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海外短波受信(BCL)の勧め - World Band Radio

1.短波ラジオ(BCLラジオ)の見直し

この数年、ラジオに静かなブームが戻っているようだ。『ブルータス』(2009.2)は「何しろラジオ好きなもので。」と特集した。スタパ斉藤氏の「ナゼか現在、短波放送受信にハマる俺 」「短波ラジオとアンテナを使って海外のラジオ放送を受信」も熱く深く、BCL復活の怪気炎を上げる。中国製の高性能ラジオが桁外れに安く出回ると同時に、iPodでFM、スマートフォンでradikoが聴けるようになったことも後押ししている。たしかにラジオには昔も今も変わらぬ長所がある。

・回線接続やメモリ容量を気にする必要がなく、電源も単3乾電池交換で済む。
・ラジオパーソナリティが時刻や天候、リスナーの手紙を読み上げ、現在進行形で時間を共有できるのも新鮮だ。
・電波は時々刻々と変化するので、放送局は技術改善のためにもマーケティングにも、リスナーからの反応を大切にしている。とくに海外放送の場合、受信報告書とべリカード・記念品の双方向のやり取りも手軽な国際経験だ(KBSは年末に豪華カレンダーを別送してくれた)。
・テレビは中身のない芸人トーク・クイズ番組で人の時間を奪うが、ラジオ番組は聴きながら他の作業もできるし、ビジュアルで誤魔化せない分、内容が濃い。


海外短波受信(BCL: (Broadcast Listning)用のラジオをBCLラジオと呼ぶ。国内の株式・競馬番組以外も聴ける短波ラジオの高機能機種だ。かつてBCLブームを支えた名機、SONY Skysensor 5900 (ICF-5900)が実家にもあり、深夜放送や海外短波放送を聴いたことを思い出した。最近、雑誌に掲載された写真を見て、「ああ、あれこそが有名なスカイセンサーだったのだな」とやっと分かった。インターネットが登場する以前、BCL、SWL(Short Wave Listening)、またはDX(Long Distance受信)こそは世界への扉だった。当時の中高生は海外旅行に代わり、各国放送局に受信報告書を返信切手同封(150円)付で郵送し、2-4週間後にべリカード(Verification Card、受信確認証)が戻ってくるのを楽しみにした。

DE1103に代表される最新の中国製ラジオは、往年のBCL機と比べると、価格やサイズは1/3以下だが機能や感度は3倍以上の、立派なハイテク機器だ。中国国際放送はメールでも受信報告を受け付けているので、切手や封筒も不要な気軽さに惹かれ、久しぶりの受信報告書を打ってみた。すると、送信直後数時間で電子べリカードが名前と日付入りで届いたのには、度肝を抜かれた。技術や速度は隔世の感があるが、やり取りの手作り感が残っているのが新鮮だ。
中国製BCLラジオの定番DEGEN DE1103+Apex Radio 303WA-2レビューAudioComm RAD-S800N (TECSUN PL-380)レビューBCLラジオのアンテナは別記した。

※中国国際放送(日本語)の電子べリカード
中国国際放送

2.海外短波受信(BCL)の魅力

海外放送を聴くなら、今やBCL(海外短波受信)よりPodcastの方が簡便ではある。が、短波ラジオには、この瞬間を逃したらもう聴けないという一期一会の臨場感がある。話し言葉の素人っぽさと政治・思想的な含意が混じり、受信報告書を送ればべリカードが戻ってくるライブ感が持ち味だ。

とくに中国語・韓国語・ロシア語・英語を学ぶ人にとって、外国語放送を聴き、理解した内容をReception Reportに書いて投稿し、国際郵便でべリカードを受け取ることは、双方向の国際経験になるはずだ。たとえば、韓国KBS World Radioは、英語の受信報告書に対して紹介パンフレット、タイムテーブル、しおり、報告書用紙を郵送した上に、年末には思いがけず豪華カレンダーまでも無償で別送してくれた(Many thanks>KBS!)。電波でも国際郵便でも海外とリアルにつながっているという実感は、インターネット時代だからこそ貴重だ。

※突然ソウルから届いたKBSの豪華グッズ!: カレンダーの11月の写真は独島=竹島!
KBS

18言語のNHK World(Radio Japan)も、世界中で聴ける。毎日同時刻に現地ニュースを聴く習慣をつけることは、現地人の日常生活に近く、Podcastでは得られない長所だ。さらに外国語で受信報告書を書くことは、大学講義のノートを取って理解度のレポートを提出するのと似ていて、留学準備者・帰国者にも生産的だ。上級語学力がなければ、まずは技術的な報告から始めれば良い。

また、中国・台湾、韓国・北朝鮮、ロシア、モンゴル、ベトナム、タイ、インドネシア、イラン等からは日本語国際放送が届く。これらの国々や国際関係を学ぶ人には、現地事情の生きた教材になる。日本語放送を行う国は、単純な親日国ばかりではない。むしろ、日本との歴史的・外交的・思想的な緊張(敵対)関係を前提に、日本世論を誘導するプロパガンダ手段としてラジオ放送を始めた国が多い。冷戦終了後、多くは国際親善や文化紹介、観光客誘致などに転換しつつある。が、ニュースの背景に各国ごとの着眼点や解釈の違いを読み解くのも、海外放送を聴く醍醐味だ。その点、「朝鮮の声」は異彩を放つ






3.海外短波受信(BCL)を始めよう

・短波ラジオ(BCLラジオ)は、DEGEN DE1103(送料込70ドル@eBay)ならば、近隣国の海外短波が国内放送のようにはっきり聞こえて理想的だ。が、ELPA ER-21T-N(2,480円@ホムセン・家電店)でも、ロッドアンテナに簡易ロングワイヤーアンテナ(ベランダに張った百円のカラーワイヤー)を巻きつければ、実用になるはずだ。微弱な海外短波を聴くためのBCLラジオは、一般にAMやFMの感度も良いため、投資の価値がある。
・受信は、時間帯ごとの番組表を元に周波数を直接合わせるのが簡単だ。電波の弱い放送は同じ時間の同じ周波数でも、日によって聞こえたり聞こえなかったり運任せなので、反復と辛抱が必要だ。未知の電波を探すなら、その時々で受信状況の良い電波をスキャンしても良い。
KAYS氏HP「現在よく聞こえる英語短波放送周波数一覧」FBDX ROOM「[B10]海外日本語放送時間別スケジュール」Short Wave Stations of the Worldが便利だ。中国製短波ラジオは海外FMにも対応している。
・より詳細には、WRTH: World Radio TV Handbook(年刊)、Passport to World Band Radio(2009年から休刊)、『BCLライフ』(年刊)、FBDX ROOMを参照すると、各国の放送局が分かる。前3者には、周波数一覧だけでなく、ラジオ・アンテナのレビューや主要放送局の紹介もあり、読み物としても面白い。
・中田勝巳・みはる☆『ワイドバンド受信機+PCで広がる電波受信』(CQ出版社、2010年)ではラジオを含む無線界の最先端が分かる。紺野敦・工藤和穂『簡単BCL入門』(CQ出版社、2007年)は現時点で最良の入門書だが、今話題の中国製DSPラジオやSDR受信機については『BCLライフ』や『PCで広がる電波受信』を併読する必要がある。
『電波で巡る国ぐに』(コロナ社、1991年)は、とくに海外旅行が好きな人に勧めたい。著者の各国放送局とのやり取りは世界一周旅行に匹敵する。ネットサーフィングと異なり、リアルな双方向性こそがBCLの魅力だと、再発見する。




4.意外に簡単な海外短波受信(BCL)

ビル街の鉄筋ビル上層階の室内で、AudioComm RAD-S800N(6,980円)に百均の針金を巻きつけて、番組表にある海外放送局をざっと試してみた。すると、以下の約20局の日本語・英語放送を時間を変えて数日で受信できた。とくに太字の放送局は国内放送かと思うほど明瞭だ。DEGEN DE1103(70ドル)に針金を巻きつけたり、機種を問わずラジオを公園等に持ち出すと、さらに電波が強い。

・日本: ラジオNikkei第1・第2NHK Worldふるさとの風(拉致問題対策本部)しおかぜ(特定失踪者問題調査会)、NHK第1・第2地方局(AM)、文化放送(AM)
・日本語: 朝鮮の声(平壌)、KBS World Radio(ソウル)中国国際放送(北京)台湾国際放送(台北)ロシアの声(SW/AM)モンゴルの声、ベトナムの声、インドネシアの声、ラジオ・タイランド、ファミリーラジオ(Oakland, CA)、IRIBイランラジオ
・英語(East Asia): Voice of Korea (Pyongyang)、KBS World Radio (Seoul)、China Radio International、Radio Taiwan International、Voice of Russia
・英語(Other Asia): Voice of Indonesia、Radio PhilippinesRadio Television MalaysiaAll India Radio
・英語(Pacific): Radio AustraliaRadio New ZealandAdventist World Radio、T8WH ANGEL 3 (PALAU)、World Harvest Radio (Hawaii)
・英語(America): VOAVOA Special EnglishRadio Canada International
・英語(Europe): BBC World ServiceDeutsche Welle (Bonn)RTE (Dublin)
・フランス語: Voice of Russia、Radio France International (Issoudun)


5.国内AM放送の遠距離(DX)受信

・国内ラジオの遠距離受信も、もっと見直されて良い。高感度ラジオか中波用アンテナを持っていれば、夜間は電離層が中波を反射するため、全国のAM放送を遠距離受信できる。ラジオ地方局は、キー局の全国放送が多いテレビと異なり、自社制作率が高く、都道府県ごとに異なった番組表や出演者の工夫を凝らす。以下はラジオ関西(神戸)とSTVラジオ(札幌)の例だが、他地域の番組とはまったく違い、リスナーも全国にいる。一部の地方局はPodcast配信も行うが、海外局と同様にベリーカードも発行する局もある。そのため、九州旅行時にラジオを持参して沖縄のAM放送を試すなど、遠距離受信とべリカード収集の全国制覇を試みるファンもいる。


AFN(American Forces Network)は、米軍基地(三沢、東京、岩国、佐世保、沖縄)発の24時間放送だ。生の英語と米国文化がニュース・娯楽番組・洋楽としてリアルタイムに聴ける国内AM放送で、AFRS、WVTR、FEN(Far Eastern Network)時代から半世紀以上の歴史がある。英語リスニング教材としても定番で、日常的に聴いているリスナーは日本全国にいる(米軍基地のない地域では高感度ラジオが必要)。ネットやPodcastでCNNやBBCが聴けるとしても、AMラジオの手軽さと同時性には敵わない。また、国営「ロシアの声」は、ロシアからの日本語放送をAMでも受信できる。


・地元放送を漫然と聴くだけでは、他県のラジオ情報は手に入らない。詳細はラジオ・センターお役立ちネット「ラジオ局・衛星ラジオリンク集」や『ラジオ番組表』(季刊)、とくに『ラジオマニア』(年刊)に詳しい。花輪如一『ラジオの教科書』(データ・ハウス、2008年)は総合的なラジオ論だ。
中波の遠距離受信は機器を選ぶ。アナログラジオならSONY ICF-EX5MK2、デジタルラジオならREDSUN RP2100、外部アンテナならミズホUZ-77sか。AudioComm RAD-S800N+簡易ロングワイヤーでは県外AMは1局、Degen DE1103+Apex Radio 303WA-2でも、雑音混じりで5局しか受信できなかった。
中国製BCLラジオの定番BCLラジオのアンテナは別記。



6.海外滞在先でラジオを聴く

海外留学で、ネットとテレビ、自転車は決定的に重要で、テレビニュースを毎日同じ時間に見る習慣が、語学力と一般教養に大きく貢献する。次の大統領選挙の当選予想くらい自論を展開できないと、大学生水準の日常会話が成立しない。が、テレビをどうしても毎日見られない場合、語学的には上級者向けになるが、ラジオニュースが次善の策だ。ネットやPodcastのようにいつでもアクセスできると、結局聴かなくなってしまうため、毎日定時に聴くのが肝心だ。

海外滞在先では、別の楽しみもある。現地の主要な放送はFMだとしても、周辺国の英語放送・日本語の短波放送も捉えられる。そのため、日本では聴きにくい放送を遠距離受信するチャンスだ。受信報告書を書いて送れば、珍しいべリカードを得ることもできる。

また、NHK World (Radio Japan)は、国内からの受信報告書にはべリカードを出さないが、海外からの報告書には受信地・受信日を記したカードを発行してくれる。『BCLライフ2010』によると、それを海外旅行の記念にしている人もいるようだ。最近は途上国でもネットやテレビを見られるが、ラジオならバス・鉄道での移動中でも、海外安全情報を日本語放送で聴くことができる。

国内外の旅先でラジオを聴くには、以下の装備が望ましい。日本のFMと海外のFMは周波数が違うため、FMラジオのついた国内専用のモバイル機器(Walkman S等)は海外では使えない。

・ラジオ: ELPA ER-21T-N(2,480円@ホムセン・家電店)、またはDEGEN DE1103(送料込70ドル@eBay。推奨)。
・アンテナ: 百円カラーワイヤー5mまたはラジオ付属のワイヤーアンテナ(TECSUN AN05なら送料込9ドル@eBay)。携帯釣竿(千円以内)またはSONY AN-LP1(8千円。本格派の旅行用アンテナ)。
・周波数一覧: 『BCLライフ』付録(国内なら『ラジオマニア』付録)またはWRTH: World Radio TV Handbook



テーマ : BCL
ジャンル : テレビ・ラジオ

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terry75014

Author:terry75014
仏米英生活10余年、海外大学院卒。海外渡航・留学助言は各数10ヶ国。ここでは一個人の立場で独断と偏見を書きます。テリーと呼んで下さい。

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