スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

出発前の危機管理

ここでは計画時の留意点について書きますが、以下も参考にして下さい。

旅・留学・出張の持ち物-1.収納用品: セキュリティ用品
旅・留学・出張の持ち物-2.貴重品:海外でのカード・お金・保険
旅・留学・出張の持ち物-7.日常用品:虫除け
海外滞在時の緊急連絡先
旅行中の危機管理
私の海外トラブル例


1.予防接種

厚生労働省検疫所ホームページFORTHで、渡航地に必要な予防接種を確認し、必ず出発の1ヶ月以上前に済ませましょう。打った注射はInternational Certificate of Vaccinationにサインをもらいましょう。このWHO指定の黄色い冊子は、海外では常識ですが、日本の地方病院では用意していなかったり、追加料金を取ったりすることもあります。その場合、WHOホームページから無料でダウンロードできます。

1-1.先進国でも破傷風は必須でしょう。

1-2. 途上国なら、飲食から感染するA型肝炎や体液から感染するB型肝炎もお勧めします。肝炎は感染率が高く、被害も大きい一方(強制入院1ヶ月)、予防注射で100%防げるので、感染は旅の上級者にあるまじき醜聞です(とくに出張ではプロ失格)。留学・長期滞在・駐在をする人は、今後5年間に必ず第三国にも海外旅行する機会があるので、先進国しか予定のない人も念のため射っておくと良いでしょう。ただし、1ヶ月後の2回目から効果が生まれ、半年後に3回目を打って5-10年有効になるので、遅くとも渡航の2ヶ月前に1回目を射たないと間に合いません(渡航中・帰国後の6ヶ月後に3回目を忘れない)。

1-3.黄熱病も、アフリカ・南米には必須です。注射証明「イエローカード」がないと入国できない国があるからです。一度注射しておけば10年有効ですので、至近の予定がない人も射つ価値があります。欧州滞在中にアフリカ、米国滞在中に南米に行く機会がありえますが、注射が間に合わないと渡航機会を逸します。私自身も後で非常に後悔しました。検疫所で月に1-2度しか接種されないので、遅くとも渡航の1ヶ月前までに射っておく必要があります。バンコク・スワンナブーム空港など、海外で時間と体調が許すときに打つことも選択肢です。

1-4.10-20代の日本人には、麻疹の免疫力が低い人がいます。母子手帳等を確認し、未接種の人は渡航前に必ず接種しましょう。米国大学での集団流行では、日本人留学生が問題視されています。1977-1979年生まれの人は、子供時代に接種したポリオ・ワクチンの効果が低いので、再接種が必要です。

1-5.私自身は、A型肝炎(3本/5年)、B型肝炎(3本/5年)、破傷風(10年)、狂犬病(1年)、ジフテリア(10年)、日本脳炎(10年)、ポリオ、腸チフス(10年)、髄膜炎(10年)、狂犬病(1年)などを公立病院で打っています。加えて、黄熱病(10年)は検疫所、腸チフス輸入ワクチンは東京の病院、髄膜炎ワクチンはパリのドゴール空港診察室、ポリオ生ワクチンは市の保健センター(年2回のみ)で接種しました。麻疹や結核は免疫があります。ちなみに、私立クリニックでの輸入ワクチン料は、公立病院での国産ワクチン料の倍近くかかることがあります。

1-6.狂犬病ワクチンは高価ですが(有効期間1-2年で1.3万円)、犬に咬まれた後にも5回注射する必要があります。私自身は、咬まれた後に打つことにして、予防接種を打たない年もあります。大都市の短期訪問が多く、大病院でワクチン治療ができ、動物徘徊も少ないからです。しかし、狂犬病ワクチンは大病院でも在庫が限られるため、咬まれた後に打ってもらえるとは限りません。大都市から列車・バスで10時間以上離れる場合や、人と動物が混住するような農村に長期滞在する場合は、予防接種が必要でしょう。私が中国雲南省からベトナム国境へ山岳地ばかりをバス移動したときは、予防接種を希望したのですが、在庫切れでした。他方、コレラの予防接種は効果が疑問視されています。

2. 防蚊対策

蚊を媒介とする伝染病は多く、海外での虫刺されは日本とは深刻度が違います。マラリアなどは、私の知人でも入院した人がいますが、早期に適切な治療をしないと死亡します。
2-1.蚊に刺されないことこそが、一番確実・安価です。季節・場所を問わず、長袖・ロングパンツ、虫除けスプレー、蚊取線香・ライターを、すぐに取り出せるよう手元に常備しましょう。一度でも蚊の羽音が聞こえたり、蚊が近寄ってくるのを感じた場合、危険信号です。たまたま虫に刺されない日が続くと油断しがちですが、一度、蚊が集まり始めたら、あっという間に何ヶ所も刺されます。旅・留学・出張の持ち物-7.日常用品:虫除けも参照。

2-2.マラリヤ予防薬のメフロキンは日本でも処方されますが、長期服用中の副作用や耐性ウィルスもあります。私の場合、発熱時に現地の近代的病院か日本帰国後に治療を判断してもらうことにしました。途上国でも大病院のある大都市のみを短期訪問するからです。しかし、発症時に近代的病院での適切な治療を期待できない現地環境ならば、やはり予防薬の服用を専門医に相談するべきでしょう。

3.お金と海外旅行保険

・旅費は、現金持参は危険なので、一般にカード利用を勧めます。カード加入や銀行口座開設には時間がかかりますので、1ヶ月前以上の申請が必要です。また、100-300ドル(欧州ならユーロ)の準備も必要です。以下はモデル事例ですが、貴重品を分散管理することも大切です。旅・留学・出張の持ち物-2.貴重品:海外でのカード・お金・保険を参考に。

・学生の短期留学・定期旅行なら、楽天銀行/スルガ銀行のVISAデビットカードをメイン、新生銀行キャッシュカードとMileage Plus Saison Masterカードをサブ。緊急用に現金100-300ドル。
・1年以上の長期滞在なら、現地銀行VISAデビットカードをメイン、新生銀行/シティバンク銀行キャッシュカードとMileage Plus Saison Masterカードをサブ。緊急用に現金100-300ドル。
・社会人の定期出張・旅行なら、三井住友VISA ClassicAカード(キャッシング枠20万円以上)をメイン、シティバンク銀行キャッシュカードとMileage Plus Saison Masterカードをサブ。緊急用に現金100-300ドル。
数年に1度だけの短期旅行なら、Travelex MasterCard Cash Passportとドル現金で旅費実費を半分ずつ。予備費・海外旅行保険用にMileage Plus Saison VISAカード。


・海外旅行保険も必須です。クレジットカードに3ヶ月以内の海外旅行保険が付帯することがあります。しかし、カード付帯保険は、保険額が不十分だったり、カードで航空券を購入しないと無効だったりするので、条件を慎重に検討すべきです(とくに年会費無料のカードは要注意。クレジットカード付帯保険の危機参照)。上記のMileage Plus Saisonカードは、保険が自動付帯する上に治療費が300万と大きいのが特徴です。また、3ヵ月以上の海外滞在では、3ヶ月間のカード付帯保険は無意味で、出発日から全期間の海外旅行保険に別途入る必要があります。
・事故に備え、海外滞在時の緊急連絡先を持ち歩くと同時に、飛行機便名と宿泊先を実家・友人+αに残し、定期的に無事を知らせましょう。



4. 外務省・海外安全情報・危険情報

渡航先を選択する前に外務省・海外安全情報を確認することは不可欠です。

危険情報には以下の4段階があります。

第一段階: 十分注意して下さい
第二段階: 渡航の是非を検討して下さい
第三段階: 渡航の延期をお勧めします
第四段階: 退避を勧告します


英語ですが、米国国務省・各国情報&旅行警報や米国CIA・世界情勢も参考になります。

5. 途上国初心者の海外旅行

初心者ほど、事前準備を軽視して、古典的な犯罪にひっかかります。初めての海外旅行の場合、外務省・海外安全情報で危険情報が出ていない国・地域を選択することを勧めます。たとえば、欧米、ハワイ・グアム、韓国・台湾・香港、シンガポール、ベトナム、モロッコ等です。その場合も、テロ等の心配が少ないというだけで、日本人が国内同様の危険感覚ではトラブルに合いかねません。最新スポット情報や安全対策基礎データ、概況・地域情勢・注意事項を熟読して下さい。また、各国ガイドブックの巻末には、典型的な犯罪例が載っています。初心者が海外で合う事故の8割は、警戒心次第で避けられたものです。

6. 危険地への個人旅行は社会悪の愚行

外務省・危険全情報の第一段階「十分注意して下さい」が発令される地域は、日本の国内旅行と同じ感覚なら、大なり小なり必ず事故に合うレベルです。要求される知識量・緊張感・注意力が一段上がるのです。中級以上の英語力に加え、買物程度の現地語も不可欠です。これらの国・地域への旅行者は、すでに海外経験がある方が望ましいです。

しかし、十分な情報収集とリスクの注意・覚悟をしていれば、旅行も不可能ではありません。とくに列車・長距離バス・ホテルでの置き引きトランプ詐欺、ケチャップ(ソフトクリーム)・スリ、道案内スリ、話しかけスリ、睡眠薬強盗等、は世界共通です。『海外安全虎の巻』『海外邦人事件簿』も参考にして下さい。

他方、危険情報の第二段階「渡航の是非を検討して下さい」以上が発令される地域・国は、経験・人脈・資金が豊富なプロでも手に余ります。私も自分の全経験をかけて断言しますが、政財力のバックもない学生には到底無理です。危険は、トラブルに合うか否かの確率論ではありません。「次の一手」を打つ救済策や柔軟性がなく、一人では打つ手のない袋小路に追い込まれることが怖いのです。小さなトラブルが出口のない底なし沼になりかねません。さらに危険情報の第三段階「渡航の延期をお勧めします」は、外交・軍事関係者でない限り、絶対に渡航してはいけません。第四段階「退避を勧告します」は、ほぼ戦闘地域なので論外です。

危険地への渡航は、仕事上の必要に迫られその時期・地域にどうしても渡航せざるをえないビジネスマンや専門家が、最大限の予算と現地人脈を駆使して出張する場合に限られます。外務省がいちいち警報を出していなくても、地元の人が「近づいてはいけない」と言うスラム区域なども同様です。世界中には危険情報のない地域は他にたくさんあり、危険情報も何年か待てばいつか解除されるはずです。職業的な緊急性もない素人が、よりによって「危険」な地域・時期に、単なる好奇心や冒険心のみで立ち入ることには、何の正義もありません。家族・大学・会社・政府にも大変迷惑な愚行です。

5. 私自身の危険地出張からの教訓

私は一度だけ、危険情報・第二段階「渡航の是非を検討して下さい」の地域に渡航したことがあります。コンゴ民主共和国のルブンバシ市とザンビア国境に出張したのです。後者は第三段階「渡航の延期をお勧めします」から第二段階「渡航の是非を検討してください」に危険情報が引き下げられたばかりでした。それでも「入国前にレンタカーを手配する等あらかじめ移動手段を確保してください」と警告されていました。

私は、現地パートナーの招聘状を取り、現地出身者に取材しつつ、英仏語の専門資料で丹念に準備しました。現地公用語である仏語も不自由なく話せます。その上で現地の財界幹部に、人脈と金を駆使したVIP扱いをしてもらい、1泊130ドルの市内最高級ホテルに泊まり、4輪駆動車を運転してもらいました。現地パートナーまたは車、ホテルから20m以上離れて単独行動することはありませんでした。しかし、私が飛び立った空港が2日後に占拠されることまでは予知できませんでした。襲った武装集団の一部が国軍・警官だとすれば、いくら用心しても予防できません。

それ以外でも「ヒヤリ、ハット」の危険は多々ありました。私は以下のトラブルに直面しました。

・海外安全HPでは「空港での入国審査に際し、入国審査官が不当に入国申請者を別室に連行し、金銭を要求する」と警告されている。私の場合は逆に、現地パートナーが空港職員に手を回したお蔭で、飛行機のタラップを降りた時点で、「XXX様ですね。XXX様がお待ちです」とVIP扱いで迎えられ、入出国審査も荷物検査も事実上のフリーパスとなった。
・ケニア航空が預け荷物を積み残し、次の飛行日の3日後まで、メインの鞄がない。緊急セットの配布もなく、自分で空港に鞄を取りに行く必要があった。現地パートナーが市内営業所で受け取れるよう交渉し、取りに行ってくれた。
・現地で洗面用具や替着を調達する必要があった。また、海外安全HPでは「コンゴ民主共和国内において使用可能な携帯電話の携行」が勧められている。しかし、外国人が市場を歩き回る治安状況ではないので、現地パートナーが携帯SIMを調達してくれた。
・鞄に入っていた虫除けスプレーは、現地の小商店では調達できず、大量に蚊に刺された。コンゴでは蚊によるマラリア感染はもちろん、エボラ出血熱でも200人弱の死亡者が出ている。
・東洋人は目立つため、毎日朝晩2度、汚職警官の検問のターゲットにされた。意味のない検査の反復で拘束され、賄賂を請求される。海外安全HPでも「国軍兵士や警察官等による銃器を使用した犯罪が散見される」「警察官からパスポートの提示を求められたときは、窓を開けずに窓越しに見せ、相手に手渡さないようにしてください」と警告されている。
・一度は、20ドル相当の賄賂を払わないと警察署に連行すると、警察官が後部座席に乗り込んできた。現地パートナーが「これ以上不当拘束するなら財界幹部から警察上層部に通報するぞ!」と携帯電話片手に脅し、1人1ドル相当の賄賂相場で妥結した。検問の警官がスワヒリ語で「水が欲しいな」と言って、現地パートナーが阿吽の呼吸で0.5ドル相当を渡して、即刻解放されたこともある。
・訪問先会社の外で記念撮影をしたら、守衛に「撮影禁止だ!」と怒鳴りつけられ守衛室に連行される。そこから社長に電話し、その鶴の一声で解放される。海外安全HPでは「主要施設の写真やビデオの撮影は禁止されています。それ以外の場所を撮影した場合でも軍人や警察官にカメラ等を没収されたり、金銭を要求されたりすることもある」と警告されている。
・検問所のある私的空間を訪問し帰るとき、守衛たちが手を振ってくれるので、単純に「さよなら」とこちらも手を振ったら、現地パートナーがさっと1ドル相当のチップを渡す。車の窓際まで寄ってきたのは、単なる挨拶ではなくチップの請求だそうだ。
・現存する唯一のガイドブックでも、外務省HPでも、車なしでの徒歩での街歩きを厳禁している。実際、路上を歩く非黒人は一人も見ない。
・都心部で駐車すると、自称案内人の若者がワラワラと飛び寄って来る。無職の若者で車上荒らし予備軍だと、守衛は言う。
・ルブンバシ空港にはATMがない。市内の銀行の営業時間内でしかクレジットカードによる現金の引き出しができない。クレジットカードが使えない旅行代理店も多い。ドル現金をホテルで両替するしかない。
・クレジットカードは、VISAカードが使えず、一般にマスターカードしか使えない。しかも、一度、航空券を購入したら、日本のカード会社がアフリカで頻発する不正使用を警戒して、カードを使用不能にブロックした。東京のカード会社に国際電話するまで、プロテクションが外れなかった。
・3つ星ホテルで、520ドルものクレジットカード払いができず、チェックアウトできないため、飛行機に乗り遅れそうになった。現地パートナーに運良く借金し、ナイロビから送金できたが、500ドルは平均年収に当たる超大金だ。

結論: 危険地は経験・人脈・資金を駆使しても難しい。素人は丸裸も同然で論外。

テーマ : 海外旅行
ジャンル : 旅行

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

terry75014

Author:terry75014
仏米英生活10余年、海外大学院卒。海外渡航・留学助言は各数10ヶ国。ここでは一個人の立場で独断と偏見を書きます。テリーと呼んで下さい。

カテゴリ
最新記事
リンク
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
FC2カウンター
Since June 2009
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。