期間に留学したところで、語学習得には何の意味もありません。語学力は3ヶ月目くらいに急上昇するので、1-2ヶ月で学習成果はほとんど期待できません。本当に語学習得を望むなら、大学講義を休み、場合によっては留年する覚悟で、最低3ヶ月を確保するべきです。同じ1-2ヶ月なら、高額な英米留学に50万円前後を支払うより、半額の費用でインド一周旅行や海外ボランティアをした方が、人生観を変えるような異文化経験になるかもしれません。

7.金は現地で稼げば良い

語学習得には必死に頑張って最低3ヶ月はかかりますので、その期間は勉強に集中できるだけの学費を用意してから渡航するべきです。ワーキングホリデーやアルバイトは、トラブルが多く勧めません。上級語学力がなければ消耗的な底辺労働しかできず、長期間滞在しても語学習得はおろか職業経験にもなりません。また、奨学金は、専門的な学位取得を目指す人を社会貢献として政府や財団が支援するものです。本人の個人的利益にしかならない初中級語学研修に奨学金を期待するのは甘すぎます。予算が足りなければ、貯金できるまで留学を延期するか、他の国内計画に切り替えるべきです。先進国留学と決め付けず、予算に合わせて途上国を選び、短期留学や海外ボランティアを試みるのも合理的です。

8.英語も先進国も大嫌いだ

英語や先進国が嫌いだから非英語圏や途上国に行きたいと考えるのは、短絡的です。英語は、どの言語圏で仕事するにしても避けられません。「英語+1」が理想だとはよく言われますが、英語が普通に使えてこそ、第二外国語力が活かせます。また、将来的に途上国を仕事の舞台にするにしても、先進国人同士のより普遍的な競争に勝ち抜く力がないと、特定の途上国以外で通用しなくなってしまいます。その意味で、修士号・博士号を取るための留学先や最初の就職先は、保守的な言い方ですが、日欧米豪の名門大学・一流企業が良いと思います。

9.海外で一発逆転や自分探しをしたい

部活歴も資格特技もない大学生は、留学(とくに途上国)によって心機一新を狙うことも不可能ではありません。しかし、留学は、これまで日本で蓄えた強みや専門を伸ばすものです。留学によってこれまでなかった才能や経験が空から降ってくるわけではありません。自尊心が強く自己評価の甘い高校生や社会人が、海外に現実逃避する例がありますが、努力や忍耐の習慣がない人が、外国語環境の負荷に耐えられるわけがありません。大学受験や企業で失敗した人が海外に一発逆転を期待するのは、他人頼みの「ないものねだり」です。また、海外生活は、新奇な異文化に目を奪われがちなので、落ちついた自分探しには向いていません。まず渡航前に現実と向き合い将来設計を冷静に考え、今の自分にとって留学が本当にベストの選択肢か、考える必要があります。同じ費用と時間で、専門学校に通って資格や公務員を目指すこともできるからです。


10.留学後は海外に永住したい。

現地で就職できないと、長期滞在もできません。国際結婚の現実が厳しいことも、該当国の離婚率(とくに国際結婚)を調べればすぐに分かります。そもそも、周囲に国際的な親族・知人がいたわけでもなく、自分でも国際経験が浅く、根拠もないまま永住を考えるのは、自分自身をまだ客観的に眺めていません。また、海外生活には向き不向きがあり、誰でもそれに適しているわけではありません。その適性は行ってみないと分からないので、1年程度の短期留学は、自分と海外の距離を測るための好機です。現地では嫌味なほど語学力も上達し友達も増やす留学仲間が1-2人いるはずですが、それを見れば、相対的な適性の差が客観的に分かるはずです。自分が向いていないと、きちんと自己評価できることも才能です。そのときはすっぱり方向転換することが大切です。

テーマ : 海外留学
ジャンル : 学校・教育

tag : 海外 留学 大学生

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terry75014

Author:terry75014
仏米英生活10余年、海外大学院卒。海外渡航・留学助言は各数10ヶ国。ここでは一個人の立場で独断と偏見を書きます。テリーと呼んで下さい。

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