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クレジットカード付帯保険の危機 - Crisis of Automatic Travel Insurance

クレジットカード付帯保険の危機 - Automatic Travel Accident Insurance

※クレジットカードの利用法は、国際派のクレジットカード選び旅・留学・出張の持ち物-2.貴重品:海外でのカード・お金・保険海外で銀行口座を開設するでも別記した。

1.クレジットカード付帯保険の改悪(2007-2010年)

・クレジットカードに付帯する海外旅行保険は、2007-2010年の改正貸金業法以来、改悪が相次いでいる。収益が悪化したカード業界は、利幅の少ない客に保険を食い逃げされたくないと、保険対象者を絞り込んだのだ。これまでは3ヶ月以内の海外旅行なら、海外旅行保険に加入せずともクレジットカードの保険だけでほぼ代替できた。しかし、今後は、カード会社による最新の条件変更に注意しないと、気づかぬうちに無保険になってしまう
・多くのクレジットカード付帯保険には、以下の利用条件がついた。

①前年度ショッピング利用実績が20万円未満だと、2000万円の保険が100万円(200万円の治療費用補償が20万円)に減額(MUFG)
②出国前の旅行代金をカードで支払わないと保険適用外(2010年以後のNICOS、2007年以後の楽天)
③出国前の旅行代金か出国後の公共交通をカードで支払わないと保険適用外(2007年以後のCiti全般/学士会、2010年以後の三井住友VISA Classic/TUO、SBI、Yahoo!JapanSuica)
④出国前の旅行代金か出国後の公共交通をカードで支払わないと、死亡・後遺障害補償額が減額(2010年以後の三井住友VISA Gold/ClassicA)
cf. 利用条件なしで保険の自動付帯を維持(ANA Wid、Saison/UC Mileage Plus、DC全般/JAL Club-A/JAL navi、UFJ全般、JCB全般、HIS Skywalker)


・2007年頃に第一波としてシティ、楽天、MUFG、SBI等、2010年に第二波として三井住友、NICOS等が改悪に踏み切った。無料カードで保険が自動付帯するカードはもはやほとんどない。無料の学生カードや法人カードの多くも、保険の自動付帯を打ち切った(JAL naviやUC/UFJ/JCB法人等は例外)。中でもシティカードとMUFGカードは最悪だ。
シティカードは、全ゴールド・一般カードの保険の自動付帯を止め、治療費用はゴールドを含め一律100万円とした。とくに一般カードは、旅行者にとって治療費用の次に重要な救援者費用を50万円に切り詰め(他社は最低100万円)、賠償責任は廃止したので(他社は最低1000万円)、勧められない。実際、18,900円のシティゴールドカード(Delta)の保険さえ、1,575円の一般セゾンカードよりはるかに悪い
・MUFGは前年度の利用額が少ないと、治療費用50万円とほぼ無保険になる。JCB、UFJ、DC等、自動付帯を維持しているカードもある。が、三菱UFJニコスでは旗艦カードのMUFGの保険条件が最低水準なので、同社のDCやUFJも危ない
・保険が自動付帯するカードでも、旅行代金を支払っていないと、死亡・障害補償額が大幅に減額されるようになった。VISA GoldカードやCiti Goldカードですらそうだ(ANA VISA Goldは例外)。しかし、海外旅行保険で重要なのは治療費用なので、独身者や生保加入者には、死亡補償の減額は、自動付帯の停止ほど影響はないかもしれない。
・また、複数のカードを持っている場合、死亡・後遺障害補償額は、一番高いカードの額になってカード間で按配される一方、他の治療費用・賠償責任・携行品損害・救援者費用は、全カードの合計額が加算される。したがって、カード付帯保険を最大限活用するには、死亡補償額が高めのカードを1枚だけ持った上で、できるだけ多くのカードの海外旅行保険を活性化させるべきだ。
・三井住友カードやシティカードの場合、出国後に「公共交通乗用具」をカードで支払えば、支払日から3ヶ月間、保険が有効になるという救済条件がある(NICOSカードにはない)。ただし、先進国はともかく、途上国の場合、飛行機はともかく、カードを受け付ける鉄道・バス・タクシーは少ない。また、途上国でも旅行代理店が手配する長距離バスは、カードで払えるかもしれないが、「募集型企画旅行」か「公共交通乗用具」か、判断が微妙だ。「公共交通乗用具」とは、「時刻表に基づいて運行されている」(SBI)、「航空機、電車、船舶、バス、タクシー」(三井住友)らしいが、まだ曖昧だ。カード付帯保険には証書がないため、カード会社と認識が違うと無保険のままだし、自分では無保険状態に気づかない。

2.2007-2010年に改悪されたカード付帯保険の例

ここでは、MUFGカード、NICOSカード、楽天カード、シティカード、三井住友カードの例を挙げるが、改悪後の付帯保険の利用条件はこの順で悪い。とくにMUFGカード、NICOSカード、楽天カードは、無保険になることが怖いので、海外旅行には使わない方が良いと思う。加えて保険の改悪が、カード会社の経営状態や顧客哲学を反映したものだとすれば、その意味でも危ない。

①前年度ショッピング利用実績が20万円未満だと、2000万円の保険が100万円に減額(MUFGカード)

MUFGカードは、DC、UFJ、NICOSを束ねる三菱UFJニコスの旗艦カードだが、海外旅行保険は最悪だ。利用20万円以下の客は、海外旅行保険が1/20の100万円に減額される。一番重要な治療費用は200万円が20万円に減額されるので、NYで240万円、北京で50万円と言われる盲腸手術すらできない。「無保険」に近い。外務省もカード付帯保険の補償不足には警鐘を鳴らしている。しかも、保険の有無は前年度実績で1年間固定してしまうため、渡航前後に慌てて旅行代金で20万円分を支払っても、「無保険」は解消できず手遅れだ。ゴールドカード所有者ですら、無自覚なまま1年間も「無保険」にさらされる。事故にあったときの被害と怒りは甚大だ。
・顧客哲学にも疑問がある。てっとり早く費用を回収して収支のバランスを取りたいのは分かる。しかし、保険コストを露骨にそのまま利用者に請求するだけでは、顧客の信頼を尊重する工夫と旅の安全を守る配慮が欠けている。せめて渡航直前に無保険を免られるような救済策を用意できなかったのか? 三菱UFJニコスは信頼ある銀行カードの中でも業界最大手なのに、業界常識ではゴールドとは言えないはずの自称「ゴールドカード」を乱発し価値を低めているが、それほど余裕がないのか?
・実際、他社はもっとスマートに保険コストを回収している。出国前に航空券をカード払いさせれば、20万円になりえる。出国後に公共交通をカード払いさせれば、海外現地でのカード利用を促すことになる。いずれの場合も、利用者は無保険か否かを自覚的に選択できるし、海外旅行でのカード利用法を学習することにもなる。
・なお、同じ三菱UFJニコスでもDCカードやUFJカードでは、2010年時点では保険が自動付帯する。親会社の信頼性を反映するのか、ブランド・イメージはおそらくDC、UFJ、NICOSの順で、付帯保険も実際にその順に充実している。しかし、DC、UFJ、NICOSの3カードは長期的にMUFGカードに統合されると言われている。その場合、これまでは好条件のDCカード利用者も安心できない。

MUFGカード
ゴールド、およびイニシャルカード付帯の海外旅行傷害保険

ゴールド、およびイニシャルカードに付帯しております海外旅行傷害保険の補償金額は、年間のショッピングご利用の実績に応じて「2,000万円プラン」と「100万円プラン」のいずれかに変動いたします。
※ 入会初年度は「2,000万円プラン」が付帯されています。
※ 次年度以降
ショッピング利用額20万円以上:2000万円プラン
・・・障害死亡・後遺障害2000万円、治療費用200万円、賠償責任2000万円、携行品損害20万円、救援者費用200万円
ショッピング利用額20万円未満:100万円プラン:
・・・障害死亡・後遺障害100万円、治療費用20万円、賠償責任100万円、携行品損害10万円、救援者費用50万円



②出国前の旅行代金をカードで支払わないと保険適用外(ANA AMEX/AMEX Green、2010年以後のNICOSカード、2007年以後の楽天カード)

・シティカードや三井住友カードと異なり、「出国後の公共交通をカードで支払う」ことではカードは有効にならないので、出国前に旅行代金を支払う機会を逃すと、無保険になってしまう。出国後に気づいて後悔しても、後の祭りだ。
楽天カードは楽天ポイントで人気ランキング1位になったりするらしいが、海外旅行用には危険だ。NICOSカードは、さらに利用条件の悪いMUFGカードに統合すると言われるので、二重の意味で危ない。
ANA AMEXAmerican Express Green Cardは、海外旅行保険にはもっとも厳しい条件をつける。出国前に日本出入国の航空券・船舶券をカード購入しないと無保険になる。出張で航空券を支給されたり、グループ旅行で幹事役が航空券を一括購入してくれたりすると、もはや救済措置がない。NICOSカードや楽天カードなら、出国前に慌てて空港までの鉄道料金等をカードで払うことが保険を有効にする最後のチャンスになるが、AMEXにはそれもない。

※2010年7月1日よりNICOSカード(※)「海外旅行傷害保険サービス」は日本出国前にNICOSカードで海外旅行代金等をお支払いいただくことが必要となりました。

※楽天カードは、日本を出国する以前に、公共交通乗用具(*1)または募集型企画旅行(*2)の料金を楽天カードで支払った場合(補償期間/日本を出発してから3ヶ月後の午後12時までの旅行期間)に限り、海外旅行傷害保険が付帯されます。



③出国前の旅行代金か出国後の公共交通をカードで支払わないと保険適用外(2007年以後のシティカード、2010年以後の三井住友VISAカード)
④出国前の旅行代金か出国後の公共交通をカードで支払わないと、5000万円の死亡・後遺障害補償額が1000万円に減額(2010年以後の三井住友VISAゴールドカード)


・海外旅行に持参するカードは、保険が自動付帯するか、せめて「出国前後を問わず公共交通をカード払い」すれば有効になるものでないと、無保険が怖すぎる。
・シティカードは、ゴールドカードですら旅行代金か公共交通のカード払いがないと、保険が適用されない。2007年に先陣を切って改悪の舵を切った。よほど経営が苦しいのか。その点、三井住友VISAは、2010年になって保険の改悪に踏み切った。ただ、条件にはまだ余裕がある。昔からの優良顧客を逃すまいという配慮も見られる。

三井住友VISAゴールドカード

日本を出国する以前に公共交通乗用具(*1)または募集型企画旅行(*2)の料金を当該カードで支払った場合(補償期間/日本を出発してから3ヵ月後の午後12時までの旅行期間)または日本からの出国後、公共交通乗用具の料金をはじめて当該カードで支払った場合(補償期間/料金をはじめて当該カードで支払ってから3ヵ月後の午後12時までの旅行期間)に最高4,000万円の保険金額が上乗せされます

*1 公共交通乗用具とは
航空法、鉄道事業法、海上運送法、道路運送法に基づき、それぞれの事業を行う機関によって運行される航空機、電車、船舶、バス、タクシーなどをいいます(当該旅行のために乗用するものに限ります)。

*2 募集型企画旅行とは
旅行会社が、旅行者の募集のためにあらかじめ、旅行の目的地及び日程、旅行者が提供を受けることができる運送又は宿泊のサービスの内容並びに旅行者が旅行会社に支払うべき旅行代金の額を定めた旅行に関する計画を作成し、これにより実施する旅行(旅行業法第12条の3の規定に基づく標準旅行業約款募集型企画旅行契約の部第2条第1項に規定するもの)をいいます。詳しくは旅行代理店にご確認ください。


SBIカード

SBIカードで旅行のための下記の費用を支払った場合に、その旅行中の事故によって傷害を被った場合に補償されます。
ご旅行前に日本国内にてSBIカードで日本出入国のために時刻表に基づいて運行される国際航空機または国際船舶のチケットやパッケージ・ツアーの料金をお支払いになられた場合、海外旅行を目的にご自宅(日本国内)を出発されたときから、ご自宅にお戻りになるまで(日本出国の前日から入国の翌日まで)の最長90日間補償されます。
出国後海外ではじめて公共交通乗用具※1のチケットの料金をSBIカードでお支払いになった場合でも、その購入の日から最長90日間補償されます。

※1 公共交通乗用具とは、時刻表に基づいて運行されている交通乗用具のことをいいます。



3.利用条件付のカード付帯保険の使い方

・利用条件付のカード付帯保険について、以下の自衛策を考えた。ここでは、「出国前の旅行代金か出国後の公共交通をカードで支払わないと保険適用外」という利用条件を前提とする(2007年以後のシティカードやYahoo!JapanSuica、2010年以後の三井住友VISAカード)。「出国前の旅行代金をカードで支払わないと保険適用外」(ANA AMEX/AMEX Green、2010年以後のNICOSカード、2007年以後の楽天カード)とか、「前年度ショッピング利用実績が20万円未満だと、2000万円の保険が100万円に減額」(MUFGカード)とかでは、無保険状態時に救済策も打てないので海外旅行には持参できない

①保険が自動付帯するカードを少なくとも1枚持つのが、一番確実だ。たとえばJAL naviカード、三井住友ClassicA(条件付)、Mileage Plus Saison。
②カード付帯保険が無条件で自動付帯しない場合、まず航空券を含む旅行費をカードで支払うべきだ。これで初めて出国日から3ヶ月間、保険が有効になる。その際、飛行機事故に備え、死亡・後遺障害補償額がもっとも高いカードが優先だ(三井住友Classic)。
③出国日当日までに、自宅から出発空港までの鉄道・バス・タクシーをカードで払う。これが保険を有効にするためのラストチャンスだ。これを忘れてしまった場合、飛行機墜落や手荷物紛失や出国直後の諸トラブルは保険の対象外になってしまう。
④航空券に加え、出国までの国内移動と出国後の現地移動の公共交通機関は、異なるカードで各1回ずつは支払い、手持ちのすべてのカードの付帯保険が有効になるように意識する。
⑤公共交通機関の支払い後、念のため各カード会社の保険デスクに電話し、保険が有効になったか否か確認する。緊急連絡の練習にもなる。


4.利用条件付のカード付帯保険の活用法

・カードの付帯保険に利用条件がついたのは、利用者にとって「改悪」であるのは間違いない。しかし、長期旅行の場合、「出国前の旅行代金か出国後の公共交通をカードで支払う」という利用条件を、別の形で活用できるかもしれない。逆に言えば、「出国後の公共交通」という利用条件をつけないカードは、無保険状態の挽回ができないので海外持参が危険だ。

①長期旅行には、保険が自動付帯するカードを持参するべきだが、それとは別に、保険が自動付帯しないサブカードをあえて保険が無効なまま温存しておく。前者の保険は出国日から3ヶ月間有効だが、万一、帰国日をそれ以上に延期したい場合、保険期間が終わる直前に後者で公共交通機関の費用を初めて支払う。すると、保険期間を延ばせるかもしれない。
②留学では海外旅行保険に全期間分を加入しているはずだが、加えて、保険が自動付帯しないカードを、あえて保険が無効なまま温存しておく。帰国間際に、予定外のインターンシップや旅行で帰国日が伸びた場合、保険を延長したり現地で別購入する代わり、現地で公共交通機関をサブカードで初めて支払う。すると、保険期間を延長できるかもしれない。
③留学・駐在中は現地の強制保険を利用する人もいるが、第三国への国外旅行に出かける直前、保険が自動付帯せず無効なままのサブカードで、公共交通機関の費用を初めて支払う。すると、加入済の保険でカバーしきれない部分を二重にフォローできるかもしれない。


・ただし、海外現地で万事首尾良く条件が揃う保証もない。カード業界の苦境が続く限り、妙な小技で愛用のカード会社を追い込めば、利用条件は今後さらに改悪される懸念もある。そもそも、最後の頼みの綱である保険で綱渡りのリスクを冒すべきでないと思う。とくに留学では論外だ。出発前に全留学期間の保険証明書がないと、留学ビザや滞在許可証が下りない可能性もあるし、家族にも保険証番号を教えられない。やはり海外旅行保険と保険自動付帯のカードを出発前に準備しておくべきだと思う。

テーマ : クレジットカード
ジャンル : ファイナンス

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terry75014

Author:terry75014
仏米英生活10余年、海外大学院卒。海外渡航・留学助言は各数10ヶ国。ここでは一個人の立場で独断と偏見を書きます。テリーと呼んで下さい。

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