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VOCAL 40L - 40 Language Talking Translator (1)

香港のCOMET(康明)社のVOCAL 40Lは凄い!

40ヶ国語の音声付翻訳機を、Language Teacherから220ドル(+送料30ドル)で購入してみた。40言語とは話がうま過ぎるので、教育用玩具のようなものをも考えたが、良い意味で裏切られた。ビジネスマンの実用機器として本気で作られている。

日本語を入力すると、39ヶ国語で各2万語と2300文例に翻訳し、人の声で発音する。加えて、Oxford American Dictionary、アラーム付き世界時計、FMラジオ、音声録音再生、電卓が付いている。対応言語は以下の通り。英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、オランダ語、デンマーク語、ノルウェー語、スウェーデン語、フィンランド語、エストニア語、ラトビア語、リトアニア語、ポーランド語、チェコ語、スロバキア語、ハンガリー語、ルーマニア語、ブルガリア語、スロベニア語、クロアチア語、ギリシャ語、トルコ語、アラビア語、ペルシア語、ウルドゥ語、ヒンディ語、チベット語、ミャンマー語、タイ語、ラオス語、ベトナム語、カンボジア語、マレー語、インドネシア語、中国語、日本語、韓国語、ロシア語。とくに太字の言語については、他に翻訳機が存在しない。個人的にはベトナム語・カンボジア語・ラオス語とタイ語がツボにはまった。アラビア語とヒンディ語も射程内だ。

日本の電子辞書は、英語+第二外国語(ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ロシア語、中国語、韓国語)という2言語モデルだけだ。CASIO XD-GF7250のように、英仏語辞書にタイ語、フィリピン語、ポルトガル語の旅行会話集がつくものもある。会話集に準じた音声付翻訳機ならば、Amazon Japanで販売する10ヶ国語翻訳機のWing Vocalや14ヶ国語翻訳機のGlobal Talkersがある。ただ、米国Amazonで販売するLingoを含め、COMET社のOEMではないかと思う。Wing Vocalでは、英語、中国語、韓国語、広東語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、マレー語、タガログ語、Global Talkersではそれに加え、上海語、ヒンディー語、ペルシャ語、アラビア語を翻訳する。Vocal 40Lには広東語や上海語、タガログ語はないが、コメット社の翻訳機には、これらに加え、スワヒリ語、アゼルバイジャン語、ボスニア語、ウクライナ語、ラテン語、ヘブライ語等を収めた機種もある。

なお、翻訳機は辞書ではない。辞書では、5万語(第二外国語)から10万語超(英語)の単語について、文法解説を行い、熟語・例文を並べる。他方、音声付翻訳機は、文法解説や熟語はなしに訳語だけを文字と音声で示す。語数は2万語程度であり、例文は旅行会話に限定されている。そのため翻訳機は、旅行者が基本的な会話について慣用句を調べるのには適している。が、学習者が書きするためには不向きで、別途、辞書を用意する必要がある。
 
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テーマ : 海外旅行
ジャンル : 旅行

tag : 電子辞書 翻訳機 第二外国語 多言語

VoCAL 40L - 40 Language Talking Translator (2) - Review

1.外観
・Blackberryをやや大きくしたような独特な瓢箪型。
・サイズは、CASIOのXD-GF7250(154x110x15.5mm、320g)より小さく、重量は半分以下だ(149x88x17.5mm、140g)。
・艶消しの樹脂の感触や人工皮革のケースは高質感がある。カバーには、チャック付きを含め3つのポケットがあるが、薬品臭が強い。
・付属品は、ケース、イアホン、多言語キーマップ6枚、単4アルカリ乾電池、マニュアル、スタートマニュアル。

2.設定
・MENUからE.Setupで、Menu Languageに日本語を選べる。
・時計は、時間帯を世界360都市から選べる。日本は東京だけで良いところ、札幌、仙台、横浜、名古屋、大阪、京都、広島、福岡、長崎を選べ、芸が細かい。
・設定した時間で電源を切る節電モードがある。

3.単語翻訳
・各2万語の語数は一般的な辞書の半分以下で、ローマ字検索もやや不便。基本用途は文例か。
・メインメニューを日本語にすると、初期画面は日本語カナ入力になる。F1を2度押すと、ローマ字入力になる。カナ入力は、2行目の10キーに50音が5字ずつ割り当てられている。ローマ字はフルキーボードで入力するが、ローマ字モードは記憶されないので、別の言葉を検索するたびに入力切替が必要だ。
・1行目の言語キーを押すと、選択した言語の訳語が表示される。10個のキーあるが、各4言語が割り当てられている。訳語が表示された状態でF2を押すと発音する。
・入力言語と出力言語は、それぞれ言語キーを押すと切り替えられる。入力時は、英語、ロシア語、ギリシア語、韓国語ならフルキーボードに印字されているが、それ以外の言語の場合は、キーマップを上から被せる。

4.文例翻訳
・2300文の文例は、旅行会話集としては十分。単語翻訳よりも手軽に使える。
・コミュニケーション、宿泊、食事、観光、交通、娯楽、買い物、緊急事態、通信/郵便、ビジネス会話、基本、一般常識、生活、食べ物、人間、スポーツの17場面。
・「コミュニケーション」と「基本」の「数字」、「買い物」を暗記すれば大方は済む。他に「宿泊」「食事」「観光」「緊急事態」の一部か。「食事」の料理名が妙に詳しいなど、精粗がある。
・文例は会話集に準じる量だが、自分で覚えて応用するには複雑過ぎる長文もある。

5.電卓
・度量衡変換は、予め公式が初期設定されているので、数値を入力するだけで変換される。
・為替変換では、ユーロEUR、ポンドGBP、人民元RMB、円JPY、ウォンKRW、バーツTAB、加ドルCA、豪ドルAUDが、対ドルレート1.0と初期設定されているだけなので、自分で為替レートを打ち込む必要がある。私は日本円JPY中心の構成に打ち直した。大文字を打つときは、SHIFTボタンを押して手を離してから打つ。

6.英英辞書
・英英辞書として別途、New Oxford American Distionaryを使える。読みにくいがかなり詳しい。

7.FMラジオ
・FMラジオは、周波数の自動探知と直接入力を選べ10局を登録できる。NHKを設定したところ、一応聞けた。

8.その他
・カレンダーが表示されるが、スケジュールを入力できるわけではない。
・データバンクに電話帳を登録し、パスワードで保護できる。
・世界時計は、360都市がアルファベット順に並ぶため、目的の都市を探すのに何百回もクリックが必要だ。
・3つのアラームを設定できるが、音が小さくて調整できない。また、日本語メニューだと、「アラーム・オン/オフ」の肝心の「オン/オフ」の部分が画面外にはみ出てしまい、設定/停止が見にくい。
・数独など8つのゲームがある。
・声を録音・再生できる。

9.長所
・この機械の優れたところは、徹底した多言語主義だ。マニュアルや初期メニューは英語だが、メニューも入力文字も40ヶ国語に設定し直すことができる。日本人ならば日本語機に仕立てることができるのだ。
・COMET社は、金属探知機や電圧計の専門メーカーだったが、1対1言語の英訳辞書に止まらない、多対多の多言語電子辞書を開発した。中国WTO加盟に沸く香港本社から、中国本土はもちろん、米欧日に売り込む。
・40ヶ国語は、西欧から東欧・バルト三国を経てロシアに至るユーラシア北部ベルトと、トルコから中東・南アジアを経て東南アジアに至るユーラシア南部ベルトについて、網羅的に主要言語を抑える。それは、香港人特有のグローバリズムかもしれないし、華僑の行動範囲かもしれない。また、中国語と並びチベット語が入っているのは、香港メーカーの政治的良心だろう。
・本機は、世界中の現地顧客を相手にする中国系ビジネスマンを対象にしていると思う。加えて、逆に各地の小国から世界雄飛するエリート達が次のターゲットだろう。英語が世界中で通じる(べきだ)と信じる単言語主義者には思いつかないニッチ市場だ。
・本機の外装やケースは高級感があり、機能も実用的に作り込まれている。8通貨の為替レートを自分で入力できる自由度も、多言語ユーザーにはありがたい。翻訳機の発音は、冊子体の会話集に頼ってカタカナ発音していた者には感動的だ。単語数は読み書きには足りなく、一部の例文は暗記には長過ぎるが、最低限の日常生活をこなす分には、納得できる量と質だ。

10.短所
・あくまでも慣用句の発音を知るための翻訳機だと割り切る必要がある。一部の慣用句は妙に長いので、単語を切り取って使い回すには不適当だ。
・単語翻訳には不満が残る。一般の電子辞書と異なり、語数は半数以下で文法解説もない。また、10キーのみによるカナ入力がデフォルトであり、新しい語を検索するたびにローマ字入力に切り替える手間がかかる。
・非アルファベット文字の場合、QWERTYキーボードをキーマップで読み替える独自な入力方法になる。キーマップを使う言語の利用者は、キーマップの管理に困ると困ると思う。また、文字を知らないと発音だけでは逆引きはできない。
・サイズは旧型電子辞書並に無骨だ。合成皮革カバーは高級感があるが、むせ返るような薬品臭ですぐには使えない。
・世界時計・アラーム・カレンダー・データバンク(電話帳)・録音再生機能は、やや中途半端だ。とくに世界時計は、早送りを可能にした時間帯別に都市を並べるべきだ。アラームは音量調整やスヌーズなどの目覚まし機能を強化するべきだ。
アラームとラジオが実用的でないのは、残念だ。
・キータッチに合理化の余地がある。文字修正や大文字化に戸惑う部分がある。携帯電話にならい、中央ボタンはMENUでなく確定キーにすべきだし、ローマ字入力をデフォルトにするか、日本語カナ入力キーを携帯同様に配置すべきだ。

11.結論
・「マイナー」言語は専門家の領域である一方、慣用句を必要とする人は初心者であることを考えると、多言語翻訳機のユーザーは決して多くはないだろう。しかし、40ヶ国語の対象国に長期間あるいは複数回行く予定があり、現地語で会話・交渉・仕事をしたい人には、強く勧められる。複数国を飛び回る現場志向の人なら、「こんな機械が欲しかった!」と熱狂する人も少なくないはずだ。220ドル(+送料30ドル)以上の価値がある。

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Windows Phone - Docomo T-01Aレビュー

日本の本気」と宣言しiPhoneに対抗する、ドコモのスマートフォンT-01Aを使っています。Dynabookを引き継ぐ「Dyanapocket」とも名乗ります。欧州ではToshiba TG01として販売中です。Willcom Advanced ESから乗り換えた久しぶりのDocomoです。2011年4月からはIDEOSと2台持ちです。諸設定や活用法は、「Smartphone入門 Docomo T-01A」に書いた通りです。iPhoneなんかいらないーIDEOS/PocketWiFiSSIMフリー携帯入門iPadなんかいらないは別記。

1.長所

1-1.フルブラウザや動作が速い
・パソコン並(1GHz)のCPUを持つため、PCページが携帯サイトに近い気軽さで見られます。もちろん無線LANほどではなく、回線が混雑して遅くなったとき程度の速度ですが、十分に実用になります。
・これまで、楽天トラベルなどの一部のモバイルページは、i-mode/EZweb/Y!ケータイにアクセスを限定していました。そのため、WillcomやE-Mobileでは、緊急時にはやむを得ずフルブライザを開きますが、時間がかかるので携帯サイトの軽さを羨ましく思ったものです。しかし、フルブラウザがここまで速くなると、携帯サイトが不要になっていくでしょう。T-01Aでも日常的にはモバイルサイトを使いますが、フルブラウザも十分実用的です。

1-2.動画や基本機能は十二分
・Kinoma Playの使い勝手は、WillcomでのTCPMPと比べると、ダウンロード速度も相まって、衝撃を受けるほど進化しています。Podcastは、驚異的な反応速度ですぐその場で直接再生します。もはやPCのi-tunesやMedia PlayerをUSB経由で同期したり、パケットで長時間かけて一括ダウンロードしたり、Micro SDの容量を気にしたりしません。
・画面が大きいため、Youtubuは美しく、青空文庫も読みやすいです。
・基本機能が良く作りこまれています。たとえばWillcomでは、音声通話前にデータ通信切断、通話終了後に回線切断が不可欠で、連絡先からの通話にも複数タッチが必要でしたが、T-01Aでは動作数が減りました。
・東芝独自の片手操作(ワンハンドオペレーション)は、iPhoneには敵いませんが、地味に健闘しています。フローティングパッドでのスクロールや、モーションセンサーでのタスクマネージャー呼出は及第点です。一番心配したソフトウェアキーボードも、Willcomのハードキーボードと比べ大きな支障を感じません。

1-3.Windows Mobileソフトは国際的
・Windows Mobileのメール、連絡先、予定表は、Gmailや連絡先、Google Calendarと、USBでつなげずにネット経由のGoogle Syncで直接同期できます。主要データをクラウド(ネット)上で管理できるようになったのは画期的です。Offisnail等の外部アプリを使うと、さらに見やすくなります。Gmailのプッシュ発信も可能になりました。
・Windows Mobileソフトは、iアプリ等と異なり、国内外にグローバルな蓄積があります。Amazon KindleやeBook JapanはiPhoneにしか対応しませんが、同様の書籍閲覧ソフトとしてMobipocket Readerでは、Project Gutenbergの膨大な無料洋書や有料ebookを読めますEvernote for Windows MobileもWindows対応です。ただし、To DoのRemeber the Milkなど、iPhone対応のみのサイトが多いのは事実です。
Microsoft独自ソフトも人知れず頑張っていますFacebook for Windows Mobile 6を提供する他、Microsoft My Phoneでは、携帯保存データを丸ごとバックアップします。とくにbing for Windows Mobileは今までにない革新的なマルチ検索ソフトです。話しかけると言葉を音声認識し、ホームページ・地図・天気や映画・交通情報・ガソリン価格等を検索します。ただし、後3者は米国限定で、日本地図も粗めです。
・スマートフォンのシステムは、iPhoneとWindows Mobileの他、BlackberryやAndroid、Simbian(NOKIA)、Palmがあります。Blackberryは、米国の法人シェアは圧倒的ですが、日本で個人加入しても追加料金が割に合わないでしょう。Palmは盛りを過ぎましたし、Androidは始まったばかりです。SimbianのNOKIAはMicrosoftと最近提携しました。

1-4.安心安定のドコモ回線
・本当はiPhoneが欲しかったのですが、長年ドコモを使ってきた家族と通話が24時間無料になる点で、ドコモ以外の選択肢はありませんでした。ソフトバンクでは無料にならない時間帯がありますし、高齢の家族には安易なキャリア変更は頼めません。Willcom等と比べつながりやすいのもメリットです。

2.短所

2-1.iPhoneほどソフト・周辺機器が洗練されていない
・T-01Aの長所は、処理が速く、画面が大きく、ドコモ回線であること(だけ)だと思います。それをメリットに思わない人には、やはりiPhoneの方が万人向きでしょう。
・東芝純正のストライプメニューより、Pointui Home 2やSpb Mobile Shellの方が魅力的です。モーションセンサーでの画面縦横切替・スクロール・電話呼出やUIキーでの縮小・拡大なども、実用的だとは思いません。
・加圧式タッチパネルは、iPhone等の静電式に比べ、上から押す動作では良くても、横に滑らすスクロールには弱いようです。Aplioやニャーなど、スクロール対応ソフトでは、なかなか狙った画面に移動できません。フローティングパッドも、画面の一部をふさぐ上にスクロール速度が遅いので、結局、無骨にサイドバーを上下させることになります。すべてを片手操作で済ませるのは無理です。

2-2.バッテリの消耗が激しく、付属USBケーブルが使いにくい
・Podcastやブラウジングをしていると、バッテリは毎日充電する必要があります
付属のT-01A用USBケーブルは特殊で、ポケットバッテリーポケットアダプタ「デュアル」EX等以外では認識されません。Eneloop Mobile Booster等、大半の外部バッテリーは、付属のUSBケーブルではなく、FOMA用USBケーブル(別売)とT-01A用FOMAアダプタ(付属)を併用すれば使えるようです。
FOMA乾電池アダプタ01には対応していますが、FOMA補助電源アダプタ01には非対応です。
・他方、2100円の予備電池パックT02[ATS29015]は、1万円弱のiPhoneのバッテリと比べると格安なので、電池パックマルチ充電池で充電して持ち歩くのは一案です。

2-3.他の携帯電話ならばあるはずの機能がない
・普通の携帯から乗り換える人は、スマートフォンは空っぽのパソコンだと思った方が間違いがありません。様々な外部ソフトをインストールしないと本領を発揮しないので、カスタマイズを楽しいと思わない人にはスマートフォンは向きません。
・通話の呼び出しに出るとき、画面を押すのがひと手間です。また、通話終了時に、画面がスリープ状態になっていると、終了ボタンが押せません。電源ボタンを再プッシュすれば目覚めるのですが、無駄な手間です。終了にモタつくと、通話先の留守番電話がメッセージ録音を始めてしまったりします。
・i-mode, EZweb, Yahoo!ケータイの携帯サイトは開けないので、フルブラウザで開きます。iモードメールが使えないので、moperaメールまたはGmailを使います。ワンセグも見られませんが、Podcastは使えます。お財布ケータイはなく、カメラは位置情報を記録しません。また、ストラップは、本体に穴がないので、ケースに結び付けます。
・海外携帯電話と異なり、ドコモ特有の排他的な縛りがあります。まず、定額5,985円でのモデム化(Tethering)を阻み、PC接続には最大13,650円を課金するため、純正のワイヤレスマネージャでは定額パケット通信とBluetooth接続を同時利用できない仕様です。そのためWifictrなどの外部ソフトを工夫する人もいます。
・また、海外では現地他社のSIMを阻み、ドコモSIMの国際ローミングしか使えないよう(滞在国内80-180円/分、着信80-220円/分)、SIMロックがかかっています。海外版のToshiba TG01はSIMフリーでしょうが、パケット定額が使えない可能性が高いです。

3.結論

3-1.GmailとGoogle CalendarのGoogle Syncや、高速で美しいWEB、Podcast、Youtube、そして24時間無料家族通話は快適で、乗り換えて良かったと思っています。しかし、一般にはiPhoneの方が無難でしょうし、バッテリの消耗は要注意です。
3-2.フルブラウザが速いので、メール・予定表・連絡先・動画等は、PCにも携帯にもダウンロードせず、すべてクラウド(ネット)上に保存するようになりました。
3-3.この調子でフルブラウザの高速化すると、近い将来に携帯サイトが必要なくなります。従来型の携帯電話は、ワンセグやお財布ケータイだけが生き残りの道になると思います。

テーマ : スマートフォン
ジャンル : 携帯電話・PHS

tag : モバイル ウィンドウズ T-01A スマートフォン ドコモ

旅の写真術 - Travel snaps

バックパッカーには写真に関心がない人が多いですが、貧乏旅行者にすら写真撮影の意義はあると、あえて力説したいと思います。別途、一眼レフK-xと海外調査文書撮影の技術も参照して下さい。

1.旅先で写真を撮る意味

旅で写真を撮ることには、昔から賛否両論があります。旅の記憶を残す上で写真が良い思い出になるのは事実です。他方、写真を撮ることが自己目的化し、その場の空気を存分に呼吸することまでも忘れてしまうようでは、本末転倒でしょう。

しかし、旅における写真の意味は、オンラインアルバム、カメラ付携帯電話、高機能カメラのお蔭で激変しました。第一に、オンラインアルバムのお陰で、従来なら死蔵していた写真を整理し、見直せるようになりました。第二に写真は、携帯電話のお陰で、記念撮影や芸術表現の手段だけではなく、日常のコミュニケーション手段になってきました。写メールで友人に送ったり、ブログに掲載するために写真を撮る人も増え、人に見せる楽しみが生まれました。第三に、デジカメは安く高機能になりました。コンパクトデジカメでも、夜景でも逆光でも全自動で撮影でき、意図せずして奇跡のような一枚が撮れたりします。また、1-2万円で防水・防塵カメラも買えますし、一眼レフデジカメも高級コンパクトデジカメと同じ6万円程度になってきました。

私にとって、カメラは資料複写のための仕事道具ではありますが、旅では写真をほとんど撮らない習慣でした。そもそも観光名所の写真を、観光ガイドや絵葉書のように再生産することに、関心がなかったのです。また、できるだけ庶民の生活に近づこうという現場主義では、カメラはしばしば邪魔者です。カメラは人間関係を観察者と「観察物」を隔て、日常生活に土足で踏み込む暴力になりえます。カメラを持つ姿は生活の場では異物感がありますし、突然に光るフラッシュは警戒感を呼び起こします。しかし最近、写真を見直しています。自分がどこに注目してなぜ感動したのかを画像に切り取ると、紀行文や旅行ノートにもなります。「おっ」という発見や一瞬は、撮影者のその場の視線を具体化します。また、何気ない街角の風景や人々の方が、その土地特有の雰囲気を伝えたりもします。


2.旅行用カメラの選択

カメラの選択は、スタイルによるでしょう。一眼レフは、首から吊り下げると観光客然として目立ちますし、重くて故障・盗難にも気を遣いますが、画質には歴然とした差があります。ズームが相手に圧迫感を与えがちなので、薄型パンケーキレンズを使うのも一策です。高級コンデジには、値段に見合うような機能の個性があります。他方、バックパッカーなら、あえて2万円以下の低価格機を買って、盗難・故障を気にせず日常文房具のように使いつぶすのも良いでしょう。サバイバルな旅なら、防水機も魅力的です。

個人的には資料の大量接写に使うので、バッテリー補充に不安のない乾電池式が必須条件です。エネループ充電池を400枚ごとに一日2回は交換しますが、万一足りなくても乾電池を買えば済みます。また、焦点速度が速くエラー率が低いものを、店頭で試行錯誤します。記録容量オーバーも、海外での一期一会では許されない失態になるので、SDカードを複数用意します。2013年時点ではコンパクトデジタルカメラのCanon Powershot SX-160IS(2012年9月発売)を資料複写・街歩き用に愛用しています。SX-160ISは単三電池2本式の最高峰でしたが、SX-170IS(2013年発売)以降は単三電池式を止めてしまいました。

旅には使い慣れたデジカメを持参しましょう。新品ならばまず、渡航前にあらゆる設定や機能を片端から試してみましょう。最近のデジカメはオートフォーカスで何でも撮れますが、シーン設定と露出補正を覚えるだけで、失敗率が大幅に下がり、「奇跡の1枚」が撮れたりもします。その場しのぎの偶然に委ねず、カメラをコントロールする技術を身につけることが大切です。


3.一眼レフカメラへの挑戦

最近、一眼レフカメラのPentax K-xを旅先に持参するようになりました。一眼レフは元々は文書複写専用で、旅先に持参することは考えていませんでした。しかし、K-xは暗闇での高感度がずば抜けていて、写真を撮る喜びを教えてくれました。二度と撮れない風景を生き生きと記録に記せることを考えると、荷物容量・撮影時間・盗難対策の負担を負う価値があると思います。むしろこれまで、コンパクトカメラしか持参せず、写真撮影を意識してこなかったことをもったいないと後悔しています。

レンズは、高倍率ズームのTamron18-250㎜があれば万能です。PLフィルターをつければ、車窓、展示ケース、額縁のガラス越しにも撮影できます。舞台・スポーツや鳥・飛行機など、望遠を多用するときは、軽量一脚のSlik Ultra Stick L50+SBH-100があった方が安定するでしょう。他方、パンケーキ型(超薄型)の明るい単焦点レンズ、Pentax FA43mmF1.9Limitedがあると、小さく収納できる上、スナップやポートレートに最適です。また、風景・建物やA3書類の複写には、Tamron18-250mmでも兼用できますが、広角レンズのDA21mmF2.8の方が理想的です。しかし、荷物の余裕がないときは、コンパクトカメラで高倍率ズームや広角レンズを代替し、K-x+FA43を最小単位にするのも選択肢です。


最低限の写真術は、貧乏バックパッカーでも身に着けて損はないと思います。これまでは、とりあえず偶然任せで自動撮影してみて、ピンボケや白ヌケや失敗作を、ただ削除していました。が、夜景モードやフラッシュ禁止、露出補正など、簡単な操作をするだけで、せっかくのシャッターチャンスを無駄にすることなく、撮影の幅が広がると分かってきました。また、「三分割」などの構図の基本知識を学ぶと、写真対象を中央に据えるだけの「日の丸構図」から卒業し、写真の雰囲気が劇的に改善します。これまで何も知らなかったために、せっかくの海外でのシャッターチャンスでもったいないことをしたと反省しています。トリミングなども今後の課題です。詳しい人には釈迦に説法でしょうが、私自身が参考になった入門書を挙げておきます。


4.オンラインアルバムの活用

旅での写真撮影は、友人などと共有・公開する前提で撮ると、楽しみが倍増します。とくにオンラインアルバムやSNS、ブログは、旅行写真にとって最新最強の味方です。「これがエッフェル塔の東側」「エッフェル塔の西側」・・・と観光名所を紹介したり、.「ここに来たぞ」「仲良しだね」と自分・仲間の写真を取るのも、記念としては悪くありません。加えて、「変な落書きを発見!」「このドライバーにボラれた!」といった、自分だけの「新鮮な驚き」や「その場の気分」を誰かに伝えようとすると、その個性的なメッセージが自分の思い出にもなり他人にも面白がってもらえるでしょう。また、Twitterや写メなどで、旅先の現場から同時進行式に近況を実況するのも楽しいはずです。帰国後、「ここぞ」というオリジナルな一枚を厳選し再構成するのも、記憶の整理に良いでしょう。

現像もしない写真は、そのまま埋もれてしまいがちです。が、オンラインアルバムなら古い写真にも、簡単に解説をつけて整理できて、いつでも見直すことができます。また、容量が一杯になった記憶メディアのバックアップにもなります。しかも、友人等に公開することもできるので、写真撮影の張り合いが画期的に変わります。無難にはフォト蔵、友達と共有するならFacebook、写真好きならFlickrの有料アカウントでしょうか。他にも、地図に連動した旅行者用、写真コンテストに連動したセミプロ用など、特徴あるアルバムがあります。まず渡航前にオンラインアルバムに登録し、写真のアップロードを試してみましょう。

- Facebook: 画像は縮小されるがアップロードは無料で無制限。写真アルバムは世界最大のSNSの一部で、写真共有に便利。FlickrやPicasaとも連携。海外留学生なら常識。
- Sky Drive: 無料で25GBまでオリジナルサイズ保存。Windows Liveの一部。ストレージ・バックアップとしても有用。
- フォト蔵: 日本最大のオンラインアルバム。オリジナルサイズの画像を無料で毎月1GBまでアップロード可能。国際的には無名だが日本人には一番無難か。
- Flickr: 世界最大のオンラインアルバム。買収で米国Yahoo.comとID共有。無料アカウントでは、画像を縮小して月100MBまで無料アップロード。年24.95ドルの有料アカウントでは、オリジナルサイズの画像を無制限でアップロード可能。Twitterとも連携。本格派・国際派の本命。

5.旅での撮影マナーとトラブル

海外での撮影には特有のルールやマナーがあります。一般に発展途上国では、写真撮影の前に周囲を確認し、警察官や軍人が見ている場合は撮影を避けた方が無難です。カメラや写真データが没収されたり、罰金・賄賂を要求されることがあります。空港など、日本では撮影に問題のない建物でも、軍事施設と見なされる場合があります。コンゴ民主共和国等、紛争を抱える国では、公共の場所での写真撮影が原則禁止されている場合もあります。

人や店を撮るときは、同意を取るのが常識です。突然のフラッシュは場の雰囲気を壊します。本人が望まぬ隠し撮りすると、失礼であるばかりでなく、肖像権のために公開が許されないはずです。できればしばらくやり取りして仲良くなった最後に、「楽しかったから撮影したい」と申し出るのが理想的です。要するに、「写真が撮りにくいな」と少しでも躊躇うときは、撮ってはいけないと考えるべきなのでしょう。日本で写メを撮るときと「空気を読む」大切さは一緒です。撮影を禁止したり有料化している博物館や宗教施設も多々あります。

盗難・故障は、安物の中古カメラよりも、思い出の写真データの方が、ショックが大きいでしょう。その意味でも、オンラインアルバムに定期的にアップロードするのが大切です。ネットカフェ等でメールをチェックするのと同時に、写真をアップロードする習慣にすると、旅日記代わりにもなります。持参のパソコンやUSBメモリに写真をバックアップするのでも良いでしょう。アルジェリア、チュニジアやマダガスカルなどのアフリカ諸国でも、大都市にはデジタルカメラ対応の写真屋があり、CD-ROMに焼いてくれます。また、記憶媒体をあえて大容量にせず、少容量のものを複数持参するのも盗難対策になります。

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一眼レフK-xと海外調査 - Review of Pentax K-x

はじめての一眼レフカメラとしてPentax K-xを使い始めました。毎年5千枚は撮影する習慣ですが、大半はコンパクトカメラでの書類複写でした(文書撮影の技術参照)。一眼では、シャッターを切るだけで目が覚めるような写真を撮れるだけに、逆にもっと良い写真を撮りたいと意識が変わります(旅の写真術参照)。とくに驚いたのは、フラッシュを焚かなくても高感度撮影で、暗い室内が昼間のように撮れることです。夜空は真っ黒ではなく、赤や白を混ぜた灰色絵具のように写ります。さらに単焦点レンズのFA43mmは、コンパクトカメラとは異次元の「ボケ」の美しさを教えてくれました。


1.所有機器の構成
・K-xは、低価格と高感度、単三電池、カラーバリエーションが長所です。加えてPentaxは、単焦点レンズの充実、銀塩レンズの資産、手ぶれ補正の本体内蔵、低費用のレンズ・アクセサリーなどが特徴です。よりメジャーなCanonやNikonの方が中古レンズも充実して無難ですが、単三電池と単焦点レンズにはPentaxに分があります。
・K-xを選んだのは、一眼レフ唯一の単三電池式だからです。海外において電池切れでチャンスを逃すのは致命的です。専用電池は充電する場所と時間を選びますが、単三電池ならば発展途上国でも入手できます。一眼とコンパクトカメラや他の電子機器が単三形であれば、電池を共有できます。リチウム電池Enegizerは、アルカリ電池の1/3の重さで7倍もつそうですが、充電池Eneloopもかなり持ちます。ただし、海外の100-240Vに対応するのは、Eneloopの中でも急速充電池のみのようです。

・所有機器は後述の通りですが、以下の組み合わせがお気に入りです。35㎜とマクロはありません。

①旅行: P50, K-x, FA43, (TAMRON18-250, Ultra Stick L50)
②散歩: いつもはK-x+FA43、人中心ならFA77、建物中心ならDA21、頑張るならSilk Carbon713EXも
③行事: K-x, DAL18-55
④複写: P50, (K-x, DA21, LPL UCS-10)


[本体] Pentax K-x (電池込580g) + Eneloop充電池&海外対応急速充電池
[標準] smc Pentax FA43mm F1.9 Limited (中古, 155g) + DA40mm用フード(HM-RC49mm) + Kenko MC Protector 30.5mm + Victor Victor Everio GZ-MC100用レンズキャップ 30.5mm(LY34449-001B)
[広角] smc Pentax DA21mm F2.8 Limited (140g) + Hakuba Lens Guard 43mm+ Kenko PL Filter 43mm
[中望遠] smc Pentax FA77mm F1.8 Limited(270g)
[標準ズーム] smc Pentax DAL18-55mm F3.5-5.6 (200g) + ケース(中古)
[高倍率ズーム] TAMRON AF18-250mm F/3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro(中古)
[望遠ズーム] Sigma Zoom 100-300mm F4.5-6.7 DL(中古2,300円) + Hakuba Lens Guard 55mm + ケース(中古)
[接写] Pentax接写リングKセット(中古)
[ケース] Montbell プロテクションインナーバッグS (80g)
[コンパクトカメラ] Nikon Coolpix P50 28-108mm F2.8-5.6 (160g)
[三脚] Slik Carbon 713EX(1.22kg)+SH-705(450g)+自作エンドフック
[三脚] Slik Pro Mini III (220g)+SBH-100(100g)
[一脚] LPLユニバーサルカメラスタンドUCS-10 (360g)
[一脚] Velbon Ultra Stick L50 (300g)
[電池] Eneloop急速充電池、単三形Eneloop8本、Enegizer4本


2.散歩・スナップ用の常用レンズFA43mm F1.9 Limited

・FA43mmが常用レンズです。薄いパンケーキ型なのに、撮影者の腕を一段超える写真を撮ってくれます。このレンズと出会わなければ、ボケの魅力にも気付かず、一眼にはまることもなかったでしょう。コンパクトカメラとは世界が違い、「これが一眼か」と眼から鱗が落ちる思いがしました。ポートレートでは、自然な距離で撮影できて、綺麗なボケが対象を浮き上がらせます。FA35mmが標準の画角でしょうが、43mmではとくに強調したいものを意識的に切り取る感覚です。DA35mmと比べれば寄れませんが(最短撮影距離45cm)、絞り環があるので接写リングも使えます(後述)。常に付けっ放しにしていますが、「良し、撮りに行こう」と背中を押してくれるレンズです。
・常用レンズは一般に、明るいFA35mm F2AL(195g, 厚さ44.5mm)か、3cmまで寄れるDA35mm F2.8Macro Limited(215g, 厚さ46.5mm)が定番でしょう。最初から十数万円を払えるならFA31mm F1.8AL Limited(345g)も絶賛されます。しかし、キットレンズ(200g)の重さとサイズにすら抵抗感があったので、まずパンケーキ型のDA40mm F2.8 Limited(90g, 厚さ15mm)に注目しました。ところが、実際に試し撮りをしてみたら、FA43mm F1.9 Limited(155g, 厚さ27mm)の明るさとボケに衝撃を受けました。最終的に自分の感動を信じ、DA40なら新品が買える金額を中古(曇りのある並品)のFA43に投じました。DA40の薄さとFA35の明るさ、FA31やFA77の色気を合わせ持つ「FA Limited三姉妹の長女」は、今考えても良い買い物でした。

・パンケーキの薄さを生かすには、まず付属のラッパ型フードをDA40mm用のフジツボ型フードに交換し、内側に30.5mm用プロテクターをつけます。すると、ケラレることもなく、DA21mm等と同じ薄さになります。フードの大きなFA35やDA35にはない長所です。これにVictorの30.5mm用ビデオレンズキャップをつけると、紐もついているので、気軽な着脱が可能になります。こうすると、Montbellインナーバッグにピッタリの直方体サイズになります。一般に一眼レフケースはT字型の三角形で鞄の中で座りが悪いですが、直方体だとどんな鞄にもすっきり収まります。

3.スナップ・複写用の広角DA21mm F2.8 Limited

パンケーキ型で32mm相当の広角DA21mm(140g)は、風景スナップ用の常用レンズにもなります。対象物に20cmまで寄って周囲の風景も写し込めるので、広角特有の歪みを味とすれば、旅先のちょっとした接写やポートレートにも使えます。作例はデジカメWatchにもあります。ただし、私個人の好みでは、画角的にはDA21が良さそうな旅先スナップでも、FA43を付けっぱなしにしていることが多いです。兄弟分の広角LimitedレンズにDA15mm F4ED AL Limited(212g)もあります。

・一眼レフは重くシャッター耐久回数(10万回)もあるため、文献複写には結局、コンパクトカメラの方が適しているようです。しかし、トラブルに備えどうせ2台のカメラを用意するなら、一眼を予備に持参するのは一案です。立って机上のA3資料を1画面に収めるには、広角DA21mmのワーキングディスタンスがちょうど良いようです。DA35mmMacroの方が歪みがない点では複写向きでしょうが、机上のA3資料を撮るには椅子の上に立たないといけないようです。
・一眼ゆえのメリットも3つ思いつきます。第一に、フラッシュ厳禁の暗い文書館・図書室内では、ISOを上げた高感度撮影が有効でしょう。第二に、額縁に入った歴史写真や博物館内の展示品(要許可)を撮影する場合、コンパクトカメラではガラスに光が反射して失敗しますが、、一眼レフにPLフィルターをつけておけばそれを防げます。車内からの車窓風景も写せます。第三に、文字を判別するだけの単純な文書複写だけでなく、写真や図版など、失敗できない緻密な撮影では、一眼の高画素・描写力・RAW撮影はコンパクトカメラとは比べ物になりません。

4.会議・食事会用と旅行用のズーム:DAL18-55mmとTAMRON18-250mm

・普通の風景・建物・人物なら、望遠側は不要なので、標準ズームで十分でしょう。足で距離を調整できない場所や手早く撮る状況では、単焦点レンズは不向きです。とくに会議や食事会が中心なら、肝心の会合中に動き回るのは失礼です。キットレンズのDAL(200g, 長さ67.5mm)はDA 18-55mm F3.5-5.6ALIIの廉価版で、クイックシフトフォーカスができず、フードが付属せず、プラスチック・マウントです。

・一眼にレンズを1本だけつけて旅行に持参するなら、やはり高倍率ズームが万能です。TAMRON AF18-250mm (A18)(430g、長さ84.3mm)を中古購入しました。レンズ交換不要です。格安中古のSigma Zoom100-300mmは出番がなくなりました。しかし、望遠は、祭り・パレード・舞台やスポーツ・野生動物・鳥・飛行機など、予め予測できる用途に限定されるので、最初からダブルズームを購入する方が良かったかもしれないと今は思っています。


5.単焦点レンズ・マクロレンズ・接写リング

・Pentaxユーザーは単焦点レンズを好む伝統があります。アルミ削り出しで精悍なLimitedシリーズは典型です。構図を足で稼ぐ必要がありますが、明るく描写が楽しい上に、軽いのが長所です。Pentaxは本体で手ぶれ補正ができるため、他社よりレンズを細く軽くできるのです。実際、パンケーキ型のLimitedレンズのDA21mm(140g), DA40mm(90g), FA43mm(155g), DA70(130g)なら、3本組でもズームより軽量です。DA70mm F2.4 LimitedLesTip.comでも高評価です。ただ、Pentax主催の写真コンテストの入選作を見ると、意外に単焦点遣いが少なく、大半がズームなのが不思議です。

・Pentax単焦点レンズの「銘玉」を5点挙げるなら、以下の通りでしょう。
(1)FA31mm F1.8 Limited(345g, 厚さ68.5mm)は、価格も含め、Pentaxブランドを背負うフラッグシップです。
(2)FA77mm F1.8 Limited(270g、厚さ48mm)は、ポートレートでのボケ味が絶賛されます。LensTip.comでも高評価です。
(3)TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO(405g、長さ97mm)は、費用対効果の高い定番マクロレンズですが、ポートレート用のボケでもFA77に並ぶ評判です。デジカメWatch等で高評価ですが、Pentaxユーザーのアンケートでは、なぜかランキング下位です。
(4)DA35mm F2.8Macro Limitedは、標準レンズとしてFA31に次ぎ、FA35と人気を二分します。3cmまで寄って等倍撮影できる個性は、デジカメWatchDigital Camera Reviewでも高評価です。
(5)私が愛用するFA43mm F1.9 LimitedやDA21mm F3.2AL Limitedも根強い支持があります。

・私は、DA40なら新品で買える予算を一段高価なFA43の中古品に投じましたが、この背伸びは正しかったと今も思います。被写体との出会いは一期一会なので、二度と巡り合うことのない季節の風景は、惚れ込んだレンズで画像に残したいと思います。他方、とくに魅力を感じないレンズは、お気に入りのレンズを差し置いて、あえて持ちだす理由がありません。所有物の中でも二番手になると途端に出番が減り存在価値が薄れるのは、各種コレクションの中でもレンズだけの特殊現象でしょう。したがって、中途半端な価格差に釣られて妥協するより、最初から思い切って良いものを買っておいた方が、結果的に安くつくかもしれません。

Pentax接写リングKセットは原始的な金属の筒なので、軽くて手入れも不要です。中古品(1600円)を試してみました。絞りリングを開き気味で決めてから、対象に数センチまで寄り、カメラを前後させてピントを合わせます。絞り優先モードで撮りますが、絞り環のないDAでは使えず、AFどころかピントリングも利きません。合焦点を少しでもずれると大きくボケます。それが面白いところでもありますが、初心者にはほぼ運任せです。


6. コンパクトカメラ: Nikon Coolpix P50

・コンパクトカメラを一眼と併用することにはメリットがあります。文書複写は典型例です。他にも途上国の市場や食堂、移民街では、コンパクトカメラの方が周囲に無用な緊張を招かず、シャッターチャンスを逃さないでしょう。また、DiCAPacαで雨天・水中に持ち出すなど、故障や盗難のリスクも冒せます。望遠ズームをコンパクトカメラに任せ、一眼にはお気に入りの単焦点レンズだけをつけっぱなしにするのも一考です。
・一眼と併用するときの選択条件は、①単三電池2本式(K-xと電池を共有するが重量は半分以下)、②高倍率ズーム(一眼ズームを代替)、③最新・最上位機種(RAW保存など一眼互換)でしょうか。愛用機は、広角28-102mm(F2.8-5.6)で有名なNikon Coolpix P50(160g)ですが、最新機ではCanon Powershot SX120IS(36-360mm, F2.8-4.3, 245g)を挙げます。とくにCanon製品には、非公式ながらRAW保存を可能にするCHDK(Canon Hack Development Kit)もあります(対応はSX110isまで)。専用電池式や単三電池4本式なら他にも高級機種がありますが、私には対象外です。


7. カーボン三脚: Slik Carbon 713EX

・三脚は重くて高価なので、同額を出費するならレンズに眼を奪われがちです。ISO1600-3200の高感度が売りのK-xでは、暗い室内や夜景でも手持ちのまま、夜景モードの完全オートで撮影するだけで、十分鮮やかな写真が撮れます。しかし、Slik社「三脚ワンポイントアドバイス」の「手持ち撮影はなぜ失敗しやすいのか」によれば、成功例があったとしても偶然に過ぎないことが問題のようです。たしかに帰宅時に拡大すると、輪郭や色彩がいまひとつボヤっとして、撮影時点に時間を逆戻しもできず、ガッカリすることがあります。実際にカーボン三脚を買ってみると、時間をかけて構図を選んだり、同一構図で絞りや露出の変化を試し、撮影の基礎を学び直す機会が増えました。とりあえずAFでシャッターを押しまくり、失敗の山から奇跡の一枚を選び出すというデジカメ初心者の罠から、脱出できるかもしれません。

Silkカーボン713EX(1.67/2kg, 1735/645/24mm)は、カーボン製なのにULTRA LUXiより安かったのが購入理由です。Velbon El Carmagne 433II(1.18/2.5kg,1445/525/22mm)等、カーボン三脚の型落ち品はたまに2万円以下です。伸縮時の高質感や固定時の安定感は素晴らしいですが、飛行機内持込用の旅行鞄に入らない縮長は誤算でした。エレベーターなしでも高さ1375mmですので、「三脚の選び方」でも提案される通り、センターポールを取り外せます。三脚本体が1.22kgで、3WAY雲台SH-705が450gなので、雲台をもっと軽い自由雲台に交換すると、さらにコンパクトになります。

・エンドフックは、814EXでの加工例と同様に簡単に自作できます。①「よーと(フック)」型の4mm径の中空用アンカー「よ-と-4S」(4本組430円)を長さ13mmに切断し、ネジ山も切り直してもらいます(加工料52円)。②次に、センターエンドの内径3mmの穴を、念のため4mmの木ネジビット(スターエム、556円)で広げます(力を込めてネジ込むだけでも十分かも)。③最後に、外側に内径4mmx外径20mmのステンレス丸ワッシャー(4個組160円)を当て、内側を内径4mmの段付ローレットナット(2個組160円)で締めます。作業時間5分でまるで純正品のような仕上がりです。以上は東急ハンズで調達する例ですが、ホームセンターで4mm径のナット付フック(2個組210円)を見つければそれだけでも十分でしょう。


8.旅行用の一脚・三脚: Velbon Ultra Stick L50

・旅行用にVelbon Ultra Stick L50(質量300g/積載質量2.5kg,全高1550/縮長370/脚径24mm/5段)を購入しました。eBayでは国内価格の半額でした。雲台はSlik Pro Mini III付属のSBH-100を転用します。高倍率ズームTAMRON18-250㎜は手持ちでは不安がありますが、Slik Carbon713EXは旅行鞄に入らないのがネックです。そこでUltra Stick L50なら、本格撮影用のSilk Carbon713EXと接写用のSlik Pro Mini III、複写用LPL UCS-10の用途を兼ねられると考えました。
・旅行用の三脚なら、Velbon ULTRA LUXi L(質量1.32kg/積載質量2kg,全高1610/縮長390/脚径24mm/5段)は、クイックシュー・水準器付の3WAY雲台付です。「初めての三脚」の定番です。なお、センターエンド&エンドフックは別売です。
・キングのFOTOPROカラーアルミ三脚C-4i(質量1.32kg/積載質量3kg,全高1460/縮長485/脚径22mm/4段、1万円強)は、5色のカラーバリエーションがK-x向きでしょう。クイックシュー式で水準器付の自由雲台もついています。

Slik Pro Mini III(320g, 22cm)は、卓上小物や地上植物のマクロ撮影用です。台や壁に固定しますが、自分の胸に押し当てる使い方も推奨されています。小さく軽いので海外旅行時の代替に期待したのですが、実際には登山者・旅行者の間でも利用率が低いようで、出番がありません。
・他方、付属の自由雲台SBH-100は軽く小さいので、一眼レフにはやや剛性不足ですが、軽量一脚には転用できます。
・複写専用の一脚なら、机の端にクランプで固定し、乗り出してマクロ撮影できるLPL UCS-10もあります。


9.雲台とアクセサリ

・高価な高精度雲台は、本体・レンズ合計で1kg前後の三脚初心者には縁遠いです。しかし、Silk Carbon713EX付属の3WAY雲台SH-705(450g, 高さ90mm)とPro Mini III付属の自由雲台SBH-100(100g, 高さ62mmx直径33mm, 最大重量2kg)に大差があることくらいは分かります。SBH-100は、動作にテンションがなくフニャフニャし、ノブを締め付けても完全には止まりませんが、SH-705は、程よい抵抗感で動いてしっかり止まります。後者は3WAYなので、風景の構図が取りやすいですが、かさばって重い上に、収納時に一方のハンドルを取り外して他方と合体させるのが手間です。SH-705並の安定感の自由雲台が欲しいところです。

・中国企業の自由雲台Benro B-0(290g/8kg, 85x50mm)/B-1(360g/12kg, 90x56mm)は、Acra Swiss B-1や韓国Kirk BH-3に準じた外観で、通常の締付けノブに加えパン回転ノブとテンション調整ノブが独立します。eBay等の個人輸入なら、国際規格Arca Styleのクイックシュー付で、国内価格の半額(85/100ドル)です。
・国産の自由雲台KTS PRO40(重量250g/最大重量6kg、全高98mmx直径45mm、6500円)は、Akiratch氏の工房訪問をはじめ、ULTRA LUXiユーザー層に品質/価格が絶賛されています。大手のような高機能設計は苦手なようですが、カラーオーダーのきめ細かさが職人直販の利点です。とくにPentax K-xのカラーバリエーションとは相性が良さそうです。

・国内大手のクイックシューの大半は、Slik DQ-20のようにレバー式の独自規格でしたが、Slik DS-20のようにノブ式のAcra Styleも登場しました。また、デジタル水準器アクションレベルもあれば便利そうです。
・K-xの手ぶれ防止には、レリーズは使えませんが、リモンコンやセルフタイマーが使えます。専用リモンコンドコモ携帯のiアプリの他、ソニー製の各種AVリモコンやau/softbank携帯のソニー向けリモコンアプリでも、成功例が報告されています。


テーマ : デジカメ
ジャンル : 写真

文書撮影の技術 - How to take pictures of archives

1.文書複写用のデジタルカメラ

・私の場合、海外調査での文書複写とスナップには、コンパクトデジタルカメラをメイン、一眼をサブにします。事故に備えカメラは2台揃え、一日の撮影分はパソコンにコピーしてフォルダ分類し、できればDVD等にもバックアップします。別途、旅の写真術一眼レフK-xと海外調査も参照して下さい。
・文書複写用のカメラは、単三電池形Eneloopが使えることが、私にとって譲れぬ第一条件です。コンパクトカメラの愛用機は、2013年時点ではCanon Powershot SX-160isです。単三電池は2本が適当で、4本では重すぎます。手振れ補正も外せません。台形補正機能がついていると、なお理想的です。ただし、sxシリーズで単3電池はsx-160が最後になってしまいました。一眼は、Pentax K-xに広角レンズPentax DA21mmとPLフィルターも用意します。
・5時間以上にわたり数千枚を撮ると、数回の電池交換が必要になりますが、海外調査先での電池切れは一期一会の機会を逃すので許されません。単三乾電池なら発展途上国でも現地購入できます。コンデジや一眼を含め、すべての電子機器のバッテリーを単三型Eneloopに統一しておけば無駄がありません。なお、Eneloop充電器のうち、海外の100-240Vに対応するのは「急速充電器」のみのようです。加えて、各国コンセントに対応する電源プラグ変換アダプターが必要です。



2.コンパクトデジタルカメラ

・文書複写には、単三電池2本式のコンパクトカメラが最適です。3つのメリットがあります。
①最近のコンパクトカメラならば、「文字がはっきり読める」という複写機能では、画質や画素も問題ありません。むしろ必要以上の高画素で撮影すると、保存容量も大きくなりますし、印刷やOCR読み込みなどで余計な時間がかかります。
②1日5時間を超える何千枚もの撮影では、軽いカメラでないと手持ちでぶれてしまいがちです。冊子体ならスタンドも便利でしょうが、サイズが異なる文書なら、手持ちの方が柔軟で手早いです。
③文書の複写撮影では、制度として公認されていない場合、現場責任者が許可判断を渋ることも少なくなく、外交的な駆け引きも必要です。アマチュアっぽい手持ちのコンパクトカメラは、相手に商業利用等の警戒感を与えず、文書館・図書室でも目立ちません。
④文書複写以外に街歩きでも、市場など、場の雰囲気を崩さずに手早く撮影するのは、コンパクトカメラが一番です。高倍率ズームも、一眼より軽くて便利です。故障・盗難時の金銭的な被害が小さいので、DicaPacαに包むなど、野外・風雨・水中等のリスクも冒せます。

3.デジタル一眼レフ

・一眼レフは、文書複写では予備的な存在です。
・デメリットは3つあります。
①一眼は重すぎて、スタンドなしの手持ちでは何時間も撮影できません。
②一眼には構造上、約10万回のシャッター耐用回数があるので、1回あたり数千枚という大量複写に向きません。
③文書館での大量複写は、商業利用等の規制や資料保護の原則から、基本的に歓迎されません。プロフェッショナルな装備は、現場責任者の警戒心を呼び覚まし、他の閲覧者にも違和感を与えます。

・しかし、メリットも3つあります。
①フラッシュ厳禁の暗い文書館・図書室内では、ISOを上げた高感度撮影が有効でしょう。
②額縁に入った写真やケース内の展示品、博物館内の撮影(要許可)、車内からの車窓風景などは、PLフィルターをつけた一眼でこそ、ガラスの反射を避けられます。
③写真や図版や手稿など、失敗できない緻密な撮影のとき、一眼の高画素・描写力・RAW撮影は頼りになります。

4.コピースタンド

・デジカメ撮影が公認されている文書館でも、専用の撮影室ならともかく一般閲覧室で、スタンドを使っている人は見たことがありません。撮影を不快に思う文書館員や閲覧者もいるので、今後の複写撮影者のためにも目立つことは止めましょう。しかし、たまに暗い場所でオートフォーカスに迷うときなどは、合焦のサインが出ていても、撮影された文字がブレて読めないことがあります。
LPL UCS-10(360g)や接写用三脚(600g)などのカメラスタンドを使えれば、積載重量は500g程度ではありますが、コンパクトカメラや小型一眼ならたしかに安定するでしょう。一脚を持参しているなら、複写用にも兼用できるかもしれません。
・多くの三脚ではエレベーターの下部にもカメラを取り付けることができますが、机の上では大きすぎますし、影ができそうです。三脚にレリーズを併用できれば、身体が影になるのを避けられるかもしれません。


5.レフ板・無反射ガラス

・公文書館の一般閲覧室でレフ板の利用は見かけないので、文書館員に挙動不審に思われそうなことは止めましょう。しかし、個人宅や企業・団体で文書を複写するときは、身体やカメラが影になったり、冊子体の折り目部分に影ができたりします。レフ板はフラッシュのように禁止されているわけではないので、周囲の雰囲気さえ許せば撮影上の効果はあります。銀色に乱反射する板状のものなら何でも良く、自作例は無限にあります。L字型のB4のレフバンα(千円弱@ビックカメラ)は手軽で、A4サイズに切ることもできます。ホームセンターにあるA3の白色スチレンボードにカッターで折れ目をつけ、そこにアルミ箔を張り、L字型金具と磁石で支えても良いでしょう。

・資料の上に無反射ガラスを置けば、皺やめくれを抑えることができるでしょう。A4サイズ(210mm×297mm)を想定するなら四切り(254mm×305mm)でしょう。普通のガラスの反射を抑えるなら、一眼レフカメラにPLフィルターを付けるのも選択肢です。Pentax K-xにPentax DA21をつけるならば、43mmのAF用PLフィルターが使えます。しかし、ガラス板は旅行鞄の中で割れていることが多く、重さと手間が割に合わないので、最近は持参を諦めています。


6.ライト

・文書館でのフラッシュ厳禁は、熱と光から文書を保護する上で常識です。ライト持参も許されるはずがありません。幸い、最近のデジカメならよほど室内が暗くない限り、手持ちでもほとんど手ぶれしません。
・しかし、写真などの重要資料を丁寧に複写するなら、2つのクリップライトで左右から45度に照らせばもっとも理想的です。冊子体の綴じ代分の影が消えれば、図表等がかなり読みやすくなります。ライトひとつでレフ板を併用するのでも効果があるでしょう。

・国内では、60W電球型蛍光灯のクリップライト(530g)を簡易三脚の上に乗せれば、簡便です。一部のヤザワ製品には、ナットで固定できる穴がついていますが、クリップを外しライトを三脚に直付けすれば、さらに軽量化できます。簡易三脚は軽量を最優先するなら、ポケットスタンド(147g、31.5cm)やシステムポッド3(286g、37.5cm)があります。
・100-150Wの撮影用ライトを使うなら、LPLランプホルダーMS-12(260g)とLPLリフレクター12S MS-15(270g)を三脚に乗せれば本格的です。また、コードレス蛍光灯(220g)をEneloop4本または海外対応ACアダプタ(125g)で使えれば手軽ですが、蛍光灯4Wが白熱灯20W相当に過ぎないなら光量不足の懸念があります。

・海外では、ライトを使うと決断した時点で、使い捨ての安物を現地購入するのが現実的です。日本製ライトを海外に持参するのは、熱器具専用変圧器(80g)もありますが、電源・重量・手間・費用の点で割に合いません。240Vの軽い中国製クリップライトなら、海外現地の電器屋で簡単に入手できます。私はカンボジアの市場で10ドルで購入しました。欧州やアフリカの安ホテルに持参すると、間接照明で暗い中、本格デスクワーク用の卓上灯にも便利です。


テーマ : デジカメ
ジャンル : 写真

Windows Phone入門 - Docomo T-01A

ドコモのスマートフォン「T-01A」を2009年夏に購入しました。同じWindows MobileのWillcom Advanced ESからの乗換えです。iPhoneやXperiaの陰に隠れていますが、なかなか便利です。感想は「Smartphoneレビュー Docomo T-01A」に書いた通りです。その後2010年初夏に、Windows Mobile 6.5にバージョンアップしたら、ビジュアル性が向上しました。また、Gmailや連絡先、Google Calendarは、スマートフォンへのプッシュ発信や自動同期に対応したのが画期的です。ノートPCでのオフライン操作対応も相まって、パソコンとシームレスに連携します。Opera Mobile 10は、自動ズームと体感速度が大幅進化しました。こうして2009年夏に書いた構成を微修正することにしました。以下は2010年現在の設定です。なお、2011年4月からAndroidフォンIDEOSとの2台持ちです。iPhoneなんかいらないーIDEOS/PocketWiFiSSIMフリー携帯入門iPadなんかいらないは別記。

0. Windows Mobile 6.5へのバージョンアップ

0-1.方法
・諸データをMicrosoft MyPhoneにバックアップして、Windows Mobile 6.5をインストール。
・Gmail・連絡先・Google Calendarは、Google Syncを再設定して同期するだけで、全データを引っ越しできる。
・Internet Explorerのお気に入りは、MyPhoneの同期で引っ越しできる。

0-2.改善点
HOMEスクリーン(Windows標準のTodayアイテム)も、スタートメニュー(スタートボタン一発で出るプログラム一覧)も、シンプルだが使いやすい。Spb Mobile ShellやPoint UI等の有料ソフトの方がたしかに高機能だが、どうせ各標準ソフトがメモリを占めカスタマイズしきれない。東芝標準のストライプメニューや各種無料ソフトはもはや不要。ただ、スタートメニューではアイテムを一番上に移動することしかできず、HOMEスクリーンもカスタマイズ手段が見当たらない。
・Internet Exprolerは、劇的に進化したOpera Mobile 10があればもはや不要。IEではカスタマイズ手段が見当たらない。常にフルスクリーンで、右下のアイコンを押さないとメニューが出なくなったのが、二度手間。
・Market Placeは、有料・無料ソフトをカバーして良いが、重要ソフトが欠けているので、Aplioの併用が必要

1.基本設定

1-1. 料金プラン
・Docomoプラン: タイプSSバリュー、Bizホーダイダブル、mopera Uライト。
・Yahoo! Premium(346円)加入者の無線LAN: Yahoo!無線LAN(+210円/月)、またはワイヤレスゲート+ヨドバシカメラ(380円/月)。主にマクドナルドで利用。複数機の接続可。
・フレッツ光利用者の無線LAN: フレッツスポット(+月210円/月)。主にホテル・駅で利用。複数機の接続可。Mopera Uライト+Mopera Uスタンダード(+200円/月)+公衆無線LANコース(+315円/月)は意味がない。

1-2.メール・連絡先・予定表
・メール(1): PCメール→Gmail同期(外部メール読み込み)
→Windows Mobile「メール」Online同期。プッシュ受信に対応したのが画期的

・メール(2): Windows LiveでHotmailとOnline同期・予定表: Google Calendar
→Windows Mobile「予定表」Online同期(Google Sync)

・電話帳: Gmail連絡先
→Windows Mobile「連絡先」Online同期(Google Sync)


1-3.その他
・Internet Explorerブックマーク: Deliciousから手入力。
・Podcast: Kinoma PlayにURLを手入力。
・カメラ: Gmail(→Windows Mobile)連絡先にFlickrとFacebookのアップロード用メールアドレスを追加。なお、Shozuは使えない。また、T-01Aで撮影する写真にGPS情報は埋め込めない。
・追加アプリケーション: マーケットプレイスとAplio等からインストール。
・各種WEBサービス: ID&パスワード手入力。

2.ブックマーク

・ブックマーク・リストを作っておくと、システムやブラウザを変える時にも便利。
・PCサイトは重過ぎるので、日常的にはモバイルサイトしか使う気にならない。
・※をつけたモバイルサイトは、携帯電話専用でスマートフォンでは読めない。
・※※をつけたサイトは、モバイルサイトが存在しない。PCサイトを開くしかない。

2-1.基本ツール
Google Mobile: 検索エンジン、ホームに設定
Google Calendar Mobile:予定表。GoogleSync同期に失敗したときにブラウザ閲覧。英語版なら予定追加可能。
Gmail Mobile: Email。GoogleSync同期に失敗したときにブラウザ閲覧
・Remember the Milk Mobile: To Doサイトの定番。
Windows Live Mobile: 写真アルバム、ストレージ25GB
・Yahoo! Japan (PC): ポータル※
Quanp: オンラインストレージ。DropBox等の方が一般的。

2-2.情報源
新聞は、iPhoneアプリやKindleで購入するのが近年の傾向で、Winodows Phoneでは苦手。『産経新聞』は唯一の例外で、専用アプリYOPViewerWMを使い無料で全文が読める(後述)。PCサイトは、ブラウジングには重いが、一文をじっくり読むには良い。
・(Mobile日本語)mini asahi.com: 朝日新聞の短文記事を読める。
・(Mobile仏語)Le Monde Mobile: 仏語新聞の代表。短文記事を読める。T-01Aでエラー。
・(Mobile英語)FT Mobile: 英国経済新聞の代表。やや読みにくいが、記事全文が月に30本まで無料※。
・(Mobile英語)The Economist Mobile Edition: 英国経済誌(週刊)の代表。短文記事を読める※。
・(PC日本語)日経電子版: 有料で全文を読める※。Mobileでは重過ぎる。
・(PC日本語)Wall Street Journal日本版: 英語経済新聞を日本語で。無料※。
・(PC日本語)朝鮮日報/中央日報・日本版: 韓国新聞を日本語で。無料※。
・(PC日本語)Le Monde Diplomatique日本版: フランス論壇誌(月刊)を日本語で。無料※※。
・(PC仏語)Courrier International: フランス週刊誌(世界の主要新聞記事)。有料で記事全文を読める。Mobileでは重過ぎるが、雑誌全部をPDFでダウンロードできて、PCやKindleで読める※※。
・Amazon Mobile: 書籍検索。
Podcast Juice (PC): Podocastポータル※※。Podcastの改廃情報は個別にRSSを検索する。
Vodcasts.TV (PC): Vodcastポータル※※。Podcastの改廃情報は個別にRSSを検索する。
・図書館やEndNoteWebのモバイルページも便利。

2-3.旅行
・ANA Mobile: 航空券。使えない機能も多いため、PCサイトも必要。
・ANA(PC): 航空券、とくにマイレージ等。
・JAL Mobile: 航空券
・My Airdo (PC): 航空券※
・Skymark: 航空券※
ジョルダンTouch!: 乗換案内
・楽天トラベル(PC): 宿予約はMobileページではできない※。

2-4.コミュニケーション
Facebook Mobile: SNS。Facebookアプリではすべての機能が使えないためブラウザ操作が必要
Delicious Mobile: ソシアル・ブックマーク。追加方法が分からない。
・FC2掲示板 (PC): 掲示板※
・Flickr Mobile: 写真アルバム。
・ブログ等※。

3.追加アプリケーション(by Aplio & Giraffe)

追加アプリケーションのダウンロードには、マーケットプレイスは必要アプリの7割をカバーし、有料コンテンツが加わった。ただし、定番アプリが漏れているため、aplioやGiraffeや製作者HPからもダウンロードする必要がある。以下はマーケットプレイスの分類。なお、ウェブサービスや新聞雑誌、PCソフト、企業・公共機関等がモバイル・アプリを提供するときは、iPhone優先、次いでAndroidを鮮明にしており、Windows Mobileアプリの劣勢は今や明らかだ。国立西洋美術館新国立美術館などがiPhoneアプリだけを出しているのは悔しかった。

3-1.ゲーム/エンターテイメント
・個人的に関心なし。

3-2.ニュース/天気
MSN Sankei News: 読みやすい。が、長文を読むにはブラウザを立ち上げる。
YOPViewerWM: 『産経新聞』の全紙面・全記事を無料で読める。iPhone用のWindows Mobile版。
JWezWM: 天気を表示
週刊東洋経済Mobile:『週刊東洋経済』ビューアー。使っていない。

3-3.仕事効率化
Offisnail Date: 予定表。月一覧が見やすい。定番シェアウェア「さいすけ」は不要か。
SugarSync for Windows Mobile: オンラインストレージ。Dropboxの方が定番。製作者HPからダウンロード。うまく動かない。
MilkSync for Windows Mobile: Remember the MilkのタスクをOutlook Mobileの予定表と同期する。しかし、細かい設定は同期できないので、ブラウザ操作の方が使いやすい。製作者HPからダウンロード。
・mab task: タスク管理。Outlook Mobileデータを色分け表示。シェアウェア1,200円。
Evernote for Windows Mobile: マルチメディアメモ。使わない。
Macky Blog Pocket: ブログ編集。使えなかった。
Quanp: オンラインストレージ。Windows Mobileアプリがない。

3-4.ソーシャルネットワーク/コミュニケーション
Opera Mobile 10: タブブラウザ。素晴らしい使い勝手と体感速度。アダプティブズームも画期的。Windows標準のIEとは雲泥の差があり、むしろiPhoneに迫る(と思う)。Gmail, Google Calendar, Facebookなどを開いておけば、専用ソフトを立ち上げずにタブ切替できる。マーケットプレイスにはないので、OperaのHPからダウンロードするが、これの有無でT-01Aの使い勝手が変わる。
Facebook for Windows Mobile: SNSリーダー。写真等は見やすいが、すべての機能が使えるわけではないので、ブラウザ操作と併用が必要。
moTweeets/Tiitan: Twitterリーダー。個人的に使わない。Twitterリーダーはたくさんあり日進月歩。
Skype Mobile: チャット・電話。無線LANで使用可。パソコン経由でないと使いにくい。

3-5.ライフスタイル
・試していないが、F-06B、N-04B、N-08Bのアクセスポイントモードに似たことをT-01Aでもできるらしい。
・WMWifirouter:T-01Aをモバイルルーターにできるシェアウェア。試していない。
・ICS on Windows Mobile: Internet Connection Sharingによりモデム化(Tethering)するフリーウェア。試していない。
・Disengage2: 3G、Wifi、Bluetoothを同時利用するフリーウェア。試していない。
・Wifictr: 定額パケット通信とBluetoothを同時利用する。試していない。

3-6.音楽/動画
・有料コンテンツはまだない。
Kinoma Play:(標準) PodcastやYoutubeを保存せずに即時再生。TCPMP等、他のマルチメディアプレーヤーはもはや不要。しかし、PodcastはURLを手打ちする必要があるのが、非常に不便。
MKeyHoleTV6: ネットラジオ・テレビ。Kinoma PlayでPodocastを視聴すれば不要。

3-7.地図/検索/旅行/ビジネスセンター
Bing for Windows Mobile: マルチ検索エンジン音声・地図・天気(映画・渋滞・石油価格は日本データなし)。
GSz: レストラン情報検索。使わない。
Googleマップ Mobile: GPS

3-8.資料/コミック
有料コンテンツの充実が期待される。
SkyView: 青空文庫のダウンロード管理・横書閲覧
Mobipocket: Gutenbergビューアー。洋書の閲覧
YouTube Mobile: 動画再生。Kinoma Playがあれば不要。
マンガミーヤ: 青空文庫・漫画ビューアー。縦書閲覧に最適。SkyViewがあれば不要?
手塚治虫マガジン: 『週刊手塚治虫マガジン』ビューアー。使っていない。

3-9.ツール
Aplio: Windows Mobileソフトダウンロード。マーケットプレイスだけでは不十分。マーケットプレイスでダウンロードしたソフトも、アンダウンロード等の管理ができる。
Giraffe: Windows Mobileソフトダウンロード。Aplioと相互補完
GsFinder-W03: 定番のファイル管理ソフト
Microsoft My Phone: Windows Mobile機の全データをオンラインストレージにバックアップ。
Spb Mobile Shell: 高機能メニューの定番シェアウェア(29.95ドル)。高機能だが、Google検索は米国対応のみ、Facebookログインはエラーと、価格に見合う価値を感じなかった。
Pointui Home 2 Lite: iPhone風メニューのフリーウェア。Windows Mobile 6.5標準のTodayアイテムがあれば不要か。
PPCAdvancedSet2/LitghtTuneLight03_T01A/WkTASK: システム設定。クリアタイプやToday境界線削除の意味がよく分からない。
LightTuneLight03_T01A: 表示自動設定。よく分からない。
WkTASK: システム設定。よく分からない。
・WindowsMobile 6.5標準のTodayアイテムやプログラム一覧をカスタマイズするツールが欲しい。

4.Podcast(by Kinoma Play)

Podcast利用はスマートフォン利用の貴重な長所。ただし、Kinoma Playでは以下のURLを手打ちするのが手間。Podcastは、「Podcastを活用した英語学習」でも紹介した。
4-1.標準ニュース
BBC Global News (Audio): 英国国営局の国際ニュース。29分、昼着信。
 http://downloads.bbc.co.uk/podcasts/worldservice/globalnews/rss.xml
NBC Nightly News with Brian Williams (Video): 米国3大局のニュース、朝着信で便利。
 http://podcast.msnbc.com/audio/podcast/MSNBC-NN-NETCAST-M4V.xml
・MSNBC The Rachel Maddow Show (Video): フランクな語り口のニュース解説。
http://rss.msnbc.msn.com/id/27668917/device/rss/vp/26315908/rss.xml
・CNN News Update (Audio): ニュース、夜着信。
 http://rss.cnn.com/services/podcasting/newscast/rss.xml

4-2. 学習用ニュース
CNN Studnet News (Video): ニュースを米国人学生向けに解説。英語は速い。10分、早朝着信。 
 http://rss.cnn.com/services/podcasting/studentnews/rss.xml
VOA Special English (Video): サブタイトル付のゆっくりした初歩英語ニュース。スクリプト・ページもあり英語学習に最適、週刊。  
 http://www.voanews.com/podcast/videocastxml_local.cfm?id=1316
BBC World News for School (Audio): 途上国の小中学生対象の国際ニュース。演出に躍動感。3分、毎週金曜。
 http://downloads.bbc.co.uk/podcasts/bbc7/wnc/rss.xml

4-3.個性派ニュース
Euro News: No Comment (Video): 解説抜きの動画放映のみでユニーク、朝着信。
 http://feeds.feedburner.com/Euronews-NoComment
週刊日経トレンディ (Audio): 経済トレンド解説。
 http://trendy.nikkeibp.co.jp/rss/podcast/trendy.rdf

4-4.仏語番組
TF1 Journal de 20H (Video): 仏語ニュースの定番。朝着信。
 http://www.tf1.fr/xml/rss/0,,205,00.xml
・TF1 Journal de 13H (Video): 代表的な仏語ニュース、夜着信。
 http://www.tf1.fr/xml/rss/0,,204,00.xml

4-5.趣味番組
セサミストリート(Video):米国子供番組の代名詞。大人にも面白い。
http://www.sesameworkshop.org/podcasts/sesamestreet/rss.xml
・いーふろん亭:希少
 http://podfeed.podcastjuice.jp/app/rss_convert.cgi?url=http%3A%2F%2Fwww.podyose.com%2Fpodcast%2F

5.周辺機器

・ASDEC液晶保護フィルム・イヤホン
ポケットアダプタ「デュアル」EX: T-01A用USBケーブル(付属)で充電できる。他のACアダプタの場合、 T-01A用USBケーブル(付属)では充電できず、FOMA用USBケーブル(別売)とT-01A用FOMAアダプタ(付属)を併用する。
ポケットバッテリー: T-01A用USBケーブル(付属)で充電できる。他の外部バッテリ、たとえばeneloop mobile boosterは、T-01A用USBケーブル(付属)では充電できず、FOMA用USBケーブル(別売)とT-01A用FOMAアダプタ(付属)を併用する。
・予備電池パックT02[ATS29015]+電池パックマルチ充電池: 携帯・デジカメの機種を問わず電池パックをクリップではさんで充電する怪しい万能品。
・リュウド折りたたみワイヤレスキーボード: KING JIM ポメラ(370g)と似た使い心地でさらに軽い(129+220g)。ミニノートPCに匹敵するというのは言い過ぎか。
  

テーマ : スマートフォン
ジャンル : 携帯電話・PHS

tag : ドコモ スマートフォン T-01A ウィンドウズ モバイル

iPadなんかいらない - Notebook computer vs iPad

※Kindle Fire, Kindle Touch, Kindle Keyboardが登場した今、やはり一層、iPad2なんかいらない。読書専用のKindle Boardなら、価格は1/4、3G接続料は無料、重量は1/2以下、稼働時間は10倍以上だ(2011年3月追記)。

iPadが注目を集めているが、仕事や勉強に使うならキーボードとマイクロソフト・オフィスは譲れない。5年間、世界各国で酷使したLet's Note W2の後継は、やはりiPadではなく、型落ちのPanasonic Let's Note R/J(B5型ノートパソコン)にした。別に他製品でも良いのだが、レッツノートは長時間駆動&堅牢な小型パソコンの代名詞だ。新品のネットブックより、中古品のLet's Noteの方が満足できる。R7(6万円~、2007年発売、HDD250GB)、R8(7万円~、2009年発売、HDD160GB)、R9(8万円~、2010年発売、SSD128GB)、J10(9万円~、2011年発売)など、1-3年前のモデルの費用対効果は抜群だ。ただ、iPadには、ネットブックや小型パソコン全般に応用できる発想の転換がある。iPad自体は長短所が明白で「魔法のようなデバイス」とは言い過ぎだが、iPadが提案するPCの新しい活用法はたしかに重要だ。PC cafe『仕事ができる人はなぜレッツノートを使っているのか?』も参考になる。他方、電子書籍の読書専用ならAmazon Kindleが一番だ。iPhoneなんかいらないは別記。


1.ノートPCをiPad以上に活用する

1-1.瞬時に立ち上げる
SSDモデルなら電源を切らず、常にワンタッチで立ち上がるように、スリープ状態にしておく。
秀丸エディタを常に開いておき、日付挿入マクロを使って、付箋代りに何でもガンガン書く。Wordよりはるかに速くキビキビし、Windows「メモ帳」よりカスタマイズでき、とくに2文書の並列編集には便利。ポメラより圧倒的に拡張性がある。
・ブラウザも常に開いておき、GmailとGoogle Calendar、Remember the MilkはGoogle Gearでオフラインでも閲覧・書き込みできるようにしておく。

1-2.膨大なコンテンツを持ち歩く
・音楽CD、TVビデオ、Podcast等を自宅PCから外出用PCへコピーしておき、出先で視聴する。Podcastの外国語TVニュースの場合、該当フォルダを厳選し、自宅PCと外出用PCの間をSugarSyncで自動同期し、最新版が自動更新されるようにする。
青空文庫、Gutenberg、Kindle for PC、スキャン済書籍等を自宅用PCから外出用PCへコピーしておき、出先で読む。持ち出し用フォルダを作っておき、自宅PCと外出用PCの間をSugarSyncで同期し、最新版が自動更新されるようにする。

1-3.自宅PCと外出用PC、スマートフォンを同環境に保つ
・GmailとGoogle CalendarはActiveSync/Google Sync、Remember the MilkはMilk Sync(25ドル/年)でスマートフォン(Windows Mobile)と同期し、すべてのパソコン・モバイルのメール・予定表・仕事を常に同じものに保つ。スマートフォンでのメールはOutlook Mobileを使うが、予定表は月間一覧のできるOffisnail、仕事管理は色分けできるmabTasks(1,260円)を使う。
・GmailとGoogle Calendar、Remember the Milkは、Google Gearsによって自宅PCと外出用PCを自動的に同期する。オフラインのPCでもメールや予定表、仕事の閲覧や新規作成ができるので、ネット接続は送受信時以外は必要ない。PCアカウントのPOP/SMTPサーバーをGmailに登録し、すべてのPCメールをGmailで送受し、データをクラウド上に置くので、Outlookはもう要らない
・機密性の低い実用データは、ネット経由のSugarSyncで自宅PCと外出用PCを同期し、すべてのPCの環境を常に一緒にしておく。PC同士をUSB/Bluetooth接続することは不要で、別々にネットにつなぎさえすれば、ネット経由で自動的に同期される。

1-4.無線LANや3Gで接続する
・Wireless Gate(月額380円)に入りマクドナルド等でWiFiを使う。Yahoo! Premium(346円)加入者なら、Yahoo!無線LAN(+210円/月)の方が安い。
・フレッツ光利用者なら、フレッツスポット(+月210円/月)も良い。主にホテル・駅で利用。
・メールや地図検索などの緊急性のあるWEBチェックは、スマートフォン(や携帯)を使う。
・GmailやGoogle Calendarはオフライン閲覧できるし、WEB検索等はスマートフォンでできるので、3G接続は個人的に必要性が低い。
・ごくたまに3G接続するにはWimaxの1日利用プランもある。スマートフォンのデータ定額を止めるなら、WiMaxの2段階定額(380-4980円/月)も良い。

2.iPadの利点
・WiFi接続で最長10時間の駆動時間は素晴らしい。定価2倍のLet's Note R/Jでも、公称7時間だが、中古品のWiFi接続ではその半分ではないか。
・iPadのデータ定額プランは、WiMax等と比べて高くない。携帯・スマートフォンをデータ定額で使わない人には良い。
厚みは雑誌並に薄い。Let's Noteは、重さはさほど変わらないが、厚さ30-40mmなので単行本のようにずんぐりしている。
・全面ディスプレイのタッチパネルなので、持ちやすく見やすい。
※ただし、読書専用なら以上の利点は消し飛び、iPad2はKindle3に完敗する。

3.ノートパソコンの利点
ノートパソコンなら本格的に仕事ができる。自宅用PCと外出用小型PCの併用・自動同期が一番便利。が、私はB5型パソコンをメインPCとして使っていた時期もある。
iPad2ではブラインドタッチができない。タイピングが思考スピードを邪魔するようでは、物書きに使えない。
iPad2ではPowerPointのプレゼンができない。Keynote for iPadで読み込む場合、レイアウト等の修正が不可欠で、時間と労力が無駄。
・同じパソコンなら、職場・自宅で出張直前まで仕事して、何も考えずにそのまま出張先でも同環境で続きを作業できて、本来の仕事に集中できる。母艦PCとiPadとの連携トラブルは、出張先ではプロとして失格だし、手間暇かけるストレス自体が本末転倒だ。
・パソコンなら万能だが、iPadで何でも済ませようとするのは無理がある。
・ディスプレイは、Let's Note Rの10.4インチの方が、iPadの9.7インチより大きい。
・パソコンのHDD/SSDは、保存容量がはるかに大きい。音楽CD、TVビデオ、Podcast等をいくらでも持ち出せる。
・パソコンでもKindle for PCで電子書籍を読める。
Let's Note R/Jは1㎏弱、iPad/iPad2は601-730gで、大同小異。Let's Noteの中古とiPad2の新品も、価格は並ぶ。

4. 結論
・モバイルで仕事する人ならやはりノートパソコンが良い。中古で買って、過保護にせずガンガン持ち出し、3年寿命の消耗品扱いでラフに使い込む。データは、自宅PCとオンラインストレージとハードディスクでバックアップを取り、いつ壊れても支障がないようにする。新品なら3年特別保証が理想的。
・Atom CPUのネットブックよりも、中古のLet's Noteの方が良い。Let's Noteは、落下・振動に強く防滴対策もされており、iPadほどではないが駆動時間も長い。
キーボードは、文章はもちろん、長めのメールを書くにも不可欠。複数のファイルを機敏に参照するには、マルチタスク・Office・容量が必要。オフラインでも様々な作業ができる。メールチェックや簡単な3G接続は携帯・スマートフォンで十分
スマートフォンを使っておらず、WEB閲覧が主要目的ならば、iPadの経済性、携帯性、操作性は良い。Officeで仕事しない人や老人・子供にも、iPadの方が良い。
電子書籍を読むだけならAmazon Kindleが圧倒的に良い。Kindle KeyboardはiPad2と比べ、価格は1/4(1万円)、3G接続料無料、重量は1/2以下(247g)、バッテリーは10倍以上(Wi-Fiオンで3週間、3G+Wi-Fiオンで10日)。読書専用なら迷う余地もない。WEB閲覧は、表示が遅いし、閲覧できないサイトもあるし、日本語入力もできないが、無料サービスなら十分だ。Kindle書籍は、一度購入すればクラウドに半永久保存され、PC、スマートフォン、Kindle、iPadと機種を変えてもダウンロードし直せる。iPadなんかいらない。

テーマ : ノートPC
ジャンル : コンピュータ

tag : Let's Note iPad Gmail Google Calendar

AudioComm RAD-S800N (TECSUN PL380) 中国製BCLラジオ

震災対策と目覚ましに10年ぶりに新しいラジオを購入した。オーム電機のAudioComm RAD-S800N (TECSUN PL-380のOEM)だ。SONY ICF-M260(3-4千円)が廃番になったのには困ったが、アラームだけならアナログ短波ラジオELPA ER-21T(2-3千円)、携帯用ならFM/AMデジタル機のSONY ICF-M55(3-4千円)でも十分だった。しかし、DEGEN DE1103(約9千円)が絶賛されているのを知って、ダメ元の好奇心で中国製ラジオ(親称「中華ラジオ」)に目を向けた。通販では現物の吟味もできず送料もかかるが、RAD-S800Nをビックカメラが6,980円で店頭に並べ始めたため、手に取った上で購入に踏み切った。小さなボディに価格に見合わぬ機能を詰め込んだ、素晴らしいハイテク製品だと思う。気づかぬうちにBCL(Broadcast Listening/海外短波)ラジオも中国製品もこれほど技術進歩していたとは驚かされた。先入観を一変させられ、軽いカルチャーショックを受けた。※中国製BCLラジオの定番DEGEN DE1103+Apex Radio 303WA-2レビューBCLラジオのアンテナ海外短波受信(BCL)の勧めは別記。
1. RAD-S800N (PL-380)の長所

・最新のDSP(Digital Signal Processing)ラジオで、PL-380は2009年、RAD-S800Nは2010年の発売だ。そのためFMとAMは地元局を綺麗な音質で受信する。鉄筋マンションの室内でも、ロッドアンテナを立てずに済む。コミュニティFM(ワイヤーアンテナ使用)や「ロシアの声」のAM放送も拾った。
・とくにFMの音質と感度は素晴らしい。ロッドアンテナを立てない状態の感度は、特大ロッドアンテナで感度を稼ぐDE1103以上だと思う。付属のイヤホンを差すとステレオになり、素人の私にはiPod代りになる音質だ。76-108MHz対応なので、日本のFM(76-90MHz)はもちろん、海外旅行・留学に持参して現地のFM(64/87/87.5-108MHz)も受信できる。
・短波は、鉄筋マンション内ではラジオNikkeiのみだが、ワイヤーアンテナを室外に出せば、メジャーな日本語・英語の短波を20局受信できた。AM BWボタンでの帯域幅の微調整もノイズ減に効果がある。

・FM感度の実例。
①自宅・鉄筋マンションのユニットバスをドアで密閉すると、防滴ラジオANDO RA-172WRでは電波を遮断されてしまうが、RAD-S900Nは、浴室ドアとジップロック袋で二重に密封しても感度が衰えず、簡易風呂ラジオになった。
②同マンション内では、鉄筋壁や鉄扉で隔てられた廊下やエレベーター内を持ち運んでも、音が乱れなかった。
③実家・鉄筋住宅では、コンポSONY CMT-J100, 風呂用SONY ICF-S70SP/ICF-S75, 非常用SONY ICF-B200等でFMが雑音で聴きづらく、長らくAMしか聴く習慣がなかったが、RAD-S800Nで初めてFMをクリアに聴くことができた。


ETM(Easy Tuning Mode)や自動メモリー登録は非常に快適だ。受信可能な放送局を高速スキャンし、自動的に登録する。とくに短波は全バンドを一括スキャンする。後は、テレビチャンネルを変える感覚で、選局できる。今良く聴こえる局を何度でも自動登録し直せるので、液晶画面も見ずにザッピングできる。
・オートブラウズ受信は、受信可能な放送局をスキャンしながら、各放送局を5秒ずつ試聴させる。目当ての放送局で止めて手動で登録するが、自動登録より微弱な電波を拾える。ベストセラーのDE1103の場合、このオートブラウズ受信しかできず、自動メモリー登録は使えないため、液晶画面や周波数一覧を注視する必要がある。
・自動メモリー登録とETMは、ほぼ同じ操作だ。が、メモリ番号がつき手動修正もできる固定登録用と、番号なしに自動生成される仮登録用の2組のプリセットを作る。私の場合、聴く放送局が固定しているFMとAMは、自動メモリー登録でプリセットし、メモリ番号を微修正して固定した。他方、短波は、主要周波数のみ手動でプリセットしておき、残りはETMで、その時々で聴こえる全放送局を一括かつ自動で仮登録し、テレビ感覚でザッピングする。
・PLLシンセサイザは、周波数を数字でピタリと指定できる。音量、電波の強さ(信号強度dBμ)、ノイズの少なさ(S/N比dB)も数字表示される。
・バックライト付の時計とスヌーズ付のアラームは目覚しに最適だ。スリープも1-120分で設定でき、就寝時に限らず消し忘れ防止になる。

・高性能ラジオなのに携帯できるほど小さい。厚めの文庫本サイズで、電池抜きで200g。
・電源が単3電池3本であることは、あらゆるモバイル電源をEneloopに統一している私には重要だ。PL-380と異なり、充電池の充電はできないが、日本用ACアダプター(100V)も付属する。スリープタイマーの設定が、電源のON/OFF後も維持されるため、消し忘れを防ぐ(DE1103は、スリープタイマーの設定が1回限りのため、消し忘れると電池の消耗が早い)。
・日本仕様なので、日本語マニュアル、日本用ACアダプター(100V)がつき、ボタンも日本語表記だ。ビックカメラで購入したので、他の日本製品と同様に1年間の国内保証書(と安心感)がある。
・DEGEN DE1103の日本価格は送料込9千円、姉妹機TECSUN PL-600のOEM品(ANDO PL7-468SL)は2万円超だ。PL-380のeBay価格(送料込60ドル)には敵わないものの、ビックカメラで店頭購入できるRAD-S800N(6,980円)の費用対効果は抜群だ。ちなみに、TECSUNはヘッドホンE-805も作っており、日本価格は送料込5千円強、eBayなら送料込30ドルだ。

2. RAD-S800N (PL-380)の短所

・鉄筋の建物内では、短波の受信はラジオNikkeiのみだった。中波の遠距離受信も数局のみで、風呂用SONY ICF-S70/ICF-S75等と比べ、音質は良いが入局数は大差なかった。DE1103と比べ、FMの感度で勝り、短波・中波の感度に劣るという評は当たっていると思う。

・鉄筋マンション内で海外短波放送を受信するには少なくとも、付属のワイヤーアンテナをカーテンレールにつけたり、それを釣竿の先につけて窓の外から突き出したり、簡易ロングワイヤーアンテナ(0・9㎜x20mのカラーワイヤー)をベランダに張ったりする必要がある。RAD-S800N+ワイヤーアンテナが、特大ロッドアンテナを伸ばしたDE1103と同等の感度だという印象だ。海外短波放送のアンテナは別記。
・室外の簡易ロングワイヤーアンテナをつけると、東アジア・太平洋を中心としたメジャーな日本語・英語の短波を20局までは順調に受信できた。しかし、欧米と中南米・アフリカは難しく、それ以上は急に頭打ちになった。20局を多いと見るか少ないと考えるかは、リスナーのマニア度次第だ。さらに世界中の放送を探して回るのには、外部アンテナ端子がないことがネックになる。

・中波は、地元AM放送ならはっきり聴こえる。が、FMのような鉄壁の安定度ではなく、鉄筋マンション室内を持ち運ぶと、方向次第で音質が少し変化する。また、他県AM放送の遠距離受信は、DE1103では辛うじて5局聴こえたが、RAD-S800Nでは民間局を1局しか受信できなかった。もっとも、DE1103+303WA-2でも、AFN (American Airorces Network)の英語放送、海外局の中国語・韓国語・ロシア語放送、灯台放送(船舶気象通報)等は受信できていない。中波専用アンテナのミズホUZ-K1s/UZ-77sなら改善できるのかもしれないが、アンテナ以前に私の受信環境が悪すぎるのかもしれない。

アラームの放送局と音量は指定できず、最後にOFFにしたときの設定がそのまま再生される(DE1103なら、2つの放送局・音量を設定できる)。寝ながらラジオを聴いた場合、翌朝は大音量では鳴らないし、イヤホンをつけたままの場合、スピーカーから音が出ない。ラジオ放送ではなくアラーム音を選んだ場合のみ、イヤホンの有無によらずスピーカーから音が出る。設定ボタンと表示も癖がある。
・オリジナルのTACSUN PL-380と違い、温度計はなく、充電池の充電やパソコンからの電源補給もできない。
・FM・中波・短波の高感度やETM・PLLシンセサイザ等の高機能を考えると、6,980円という価格と200gの軽さは素晴らしいが、短波や高感度を必要としないなら、3千円以下や100g以下のFM/AMシンセラジオやアナログ短波ラジオもある。
・国内保証が不要なら、eBayでは送料込で、TECSUN PL-380が60ドル、DEGEN DE1103が70-80ドル、TECSUN PL-660が100ドル強だ。RAD-S800Nと同価格でPL-660やDE1103を買う方が良い。
・入門用ながらユニバーサルデザインではない。高齢者・初心者に安心して乗り換えさせるには以下の改善が必要だろう。

・「MW」を「AM」と表記する。
・「FM」「AM」ボタンを巨大化する。FM/AM/SWボタンを点灯するか、せめてバンドを液晶に大きく表示する。
・「VM」ボタンをなくし、電源をONにすると自動的にVMモードでプリセットした放送局が立ち上がるようにする。ETM/VFモードに切り替えた場合も、電源ボタンを軽く押したり、電源をOFFにすると解除されるようにする。
・放送局名をプリセットで入力できるようにするか、せめて地域ごとの周波数一覧シールを添付する。
・時刻とアラーム時刻、アラームON/OFFを大きく常時表示する。アラーム操作のボタンを大きくシンプルにする。


3. RAD-S800N (PL-380)レビュー: 結論

・RAD-S800Nは、とくにFMが高感度・高音質の最新機種(2009-2010年)だ。中波は地元AMを聴く分には音が良い。短波は鉄筋マンション室内ではラジオNikkeiのみだったが、室外ワイヤーアンテナをつければ海外短波も20局聴けた。また、自動メモリ登録とETMを使えば、全自動で放送局を高速スキャン・プリセットして、テレビ・チャンネルのようにザッピングできる。とくに短波は全バンドが一括スキャンされる。国内保証付(RAD-S800N)で6,980円、eBay(PL-380)で60ドルは、費用対効果が非常に高い。とくにFMと操作性・携帯性を重視する人に最適だ。

・しかし、これまで使っていたラジオでも高音質で受信できていて、これからも地元のFM・AMしか聴かないと決めている場合、半額以下の低価格ラジオで十分だろう。短波の海外放送やコミュニティFM等にどのような番組があるか、最低限の情熱や知識がないと、高性能ラジオは宝の持ち腐れかもしれない。

・逆に、建物内で海外の短波や全国の中波をRAD-S800Nで本格的に聴くには、外部アンテナが不可欠だ。他県のAM放送の遠距離受信には、UZ-77sのような外部アンテナを追加購入しても良いが、SONY ICF-EX5やREDSUN RP2100のような高感度ラジオを最初から選んだ方が早い。また、本機で海外短波の面白さに目覚めた場合、やや重めでも外部アンテナ端子を持つTECSUN PL-660(470g)やDEGEN DE1103(300g)等の方が、アンテナを増設しやすい。

・私自身はその後、RAD-S800Nを実家に譲った機会に、アフリカ局の受信を目指してDEGEN DE1103を購入した。故障時には国際郵送の面倒が生じるが、eBayでは送料込で75ドル(約6,300円)と、RAD-S800Nより安かった。しかも、ロッドアンテナだけで室外アンテナに迫る感度であるのには驚いた。しかし、DE1103では、目当ての周波数を打ち込んだり、未知の微小な電波を探したり、周波数一覧や液晶と睨めっこする「無線受信」型だ。他方、RAD-S800N(やTECSUN PL-660)は、何も見ずにフリーハンドで、今聴ける局をザッピングする「テレビ感覚」だ。PL-660(470g)やDE1103(300g)と比べ、RAD-S800N=PL-380(200g)は、軽く小さく持ち運びしやすい。スタイルが違うと思う。

テーマ : BCL
ジャンル : テレビ・ラジオ

中国製BCLラジオの定番 - Chinese Shortwave Radio

AudioComm RAD-S800N(TECSUN PL-380のOEM)を購入して、中国製ハイテク製品へのイメージが一変し、ラジオを見直した。中国・韓国・北朝鮮・ロシアはもちろん、イランやモンゴル等の日本語番組を、NHKに迫る音質とテレビ・チャンネルのような簡単操作で聴けるのは衝撃的だ。しかも、かつて数万円以上した海外短波受信(BCL)ラジオが、現代の中国メーカーなら、同等性能で2-3千円、高性能品でも1万円以下で買える。オーム電機Audio Commや朝日電器Elpaなどの「新興日本ブランド」も、実は、中国のDEGENやTECSUNが設計・製造した輸出製品のOEMだ。本稿の最後に日本製ラジオの撤退と中国製ラジオの台頭を考えてみたが、「DEGENは現代中国のSONYだ」と予言したとしても、あながち的外れではないかもしれない。

ここでは中国製の短波ラジオ(BCLラジオ)の定番について、小型(Audio Comm RAD-S800N/PL-380 vs Degen DE1123)、中型(Degen DE1103 vs SONY ICF-SW7600GR/Tecsun PL-660)、大型(RP2100 vs SONY ICF-EX5)を中心に比較する。「定番」の定義は難しいが、米日の先人達の口コミ(eHam.netのユーザーレビュー等)と米国のBCLガイドPassport to World Band Radio, 25th edition, 2009 (International Broadcast Srvices)の製品レビュー(表彰はPassport's Choice 2009)を参考にした(第25版以降の休刊は残念)。
DEGEN DE1103+Apex Radio 303WA-2レビューAudioComm RAD-S800N (TECSUN PL-380)レビュー海外短波ラジオのアンテナ海外短波放送の勧めは別記した。

1. 小型: TECSUN PL-380 / AudioComm RAD-S800N

・小型(Pocket Portables)では、2010年からオーム電機が販売するAudioComm RAD-S800N(6,980円)は、簡単便利に地元FM・AMと海外短波を聴きたくて、外部アンテナを必要としない入門者には良いと思う。2009年発売のTECSUN PL-380(60ドル@eBay)のOEMだ。とくにFMの感度は高く、オート・プリセットでの選局はテレビ・チャンネルの感覚だ。BicCamera店頭で購入したRAD-S800Nなら、マニュアルも日本語だし、同店での不良品交換や1年の国内保証もつく。AudioComm RAD-S800N (TECSUN PL-380)レビューは別記した。
・DEGEN DE1127(送料込60ドル、75g)は、短波ラジオ付のICレコーダー/MP3プレイヤーだ。日本ブランドではOLYMPUSラジオサーバーポケットPJ-20(2万円、短波なし)に対抗するが、中華版は短波付で激安だ。DE1123、DE1125、DE1126と小型化してきた。しかし、AM・短波の感度はBCLには力不足な一方、ICレコーダー/MP3プレイヤーとしても専用機に劣る。電源はNOKIA BL-5C互換バッテリーで、乾電池は使えない。


2. 中型: PL-660 (vs DE1103/ICF-SW7600GR)

・中型(Compact Portables)では、2010年末発売のTECSUN PL-660が同期検波と航空無線、SSB、オートプリセット等を兼ね備え、評価を固めつつある。eBayなら75ドル+送料25ドルだが、日本販売業者は、数千円の上乗せで1年保証と日本用AC電源をつける。eHam.netのユーザー・レビューでは、平均4.8/5.0点と高評価を得ている。ただし、このレビューは2012年春でもたった8名しかおらず、注目度はDE1103の足元にも及ばない。また、前身のPL-600(55ドル+送料25ドル)は、Passprt 2009では、FM以外の音質・感度が悪く、外部アンテナ端子がFM・短波対応のみだと酷評された。


DEGEN DE1103は定番だ。日本はもちろん米国のeHam.netでも、百余名のユーザー・レビューが、価格以上の品質に驚き、太鼓判を押した。外部アンテナはもちろん、周波数拡張の裏技やDRM受信回路増設版(icas DE1103IF)まで、拡張性も高い。eBayで50ドル(+送料25ドル)を切るのは、破格の費用対効果だ。ワールド無線アイキャスBestKakaku.com等は、日本の量販店やAmazonがまだ扱わない中国製ラジオを通信販売し、数千円の上乗せで1年保証や日本用AC電源をつける。
・しかし、外観はSONY ICF-7600DAを真似たとも言われ、スピーカーが悪い、ボタン式の音量調整が使いにくい、などの短所も指摘される。Paspport 2009は、DE1101とDE1102には肯定的だが、DE1103は無駄な液晶画面がキーの操作性を損ねたと批判する。個人的には、オートプリセット機能がないのが、PL-380やPL-660等に比べ、今や時代遅れに見える。またその後、KCHIBO KK-S500やTECSUN PL-660、Grundig G3=DEGEN DE1106、Grundig G5=Eton E5など、中国製ラジオにも同期検波機能を備えるものが現れた。現在、DE1103に代わる選択肢を考えると、たとえば、国産高級機のSONY ICF-SW7600GRや最新(2010年)のTECSUN PL-660が対抗馬になろう。

SONY ICF-SW7600GRは、同期検波機能を含めSONY短波ラジオのフラッグシップだ。SSB受信にも対応する。Passport 2009も最高評点を与え、米国のeHam.netのユーザーレビューでも百名近くが高く評価している。しかし、2001年の発売以来、モデルチェンジしていない。スピーカーが悪いという批判に加え、感度がDE1103等に劣るとも評されている。また、その後の発売モデルは、G3=DE1106、G5=E5、PL-660等、航空無線受信を追加する。それから、DE1103(50ドル+送料25ドル@eBay)やPL-660(75ドル+送料25ドル)と比べると、米国価格(150ドル+送料40ドル@eBay)でも2-3倍、日本価格(3-4万円)なら5倍以上の価格差がある。実際、定価4万円超が通用するのはSONY信奉の強い日本だけで、海外では100ドル代にダンピングしている。長らくSONYのライバルだった日本のPanasonicや台湾のSangeanなどは、激しい価格競争に耐えかね、2010年にラジオ生産からの撤退を決めた。

Grundig G3=DEGEN DE1106やGrundig G5=Eton E5は、SONY ICF-SW7600GRと同価格帯(100ドル代前半または1万円台後半)で同期検波・航空無線・SSBを実現する。DE1103とほぼ同重量(300g台)の後続機種だ。しかし、PL-660の方が、重量こそ470gと重いが、費用対効果はG3=DE1106やG5=E5より良さそうだ。


・結論から言えば、定評のある最新機種が無難そうだ。2012年現在では、2010年末発売のPL-660だろう。ICF-SW7600GRは今も信頼が高いが、PL-660やDE1103と比べ、2-5倍の価格差を正当化するほどの実用面の大差があるわけではない。DE1103は、価格(70-80ドル)や重量(300g)はもちろん、裏技や高感度、DRAM受信回路増設版など、今なお優れている面がある。他方、TECSUN PL-660は、同期検波、SSB、航空無線、オートプリセットなど、2010年時点に短波ラジオに期待される機能の「全部入り」だ。実際、ICF-SW7600GRとの差額の1万円で外部アンテナApex Radio 303wa-2等を購入した方が、合理的なはずだ。

3.大型: REDSUN RP 2100 (vs SONY ICF-EX5MK2)

・大型(Lap Portables)ではREDSUN RP2100「日本仕様」(1万円強)は、トップクラスの感度と音質を誇る。他県AM放送の受信感度も、ICF-EX5に迫ると言われる。2.3㎏と重く、周波数をテンキー入力できないが、米国のPassport's Choice 2009にも選定された。「日本仕様」とは、RP2100を販売業者が改造し、FMを86.5-108MHzから76-108MHzに、AC電源を240Vから100Vに変更したものだ。eBay販売の中国仕様では、この機種に限って日本のFMに対応しないからだ。テンキー付のRP3100は、開発中止とされるが、発売が待たれる。

・AMアナログラジオの日本最高峰のSONY ICF-EX5(1万円強)は、他県AM放送の遠距離受信では決定版と言われる。しかし、1985年発売の頂点で改良を止め20年余も惰眠をむさぼった。その結果、はるか後発ながら高感度FM/AM/SWかつデジタルのRP2100に追撃を許した。まるで「兎と亀」の逸話のようだ。
・最近の日本製ラジオで国際競争力を維持しているのは無線機型くらいか。ラジオと無線傍受とアマチュア無線は、垣根の低い隣接領域だ。実際、Alinco DX-R8(5万円弱)は、Perseus(12万円弱、Passport's Choice 2009)には及ばぬものの、SDR受信ができる。なぜかIcom IC-R20(5-6万円)も、短波"も"聴けるハンディ受信機として、Passport 2009のラジオ評の番外で評価されている。
・MP3録音のできるFM/AMラジオでは、SONY ICZ-R50が好評だ。携帯版はOlympusラジオサーバーPJ-20だが高い。


4. 低価格: ELPA ER-21T-N / AudioComm RAD-S512N

・低価格ラジオでは、ELPA ER-21T-N (REDSUN RD1202のOEM)やAudioComm RAD-S512N(TECSUN R-9012のOEM)がある。「いまどきラジオなどに大金を払えない」という声はもっともだ。ホームセンターやスーパーでも買えるこれらアナログ短波ラジオなら、2,500円以下と安い。周波数がズレやすいとも言われるが、前述のREDSUN/TECSANの子供たちで侮れない。とくにER-21T-Nはデジタル表示で、目覚ましとしても評判が良い。前述の簡易ロングワイヤーアンテナをつければ、短波も楽しめるのではないか。FMが76-108MHzの国際対応なので、海外旅行や留学にも盗難・故障を気にせずに持参できる。ただ、初心者が低価格ラジオしか知らないと、「朝鮮の声」の面白さや高感度ラジオの画期的性能を体験できぬまま、短波放送への関心を捨ててしまう懸念もある。



5. 米国でのBCLラジオの日中ラジオ対決

5-1.Passportでの中国製ラジオの優位


・米国のPassport to World Band Radio 2009は、WRTHと並び世界中で読まれる海外短波受信(BCL)用ガイドだが、BCLラジオのレビューも有名だ。これを見ると、米国でも中国製ラジオが重きをなしていることが分かる。ドイツGrundigは米国Etonのサブブランドで、中国製ラジオを欧米で販売するときにも使われる。Eton E5=Grundig G5?やGrundig G6もDegenの開発だと言われる。ソニーがオーム電機を子会社に持って、DegenのOEM品を販売するようなものか。KaitoもDegenの米国販売会社のようだ。評価点数は以下に列挙した。


Passport's Choice 2009
4.375点: Eton E1(400ドル), 3.375点: Sony ICF-SW7600GR
3.0点: Degen DE1102, Grundig G5=Eton E5
2.875点: Degen DE1101, 2.75点: Redsun RP2100

3.5-3.0☆
3.125点: Grundig Satellit 750(Tecsun S-2000)
3.0-2.6☆
2.875点: Degen DE1103/DE1121, Sangean ATS909, Grundig Yacht Boy 80(Sangean PT-80), Grundig G6 (Degen開発?),
2.75点: Tecsun PL-450, Sangean ATS606AP
2.625点: Sony ICF-SW35, Grundig G4(Degen 1122)
2.5-2.0☆
2.5点: Degen DE1105, Tecsun PL-600, Grundig G100, Sangean ATS-818ACS, Roadstar TRA-2350P
2.375点: Eton/Grundig S350DL(Tecsun BCL-3000), Grundig YB 550PE/Yacht Boy 300PE, Sangean ATS404, CCRadio-SWP,
2.0点: Degen DE1104/DE11, Kaito KA105: 2.0



5-2. eHam.net Reviewsでのユーザーレビュー

・eHam.netのユーザーレビューは、米国の購入者が評価を書き込んだものだ。日本の価格.comのユーザーレビューに似ている。Passportのようなプロによる評価ではないし、製品名や分布も日本とは異なるが、米国ではどの機種が売れて、どのように評価されているかが具体的に分かり、興味深い。上記の表は、Kaito製品のレビュー数、評点、更新日、米国価格の抜粋で、KA1103はDegen DE1103、KA2100はRedsun RP2100の米国OEMだ。
・eHam.netでは、とくに大型固定機では、日本製ラジオの健闘が目立つ。中型では、Degen DE1103系と並び、Sony ICF-SW6700系は購入者も多く評価も高い。日本では見かけない輸出用のSony ICF-2010等が好評な一方、1975年発売のPanasonic クーガ2200や1985年発売のSony EX5も、米国で愛されている。他方、中国製のRedsun RP2100やKchibo KK-S500, Tecsun PL-350は、日本ほど注目度が高くない。また、PL-600では、Passportが酷評した通りAM回路に初期不良があったようだが、改造修理を余儀なくされたレビュアー達が、不平を言うなら分かるが揃って高評点をつけるのは、さすがに不自然だ。
・ランキングは以下の通りだ。レビュアーが20人以上いて、評点が4.0/5.0以上の製品を中心に抽出した(カッコ内がレビュアー数)。ただし、日本でも注目度が高いICF-EX5, クーガ2200, RF-4900, PL-600, BCL-3000, RP2100等は、レビュアーが20人以下、評点が4.0点以下でも参考までに挙げた。

5.0点 Sony ICF-EX5(2), Kaito KA2100/Redsun RP2100(2)
4.8点 Yaesu FRG-7(36), Kenwood R5000(24), Degen DE1102(16), Tecsun PL-600(14)
4.7点 Sony ICF-2010(55)
4.6点 Degen DE1103(70), Grundig FR-200/Tecsun Green-88(27), Icom IC-R8500(20)
4.5点 Icom IC-R75(66), Kaito KA1103/Degen DE1103(46), Kaito KA1102/Degen DE1102(25), Polastar R30(38), Panasonic RF-2200/クーガ2200(19)
4.4点 Kaito KA2100/Redsun RP2100(5)
4.3点 Sony ICF-SW7600GR(61), Grundig Mini World 100PE(31), Sangean ATS808(27), Kchibo KK-S500(3)
4.2点 Eton E1XM(45), Kenwood R2000(25), Grundig Mini 300PE/Tecsun R-919(22)
4.1点 Sangean ATS909(65), Grundig Satellit 800(57), Sony ICF-SW7600G(22), Sony ICF-SW77(10), Sony ICF-SW55(9)
4.0点 Eton E5/Grundig G5(36), Sangean ATS-505(24), Tecsun BCL-2000(5), Tecsun PL-350(3)
3.8点 Grundig S350/Tecsun BCL-3000(65), Redsun RP2100(12)
3.5点 Panasonic RF-4900/RF-4800(18)





6. 中国テクノロジーの台頭

初めてAudio Comm RAD-S800N(TECSUN PL-380のOEM)を購入したとき、中国の技術もここまで進化したかと唸った。もはや安かろう悪かろうではない。従来品の粗製コピーに止まらず、独自に精緻な工夫を凝らしている。今や中国メーカーが設計から製造まで担った純中国製品を、高性能機器として輸入・販売する時代だ。もはや逆ではないのだ。兄貴分のDE1103も、たしかにSONY ICF-7600DAの外見を真似ていたが、いつの間にか付加価値を高め、国際的評価を確立してしまった。日本のSONY ICF-7600GRは、韓国メーカーにも対抗されなかったし、台湾のSANGEAN ATS-909Wが1-2割引で販売されても十分な価格競争力を持った。しかし、中国メーカーは、日本製品に迫る高性能製品を10%割引どころか、なんと1/4の価格で売り始めた。「DE1103がICF-7600GRを超えた」とは言えないにしても、「AV機器なら日本製」と盲目的に信じてきた日本人顧客も認識を変えざるをえない。実際、中国製高性能ラジオを「発見」し、ネット上で賞賛して広めたのは、かつてスカイセンサーやクーガーに熱狂した日本製品の愛用者だ。

SONYがこれまで、BCLラジオ、ウォークマン、CDウォークマン、MP3プレイヤーと、新製品を発表する度に衝撃を与えてきたことを思い出す。当時の日本企業の強みは、技術開発部門による革新的な発明特許の数ではなかった。欧米で開発された特許を貪欲に換骨奪胎し、斬新な新商品を圧倒的なコストパフォーマンスで売り込むことこそが、日本企業の十八番だった。今の中国製ラジオがまさにこれだ。DEGEN(徳勁)TECSUN(徳生)KCHIBO(凱隆)、REDSUN(紅太陽)、ANJAN(安鍵)等、深セン周辺に集積するラジオメーカーには日本の電機工業の最盛時の勢いを感じる。中華料理への親しみを技術力の評価に取り換え、「中華テクノロジー」「中華ラジオ」と呼ぶ人もいる。戦勝国の米国が敗戦後数十年を経た日本を見直し、「Japan as No.1」と呼んだ複雑な対抗心にも似ている。

インターネットやスマートフォンで世界中のビデオ動画が見える今、日本のラジオは転換期を迎えている。PodcastをiPhoneで聴けば、音質は比較にならないほど良い。ネットラジオやradikoも本格化した。放送局不在のニコニコ動画には与党最高幹部、Youtubeには外交上の国家機密まで登場し、マスコミの先を行く。海外旅行でも、中級ホテルにはテレビがあるし、ネットカフェでもウェブをチェックできるため、わざわざ短波ラジオでニュースを追う必要もなくなった。

実際、日本の家電メーカーの多くは、ラジオを見切って製造を止めた。パナソニックや台湾のSANGEANも、2010年ついに、ラジオからの撤退を表明した。踏みとどまったソニーも、テレビ音声受信廃止を控えた2010年、大量廃番を決めた(ICF-M260など)。その間隙に攻め込んだのが中国メーカーだ。大型家電店やホームセンター等で見かけるAudioComm(オーム電機)、ELPA(朝日電器)、Qriom(山善)、ANDOは一見、従来通り中国工場で現地生産する日本メーカーに見えるが、実際は中国メーカー品を輸入して売る販売業者に過ぎない。DEGEN DE11やTECSUN PL-380がAudioComm名で出たり、TECSUN PL-600がANDO名で出たりするので、製造会社と販売会社の間に特定のパートナー関係があるわけではないようだ。

中国では、FMの普及は都市部に限られ、地方の一部では短波放送が頼りであるため、今も短波ラジオが独自の進化を続けるようだ。テレビやネットが普及したとはいえ、誰もが自由に持てるほど気軽な存在ではない。また、海外ラジオ放送の受信は政府も情報統制しきれないことも、活況を支える一因かもしれない。中国ラジオ局の電波が妙に強いのは妨害電波だとも言われるが、中国製ラジオはそれを乗り越える性能を目指す。彼らの成長は今後もしばらく止まらない。

テーマ : BCL
ジャンル : テレビ・ラジオ

BCLラジオのアンテナ - Antenna for Shortwave Radio

ラジオには、インターネットにないリアルタイムで双方向の魅力がある。海外短波受信(BCL)には、ラジオ本体以上にアンテナが重要だと言われるが、意外に安くて簡単だ。何の細工もないダイソーのカラーワイヤーだけで、小型のAudio Comm RAD-S800N(6,980円)でも、中台韓朝露からイラン・モンゴルまで、20局の海外放送を聴けた。定番のDegen DE1103(70ドル)にこの針金を絡ませれば、近隣国ならば国内放送に迫る音質で聴け、南アフリカの電波までも受信できた。ホームセンター・スーパー・大型家電店で売るElpa ER-21T-N(2,480円)でも健闘するはずだ。ここではまず低コストのアンテナを最優先に考えたい。
DEGEN DE1103+Apex Radio 303WA-2レビュー中国製BCLラジオの定番AudioComm RAD-S800Nレビュー海外短波受信(BCL)の勧めば別記。

1. 初心者用のお手軽アンテナ

鉄筋ビルの室内外で受信状況が大きく違う場合、ラジオに百円のカラーワイヤーを絡めて室外に出すだけでも、受信は大幅改善する。簡単な外部アンテナ(ごた氏HP)を参考に試行錯誤したものだ。

1-1.携帯釣竿アンテナ

・ラジオ付属のワイヤーアンテナを棒の先端につけ、受信時だけ窓の外に突き出すだけでも、鉄筋ビル内のノイズが激減する。常設には問題があるが、効果は簡易ロングワイヤーアンテナに次ぐ。ラジオにワイヤーアンテナが付属しない場合、以下の4つの方法がある。
①百均のカラーワイヤーを5m程度に切り、一端をロッドアンテナに巻きつけ、もう一端を窓の外に突き出すだけで良い。
②百均のテレビ用イヤホン5mの両端を切り、平行線を2つに割いて片方を捨て、一端にワニ口クリップを半田付けし、もう一端にダブルクリップを結び付ける。ワニ口クリップでロッドアンテナ、ダブルクリップで棒の先やカーテンレールを挟む。
③百均のテレビ用イヤホン5mのイヤホンを切り、平行線を2つに割く。短波受信中のラジオのアンテナ端子にプラグを差し、カッターに指をあてて線の芯に触れ、雑音がする側にダブルクリップを結び付け、逆側の線を根元で切って捨てる。プラグとの逆の端は、ダブルクリップを結び付け、棒の先やカーテンレールを挟む。
TECSUN AN-05ならeBayで送料込で9ドルだ。

・携帯用の釣竿(コンパクトロッド)なら旅先にも持参でき、SONY AN-LP1(236g)より安く軽い。たとえば、OGK桃源郷・硬調270(760円@釣具店)は、54.3-270㎝で伸縮し、油性ペンの太さで85gだ。先端部分は細く、窓を開ける隙間を最小限に抑えられる。根元が太く金輪がついているので、床に固定して落下を防止できる。高さ50㎝の窓に45度で立てかけるなら、竿は最長200㎝か。

1-2. 簡易ロングワイヤーアンテナ

・0.8/0.9㎜x20mのカラーワイヤー(百円@ホームセンター/ダイソー)を、ベランダの柵と物干し竿フックの間に四角形に張り、アルミサッシ窓から引き入れ(壁に引き込み穴がなくてもOK)、Audio Comm RAD-S800N(外部アンテナ端子なし)のロッドアンテナに巻きつけた。マッチング部もない単なる百円の針金で、1万円のApex Radio 303WA-2の8-9割のパフォーマンスがあった。
・鉄筋マンション内のRAD-S800Nでは、短波はラジオNikkeiしか受信できなかったのが、20局の英語・日本語放送を受信できるようになり、ノイズ(S/N比)が大幅改善した。電波の弱いコミュニティFMも低ノイズで受信できるようになった。その受信状況は、VHFテレビアンテナ(地上波アナログ放送)の同軸ケーブルをロッドアンテナに触れさせたときに匹敵する。しかし、主要20局以上の短波放送の受信は難しい。また、中波には効果がない
・DE1103との組み合せでは、FM・コミュニティFM・アナログTVは、10局中2局のコミュニティFMのノイズが303WA-2より多いが、同じ10局を受信できた点では互角に近い。中・朝・韓・台・露・豪・ニュージーランド等の近隣国のメジャーな短波は、3国内放送のようにはっきり聴こえ、303WA-2とほぼ同等だ。しかし、Trans World Radio Africa(South Africa)等のマイナーな短波では、信号強度は303WA-2と同等でもノイズに埋め尽くされ、ノイズが数割は少ない303WA-2に負けた。
・無線用(3.5-28MHz)のHF ALL BANDロングワイヤーアンテナ(JL4ENS氏HP)では26.5mが良いそうだ。が、こちらの「簡易」アンテナは、制約条件内で何でも試して、効果があれば良しとする。太い方が良いと聞き、1.6㎜x10mのワイヤーも試したが、細く長い0.9㎜x20mの方が信号強度が増し、アルミサッシや室内でも扱いやすい。柵=外壁に沿って菱形に垂らしてもみたが、柵と内壁の間に離して張った方がノイズが3割減った。ワイヤーの先端を地面かベランダの鉄製の手すりにつければアースにもなるらしいが、拙宅は非鉄製なので試せない。
・同調型プリアンプ(プリセレクタ)の大進無線DPA-100B(1.7万円)やアンテナ・カプラのComet CAT-10(1万円強)等をアンテナ端子でつなげば、単なる針金も本格的なロングワイヤーアンテナになる。マッチング部なしでも303WA-2に迫る効果があったため、アンテナ本体よりプリアンプ/プリセレクタやアンテナ・カプラに投資した方が合理的かもしれない。

2.自作アンテナ

2-1.初心者向けのアンテナ自作キット

・中波用のミズホ通信UZ-K1s(4千円強)は、木枠などを自分で用意してワイヤーを巻くだけのシンプルな自作キットだ。アンプはないが、感度には定評があり、愛用者が多い。プリント基板のUZ-77s(1万円強)の半額以下だ。


2-2.初心者向けの自作ループアンテナ

受信専用マグネチック・ループアンテナ(Ceptrum社HP)は、スモール(微小/磁界)・ループアンテナとも呼ばれ、集合住宅でも場所を取らずノイズに強いので、多数のアマチュア無線家が自作する。が、ラジオの短波・中波受信用なら大雑把でも良いようだ。とくに初心者向け半田ゴテなしで作るBCLアンテナ(R.yawatta氏HP)は、手間を最小限に省いているのが良い。ミニプラグ式の外部アンテナ端子が前提だが、TV用同軸ケーブルやミニプラグコード等の材料費も千円程度らしい。
・より本格的な無線用では、3D無線クラブの作例を初めとして、マッチング部を工夫した様々な自作例がある。


2-3. 中上級者向けのΔLOOP7

・影山敦久氏のΔLOOP7は、ALA-1530(5-6万円)に迫る高性能が絶賛される。著書『受信用ループ・アンテナの実験』とHPで基板と製作法が公開され、数多くの上級者が自作する。
・無線の世界では電子工作を楽しむ伝統がある。エレキット等、大人の電子工作が静かなブームになっているが、高価なアンテナやアンテナ・カプラ等を自作できれば趣味と実益を兼ねる。送受信を行うアマチュア無線では、受信専門のBCLよりさらに要求水準が高い。




3. 外部アンテナの定番

3-1. 人気のBCL用アンテナ

短中長波のアクティブ・アンテナならWellbrook ALA-1530+(5-6万円)、短中長波のパッシブ・アンテナならApex Radio 303WA-2(1万円)、中波専用ならミズホ通信UZ-77s(1万円強)、旅行・短波用ならSONY AN-LP1(8千円)が定番だろう。エアバンド対応のTECSUN PL-660などに接続し短中長波とV/UHF無線受信を兼ねるならAOR SA7000(1万円強)、広い庭の一戸建てならT2FD型も検討価値があるだろう。
・他方、SONY AN-12(1万円)やKESTREL(DEGEN) DE31MS(送料込22ドル)は都市ノイズに弱い、車載無線用のComet HA750B(2万円)は受信専門より高価なのに送信できない、と批判される。field_ant MK-5は、『BCLライフ2010』の比較実験では、自作プリセレクタをつけてもΔLOOP7以下だった。
・私自身は303WA-2をメイン、旅行用にDE31MSを購入した。が、レビュー情報がもっと多ければ、U/VHFを含め万能なSA7000を選んだかもしれない。予算が潤沢なら、もちろんALA-1530+とAN-PL1を同時購入しただろう。





3-2. アンテナの周辺機器

・アンテナと受信機の間でマッチングや信号強度を調整するにはアンテナ・カプラCoupler(アンテナ・チューナーTuner、プリセレクターPreselector)、アンプAmplifier(増幅器)やアッテネータAttenator(減衰器)があると望ましい。市販アンテナにこれらが内蔵・同梱されていれば手間が省けるが、自作する人もいる。
・私の環境では、303WA-2と簡易ロングワイヤーアンテナ(マッチング部もない単なる百円の針金)は、ゲインではほぼ互角だが、ノイズで差がついた。したがって、ノイズを減らしつつゲインを稼ぐアンプ内蔵のプリセレクタやアンテナ・チューナーの方が、アンテナに投資するより効率的かもしれない。ベランダに張っただけのワイヤーでも、DPA-100BやCAT-10に接続すれば、303WA-2以上のパフォーマンスになるのではないか。
大進無線DPA-100B(1.7万円)は、短波から長波(150kHz-30mHz)まで対応する世界唯一の「同調型プリアンプ」(プリセレクタ)として、『BCLライフ』(2010)でも紹介される。
・アンテナ・カプラは、無線送受信用のComet CAT-10(1万円強)が、BCL用にも定番だろう。発売中止になったミズホ通信KX-S9/KX-QRPの後身とも言われる。スタパブログでは、CAT-10をApex Radio 303WA-2に接続した例が紹介されている。
・米国での定番機器は、Passport to World Band RadioeHam.netのユーザーレビューに詳しい。MFJ-1020C/Vectronics AT-100(100ドル)は、室内用アクティブ・アンテナであるが、室外用ロングワイヤーアンテナのプリセレクタとしてPassport's Choice 2009に選定されている。また、eHam.comで百人以上のレビュアーが平均4.0/5.0点以上を与えているのは、ICOM AH-4(110人x4.7点、319ドル)、LDG Z-100 Low Cost Autotuner(117人x4.6点、149ドル)の2点だ。
・DE1103等の端子はミニピンジャック式、RP2100はPAL式なので、BNC式端子のアンテナの接続には変換コネクタも必要だ。たとえば、Apex Radio 35BNC-ATは、BNCとミニピンジャックの変換コネクタとアッテネータを兼ねている。アンテナに同梱されていなければ、取付金具や同軸ケーブルの別途購入も必要だ。






3-3. Passport 2009のランキング
・米国のPassport 2009のレビューでは以下の通りだ。Wellbrook社製が最高峰であることは、日本も欧米も変わらない。100ドル以下は少ないが、費用対効果が注目されるのは3点だろう。
MFJ-1020C/Vectronics AT-100(100ドル)(100ドル)は、室外用ロングワイヤーアンテナのアンプ兼プレセレクターとしてPssport's Choice 2009(3.0点)に選定されている。室内用アクティブアンテナとしては評価が低い(2.25点)。
SONY AN-LP1(8千円)は、旅行用としてPssport's Choice 2009に選ばれている。格安のDEGEN DE31MS(12ドル)より評価が高い。
・KAITO KA35(90ドル)は、同格とされるApexRadio 700DTA(14,800円)より安い。が、バッテリーの持ちが悪い上に、12時間以上の充電を禁じられている。そもそも双方とも評価が低い。

Passport's Choice 2009>
4.5/5.0点: Wellbrook ALA100/100M(130-140ポンド)、4.0点: Wellbrook ALA330S(199ポンド)、3.875点: Wellbrook ALA1530+(180ポンド)
3.5点: RF Systems DX-One Professional Mark II(400ドル)
3.0点: MFJ-1020C/Vectronics AT-100(100ドル)
2.75点: SONY AN-LP1(8千円)
その他アジア製品
2.875点: AOR LA380(3万円)
2.25点: KAITO (DEGEN) KA35(90ドル), Apex Radio 700DTA(14,800円)
2.0点: DEGEN DE31MS(12ドル~3,800円)






3-4. 米国eHam.netのHFアンテナ・ランキング

・米国のeHam.netのユーザーレビューで登場するHF帯無線用アンテナの多くは、前述のWellbrook ALA1530/ALA330を例外として、日本では見慣れない。無線産業大国の日本では、輸入品はよほどの性能でないと、郵送料と製造保証の点で割に合わないのかもしれない。eHam.netでは日本製品も散見されるが、レビューでは第一電波工業のDiamond CP6(320ドル)の35人x4.1点が最高だ。
・100名以上がレビューを書き、平均評点が4.0/5.0以上のベストセラー6点は、参考になるかもしれない。とくにPar Electronics End-Fed Half-Wave Wire Antennas(198人x5.0点、42ドル)とWA2NAN True-Talk G5RV(158人x4.9点、55ドル)は、安くて満点に近い。他をレビュアー数の順に挙げれば、GAP Titan(153人x4.4点)、Hustler 6BTV Vertical(114人x4.6点、189.99ドル)、Hustler 5BTV HF vertical(112人x4.6点、211.99ドル)、Cobra UltraLite Multiband Antenna(96人x4.6点、89.95ドル)だ。







4.低価格・端子不要のアンテナ

最後に低価格な中国製アンテナやアンテナ端子不要のアンテナを見ていきたい。ただし、現時点で良さそうなものは見当たらない。

4-1. 中短波用のKESTREL DE31MS

KESTREL (DEGEN) DE31MS(Kaito KA31)は、アンプ付のアクティブ・ループアンテナでは最安値だ。ワールド無線では3,800円+送料1,500円だが、eBayのliypn(S.I.CHAN)社では送料込22ドルで、支払日の12日後に香港から郵便小包で到着した。
・畳むと拳程度の小ささで軽い。菱形のループワイヤーは、頂点のクリップ、中間の突っ張り棒、下部のアンプ(500円玉大)が一体となり、単4電池2本分のチューナーボックスで給電する。アンプに短波・中波の切替ボタン、チューナーボックスに電源ボタンとチューニング・ダイヤルがつく。
・アンテナ端子がないラジオとの接続用に、短波用のアンテナ・クリップと中波用のフェライトバー・アンテナ・カプラーも付属する。ただし、アンテナ端子もロッドアンテナもない「防滴おふろラジオ」Ando RA-172WRで、フェアライトバー・アンテナ・カプラーを試しても、鉄筋コンクリ室内のAM感度は変化しなかった。また、ロッドアンテナにつけるクリップも、アースをつけないと効果が大幅に落ちると、Paspportも保留する。
・DE1103のアンテナ端子に接続しても、短波も中波も効果はなかった。室内では、DE1103のロッドアンテナや付属のワイヤーアンテナと変わらない。室外にも出してみたが、ベランダに張った百円の針金(簡易ロングワイヤーアンテナ)の方がはるかに効果があった。
・携帯用短波アンテナとしては、価格は4倍だが、SONY AN-LP1(送料込8千円)の方が定評がある。Passport's Choice 2009に選定された。これに予算を少し足せば、固定設置も車載もできるホイップアンテナ(Apex Radio 303WA-2等)や、ロングワイヤーアンテナ用のアンテナカプラー(Comet CAT-10)やプリアンプも購入できる。


4-2. 中波用のTECSUN AN200
・中波用のTECSUN AN200(eBayで送料込30ドル)は、ミニプラグで接続するが、端子がなければラジオの横に置くだけでも良いそうだ。Novac Radio Mate用LOOPアンテナのNovac NV-UA001(送料込3千円)も、これのOEM品ではないか。ただ、AM感度の良いSONY ICF-EX5MK2やREDSUN RP2100日本仕様や定番アンテナのミズホ通信UZ-77s/UZ-K1sを最初から購入した方が近道だと思う。

4-3. 端子不要のアンテナ

中波用のミズホ通信UZ-77s/UZ-K1sやTECSUN AN200、短波用のSONY AN-LP1、中波・短波用のSONY AN-12やDGEN DE31MSは、ラジオに外部アンテナ端子を必要としない。しかし、UZ-77s/UZ-K1sを例外として、総じて評価は高くない。AN-12やDE31MSは、都市ノイズまで増幅してしまう、端子接続でないと感度が落ちると言われる。そもそも、定番アンテナを接続できる中型・大型ラジオ(DE1003やRP2100)を買い直した方が、長期的に賢いと思う。

テーマ : BCL
ジャンル : テレビ・ラジオ

BCLラジオ+アンテナ - DE1103+303WA-2 Review

BCL(海外短波受信)ラジオのベストセラー、DEGEN DE1103(送料込75ドル)と、BCLアンテナの定番、Apex Radio 303WA-2(送料込1万円強)を購入した。Audio Comm RAD-S800N(TECSUN PL-380のOEM、6,980円@BicCamera)では中国製ラジオの品質に舌を巻いたが、それを実家に譲った機会に、念願のアフリカ局の受信を目指した。「今更ラジオなんか…」と思う人もいるかもしれないが、大震災や原発事故など、地域が根こそぎ破壊されたときにはラジオが最後の情報手段になるだろう。
中国製BCLラジオの定番AudioComm RAD-S800Nレビュー海外短波ラジオのアンテナ海外短波放送(BCL)の勧めは別記。

1. DEGEN DE1103の購入

DEGEN DE1103(徳勁「愛好者3号」)は、ここ10年の海外短波受信(BCL)の静かな再流行を背負って立つBCLラジオだ。中国製ラジオの看板でもある。日欧米製ラジオと比べ数倍の費用対効果だと世界市場に衝撃を与えた。
・米国ではKaito KA1103、ドイツではThieking DE1103という米独ブランド名でも販売された。DEGEN(徳勁)は、1995年に中国・深センで創業されたが、DE1101、DE1102、DE1103で2000年代半ばには世界市場を席巻した。前2者はPassport's Choice 2009に選定され、後者はeHam.netでも百名以上のユーザーレビューが高評価を与える。DEGENは今や、米国のEtonや傘下のドイツGrundig、フランスのScott、日本のAudio Comm(オーム電機)にも高性能ラジオをOEM提供する立場だ。

・送料込で75ドルという価格は、ホームセンターや量販店で売られるELPA ER-21T-N(2,480円)と比べると一見高い。が、実際に手にしてみると、破格に安いと思う。
・趣味の世界では一般に、入門者こそ最安の道具は避けて中級機を購入するのが王道だ。自分が良く知る趣味分野を思い浮かべると想像がつくだろう。ゴルフや釣りを始めるなら、スコアや釣果を上げることこそが喜びである以上、後先を考えず安物のクラブやロッドを買ってしまうと、後で後悔する。醍醐味も分からぬまま止めてしまったり、道具を買い直したりするくらいならば、中古でも良いので有名な定番品を初めから買っておいた方が、結局は安いし賢い。
・海外短波受信(BCL)の場合、ラジオの基本性能が悪いと、驚きも面白みも限られてしまうし、もっと遠くの電波を受信したいと、きっと思うようになる。その点、中国製のDE1103は、上級者も満足する性能が6-7千円で入手できるため、3万円のSONY SW7600GRと比べても価格破壊と言える安さだ。AM/FMの目覚ましラジオとしても優秀なので、日常使いでも有用だ。

ワールド無線BestKakaku.com、Yahoo! Auction等では1万円弱(送料込)だが、eBayのliypn社では、75ドル=6千円強(送料込)だった。日本で販売される製品は黒色のみだが、灰色(下の写真右)や銀色(品切れ)もある。DRM受信回路増設版(icas DE1103IF)(送料込1.3万円強)、TECSUN PL-660(送料込100ドル)、SONY ICF-SW7600GR(送料込190ドル)等も検討したが、本体よりも念願の外部アンテナを優先した。
・eBayのliypn(S.I.CHAN)社では、1年間のメーカー保証、2週間以内の不良品交換保証がついている。DE1103とDE31MSで2回利用したが、支払いの2-4日(2営業日)後に発送され、発送から7-10日で届いた。他方、些細なリスクもある。包装はチープな緑色の紙の紐掛けだ(下の写真左はDE31MS)。発送連絡が1週間遅れ、英語説明書のはずがロシア語説明書に間違えられていた。発注からトラブル交渉まで、英語でのやり取りが必要だ。
S.I.CHAN (liypn@eBay)
C7-6/F Pearl City Mansion
Paperson Street, Causeway Bay
Hong Kong
Tel: 852-61986713
Degen DE31MS Degen DE1103 DE1103-2

2. DEGEN DE1103レビュー: RAD-S800N(PL-380)との比較



長所
FMと短波の感度は、鉄筋コンクリ室内でも素晴らしい。室内でDE1103の特大ロッドアンテナを伸ばすだけで、RAD-S800N(Tecsun PL-380のOEM)のロッドアンテナを室外の簡易ロングワイヤーアンテナ(ベランダに張った百円のカラーワイヤー)に巻きつけ強化したのと同等の感度がある。さらにDE1103にも簡易ロングワイヤーアンテナを絡ませると、海外短波もマイナーなコミュニティFMも、地元AM放送のようにはっきり聴こえる。303WA-2に迫る感度だ。
・中朝韓露等の周辺国はもちろん、タイやイランの短波までも美しい音声で聴けた。RAD-S800Nでは受信できなかったPrague、Slovakiaなどもはっきり受信できた。この高感度で75ドル(6千円強)とは、期待以上の費用対効果で、良い買い物をした。
目覚まし時計としても痒いところに手が届く。アラームで開始・終了時間と放送局・音量を2つずつ設定できる。他方、RAD-S800Nでは、アラームはひとつだけで、OFFにしたときの放送局・音量がそのまま目覚ましになる。そのため就寝前に小音量で聴いて寝てしまったときには、大音量で目覚めることができない。
外部アンテナ端子の拡張性は、DE1103を購入した最大の理由だ。ただ、ロッドアンテナの感度がこれほど良ければ、外部アンテナの必要性は減る。
・アマチュア無線のSSB受信(13107-13149kHz, 14000-14350kHz, 21000-21450kHz, 7000-7100kHz)や周波数拡張の裏技(0-99kHz, 30000-39999kHz)は、マニア受けする長所だろう。たしかにSSBボタンを押してチューンダイヤルを回すと、モガモガした音が「CQ、CQ、こちら…」という声にはっきり変換され、これがアマチュア無線なのかと初めて知った。

短所
・他県のAM放送で内容がギリギリ聴き取れるのは、RAD-S800Nでは1局だったが、DE1103では5局程度なので、中波でも高感度ではある。しかし、期待したAFN (American Airorces Network)の英語放送や海外局の中国語・韓国語・ロシア語放送、灯台放送(船舶気象通報)も受信できない。ただ、303WA-2を接続しても改善しないので、私の周辺環境のせいもある。
・FMと短波の感度は、並外れて長いロッドアンテナと付属ワイヤーアンテナに依存する部分も大きい。とくにロッドアンテナは90cm以上あり、伸ばしきると外部アンテナに近い巨大さで、目立つしかさばる。しかし、ロッドアンテナを伸ばさない状態では、FMに限ってはRAD-S800Nの方が感度が良いかもしれない。
・DE1103は2000年代半ばまでの技術の完成形ではあるが、後発機種の持つ最新機能には欠ける。とくにオートプリセットができないのは、初心者にとって最大の欠点だと思う。プリセット方法は、RAD-S800Nでいう「オートブラウズ受信」か周波数の直接入力のみだ。前者では10バンドをそれぞれスキャンし、放送局を発見したら停止して、ひとつずつプリセット・メモリに手動登録する。後者では周波数一覧を見ながら、数字を打ち込む。液晶か周波数一覧と睨めっこする必要がある。他方、RAD-S800Nでは、何も見ずにフリーハンドで機械任せにできる。「自動メモリ登録」や「ETM: Easy Tuning Mode」では、短波の全バンドを一括して高速スキャンし、発見した放送局を自動的にメモリに一括登録する。その後は、今良く聴こえる放送局をテレビ・チャンネルのように手早くザッピングするだけだ。
・DE1103の感度・選択度は古びないが、仕様の古さは否めない。Sony ICF-SW7600GR、Kchibo KK-S500、Tecsun PL-660のような同期検波機能はない。Tecsun PL-660のようなエアバンド受信もできない。電波を聴きやすくするため、Local/DX、News/Music、Narrow/Wideの切替ボタンがあるが、RAD-S800Nのような帯域幅の微調整はできない
基板ロットには複数バージョンが報告されているので、中古購入には注意が必要だ。実際、eBayのliypn社は「我々の販売する輸出用最新版では感度・選択度・音質が大幅に向上している」と改訂を強調するが、旧版の方が感度が良かったと主張するユーザーもいる。また、チューニングノブが故障しやすい、スピーカーが悪いという批判もある。もっとも、eHam.netのユーザーレビューでも、酷評する者は百余名中の数名なので、確率的に少数派だ。私自身は感度や音質には十二分に満足しており、一方的な批判には同意しない。

音量調整等のボタン操作が使いにくいと、米国のPassport's Choice 2009にはあえて選定されなかった。が、「VOL」ボタンを1回押せばチューニングノブでも音量調整できるので、致命的だとまでは思わない。他方、テンキーが横一列なので、周波数を携帯電話感覚で片手入力できないのが、不便だ。
・液晶画面は大きいのに周波数以外は、音量かメモリー番号しか表示できない。RAD-S800Nでは、周波数と同時に、時間やS/N比をデジタル表示できる。
・スリープタイマーの設定は1回限りで、電源をOFFにすると、タイマーもOFFになってリセットされてしまう。そのためDE1103の方がRAD-S800Nより電池が減るのが早い。RAD-S800Nでは、スリープタイマーの設定は、電源をON/OFFしても維持されるので、消し忘れを防ぐ。
・DE1103は300g+単三電池4本で、ズシリと重い。が、RAD-S800Nは200g+単三電池3本なので重量が2/3だ。
・DE1103(75ドル)もPL-380(60ドル)も、eBay購入なら安いが、購入手続きもマニュアルも英語だ。1年間のメーカー保証と通販店による不良品交換がつくが、発送が遅れたり、故障等があった場合、英語での交渉や海外郵送が必要だ。他方、ビックカメラとヨドバシカメラで店頭販売されるRAD-S800Nならば、日本語マニュアルと100VのAC電源が付き、メーカーによる1年間の国内保証や販売店での不良品交換が可能だ。
・国内販売品でない限り、AC電源は海外用の240Vなので、変圧器を購入しないと、付属の充電池は充電できない。100V-240Vのアップトランスは、Tengen(天正) HX-21Aなら日本製品の1/3の価格で、eBayで送料込で12ドル、DE1103と同時購入なら3ドルだ。ラジオ本体で充電する場合、12-14時間かかるようだ。私は付属のAC電源も充電池も使わず、Eneloopを使う。

結論
・DE1103は、海外放送を手間を惜しまずバリバリ聴きたいという本格派向きだと思う。高感度は素晴らしく、外部アンテナや無線受信の拡張性も高い。私の環境ではロッドアンテナや百円の針金(簡易ロングワイヤーアンテナ)でも303WA-2に迫る感度があった。DE1103はBCLラジオのスタンダードなので、これで受信できない放送局は、聴けなくても仕方がないと諦めがつく。eBayで75ドル(6千円強)で購入すれば、6,980円のRAD-S800Nより安い。価格を遥かに超える性能に驚かされる。
・他方、2010年OEMのRAD-S800N(2009年発売のPL-380のOEM)は、初心者向けに進化している。FM・AMから海外短波まで簡単な操作で楽しめる。オートプリセット(自動メモリー登録やETM)機能を備え、全自動で選局・登録でき、短波も全バンドを一括検索できる。また、日本語マニュアルや国内保証も安心だ。200gと軽いので旅行用にも良い。ただし、さらに幅広く短波や中波を聴きたくなったら、TECSUN PL-660やDE1103のような中級機や外部アンテナが必要になる。
・しかし、後続機種のように同時検波、SSB、AirBandには対応していない。とくにオートプリセット機能がないため、初心者には手間がかかる。その点、ユーザー・レビューの定評は固まらずとも、最新機種を購入した方が良いかもしれない。とくにTECSUN PL-660は、DE1103より価格と重量は1.5前後になるが、同時検波、SSB、AirBand、オートプリセット等の「全部入り」だ。

3. Apex Radio 303WA-2レビュー

BCLラジオのアンテナは別記。


・303WA-2は長中短波用のパッシブ・アンテナの定番だ。微弱電波を増幅する回路はないが、集合住宅でのノイズ耐性に定評がある。BCL復活で鼻息の荒いスタパ斉藤氏「ナゼか現在、短波放送受信にハマる俺」(ケータイWatch、2008.3.10)に、結果的に似てしまった。
・同じ1万円前後のBCL用アンテナの中では、エアバンド等のU/VHF(今は受信機もないが)にも対応するAOR SA7000と迷った。が、製造元が2002年創業にもかかわらず、303WA-2の方が評価が圧倒的に多い。また、MLA1530+やΔLOOP7の方が評判は良いが、前者に5-6万円は出せないし、後者を自作する技術はない。
・BNC端子をDE1103のミニピン端子に接続するには変換アダプタが必要だが、飽和・混変調の対策も兼ねて、アッテネータ(Attenator/減衰器)内蔵のApex Radio 35BNC-ATにした。
・本体は細く軽い。ベランダでも目立たず、風雨降雪にも強そうだ。必要最低限の取付金具も付属する。一部を金ノコで切って手すりの太さに合わせた。動かないネジがあったが、販売店が交換してくれた。揺れや落下を防止するため、本体をカラーワイヤーで2方向(物干し竿ハンガーと手すり)に結び付けた。同軸ケーブルは未使用のエアコンの穴(スリープ)に通した。蓋(スリープキャップ/ウォールキャップ)は、室外側の皿形は隙間テープを円状に張って隙間を埋め、室内側の筒状は円柱状発泡スチロール(150円)に取り換え、熱したネジを当てて隙間を作った。
Code

結論
・1万円の303WA-2は、ノイズを数割減らして静かだが、百円の針金と比べて感度を倍増させるわけではないようだ。そもそもDE1103は基本性能が高く、ロッドアンテナを伸ばすだけで303WA-2の7-8割程度の効果がある。また、百円(ダイソー)のカラーワイヤー20mをベランダの手すりと物干し竿の間に四角形に張って、ロッドアンテナに巻きつけるだけで、303WA-2の8-9割程度の効果があった。この「簡易ロングワイヤーアンテナ」は、マッチング部もないただの針金に過ぎない。
・簡易ロングワイヤーアンテナは、303WA-2と比べ、ノイズは多いが、ゲインでは肩を並べるようだ。受信環境をさらに改善するためには、スタパブログのようにアンテナチューナーやアンプを303WA-2に追加しても良いが、逆に303WA-2の代りにプリセレクタを買って簡易ロングワイヤーアンテナに加える方が、安く合理的かもしれない。
・FM受信では、FM・コミュニティFM・アナログTVが10局、はっきり受信できる。が、簡易ロングワイヤーアンテナでも、雑音混じりながら10局聴こえる。DE1103のロッドアンテナだけでも、8局が綺麗に聴こえる。
・中波の遠距離受信は、ロッドアンテナや簡易ロングワイヤーアンテナの対象外だが、303WA-2を接続してもしなくても5局に止まり、大きな違いがない。中波専門のミズホ通信UZ-77sの方が良かったかもしれないし、そもそも私の中波環境が悪すぎるせいかもしれない。
・中・朝・韓・台・露・豪・ニュージーランド等、電波の強いメジャーな短波だけを聴くなら、簡易ロングワイヤーアンテナでもはっきり国内FM/AMのように聴こえる。DE1103のロッドアンテナを伸ばすだけでも、ノイズは強いが、多くの内容は聴き取れる。他方、電波の弱いマイナーな短波は、ロッドアンテナや簡易ロングワイヤーアンテナではノイズで埋め尽くされることがある。そういう場合、ノイズが少ない303WA-2が活きる。
・私自身は近隣国の放送では飽き足らず、アフリカ局の受信が303WA-2の購入動機だったが、こうした非近隣国の短波の受信をどの程度重視するかで、303WA-2の評価が変わると思う。受信感度が劇的に変化するわけではないからだ。たとえば、Trans World Radio Africa(South Africa)は、RAD-S800N+簡易ロングワイヤーアンテナやDE1103のロッドアンテナではノイズにかき消され、簡易ロングワイヤーでも音声とノイズが半々で内容までは分からなかった。が、DE1103+303WA-2で初めてはっきり聴くことができた。
・ただし、Africa No.1(Gabon, 9580KHz)等の仏語圏アフリカの放送局はまだ受信できていない。2010年12月で終了といわれるアルゼンチンのRAE日本語放送を初め、Solomon Islands、Polish、Romania、Vatican、Netherlands等の英語放送、Radio Canada International(6160KHz)、China Radio International、Adventist World Radio、Voice of Russia、Radio Exterior de Espana、Radio Romania International等の仏語放送も、タイミングが悪いのかもしれないが、ざっと試しただけでは受信できない。
・35BNC-ATのアッテネータは、DE1103+303WA-2では必要を感じない。巨大な携帯ストラップをぶら下げているように邪魔だ。35BNCの方が、安いし取り回しが良い。

4. DE1103+303WA-2で受信できた放送局

DE1103+303WA-2では、RAD-S800N+簡易ロングワイヤーアンテナと比べ、近隣国の電波は国内並に聴きやすくなり、非近隣国の電波もノイズが減った。カッコ内の数字は受信報告のSINPOコードで、55555が最高の受信状況で11111が最低。

・日本: ラジオNikkei第1・第2NHK Worldふるさとの風(拉致問題対策本部)しおかぜ(特定失踪者問題調査会)、他県NHK第1・第2、他県AM民放5局、コミュニティFM5局、アナログTV2局。
・日本語: 朝鮮の声(平壌、44444)、KBS World Radio(ソウル)中国国際放送(北京)台湾国際放送(台北)ロシアの声(SW/AM)モンゴルの声、ベトナムの声、インドネシアの声(32222)、ラジオ・タイランド(44444)、ファミリーラジオ(Oakland, CA)、IRIBイランラジオ(44444)。
・英語(East Asia): Voice of Korea (Pyongyang, 55555)、KBS World Radio (Seoul)、China Radio International(53333)、Radio Taiwan International、Voice of Russia
・英語(Other Asia): Voice of Indonesia、Radio PhilippinesRadio Television Malaysia(32121)、All India Radio
・英語(Pacific): Radio Australia(44544)、Radio New ZealandAdventist World Radio、T8WH ANGEL 3 (PALAU)、World Harvest Radio (Hawaii), KSDA-AWR(Guam, 23322)
・英語(America): VOAVOA Special EnglishRadio Canada International(21211)
・英語(Europe): Voice of Russia(33232), BBC World ServiceDeutsche Welle (Bonn)RTE (Dublin, 21321), Radio Slovakia International, Radio Prague International
・英語(Africa): Trans World Radio Africa(South Africa, 32222), Voice of America to Africa(22211)
・フランス語: Voice of Russia、Radio France International (Issoudun)

テーマ : BCL
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iPhoneなんかいらない-IDEOS/PocketWifiSレビュー

日本の携帯電話は、ガラパゴス携帯と言われる。SIM交換禁止やテザリング禁止という日本特殊な制約を長年守り続けてきたためだ。2011年からDocomoはSIMロック解除、AUはテザリングを解禁したが、SoftbankだけはiPhone4にまでSIMロックをかけテザリングを禁止した。ところが、2011年春に登場したb-mobile IDEOS (EMOBILE Pocket WiFi S)は、国際規格のAndroidスマートフォンだ。①SIMフリーなので、b-mobileの格安通信や海外SIMはもちろん、DocomoやSoftbankまでも使える。②テザリング(モバイル機器の無線LAN接続)も利用可能だ。日本の伝統的タブーを打ち破る「アンチ・ガラパゴス」スマートフォンと言える。低スペックだが低価格なので、サブ機や海外利用には最適だ。なお、iPadなんかいらないSIMフリー携帯入門Docomo T-01AレビューWindows Phone入門は別記。

1.IDEOSとPocket WiFi S

HuaweiのIDEOS U8150-Bは、日本では日本通信(b-mobile) IDEOSとEMOBILE Pocket WiFi Sとして販売されている。

1-1.Huawei IDEOS U8150-B

Huawei(華為:ファーウェイ)は、深センで1988年に創業された中国メーカーだ。日本向けには、EMOBILE Pocket WiFi、Docomo HW-01C、Softbank 004HW等を提供する。IDEOSは、W-CDMAで2100/1900/1700(Band IX)/850MHz対応のAndroidスマートフォンだ。日本では日本通信(b-mobile)とEMOBILEが販売する。SIMフリー携帯が対応する1700MHzは、一般にT-Mobile等のBand IVらしく、IDEOS U8150も同様だ。しかし、U8150-Bだけは例外的に、Docomo/EMOBILEの1700MHz(Band IX)に対応する。香港の携帯ショップでは郵送料込で2万円弱だが、「技適」基準を満たさない通信機器の国内利用は非合法だ。なお、中国ハイテクメーカー(親称「中華テクノジー」)の台頭については、中国製ラジオの定番も参照。

1-2.日本通信(b-mobile) IDEOS BM-SWU300

日本通信がHuawei IDEOS U8150-Bに技適マーク(技術基準適合証明)をつけて、国内利用を合法化したものだ。日本語入力を含め、基本アプリを自分でインストールする必要があるが、b-mobile、Docomo、Softbank、EMOBILE、海外SIMのいずれも使える。b-mobile SIMでは、下り最大300Kbpsという速度制限はあるが、月額2千円強でパケット定額、月額490円でIPフォンが使える。さらにEMOBILEやDocomo、SoftbankのSIMを入れると、下り最大7.2Mbpsに高速化する。10日間のデータ通信付で2.5万円弱だ。


1-3.EMOBILE Pocket WiFi S (S31HW)

Pocket WiFi Sも、日本通信のIDEOSと同様に、Huawai IDEOS U8150-Bだ。しかし、「Pocket WiFi ウィジェット」等のアプリをプレインストールする代わりに、国内ではEMOBILEしか使えなくしているようだ(海外ではSIMフリー)。私はb-mobileのIDEOSにTRE Mobile Pack(1年プリペイドでパケット定額)のSIMを入れることで、「SIMフリーのPocket WiFi S」を手に入れたが、EMOBILE SIMはEMOBILE本体なしには入手できない。そのためEMOBILE SIMを使うなら、初めからEMOBILE Pocket WiFi Sを契約した方が初期費用が安い。



2.IDEOS/PocketWiFiSの長所と短所

スマートフォンはWillcomとDocomoのWindows Phone(WS011SHやT-01A)を3台使ってきた。AndroidスマートフォンやiPhoneは使ったことがない。主にDocomo T-01Aと比較したときの長短所は以下の通りだ。Docomo T-01Aレビューも参照。

2-1. IDEOS/PocketWiFiSの長所

Androidスマートフォンとして最安だ。b-mobile IDEOSは月額契約不要の買い取りで2.5万円(海外版IDEOSなら2万円以下)。海外携帯の中古よりも安い。b-mobile SIMはパケット定額+IP電話で月額2500円強だ。Pocket WiFiやWiMAX等のモバイルWiFiルーター専用機と異なり、単体でメール・WEBチェックやIP電話ができる。3G回線でのSkypeも問題ない。
・国内スマートフォンが禁止してきたテザリングを使える。無線LAN対応機器なら何でも最大5台までWiFi接続するルーターになる。パソコン、iPad、iPod Touch、ゲーム機など、所有機器や利用方法の変化に柔軟に対応できる。iPod Touchは、モバイルWiFiルーター組み合わせれば、Softbankと契約せずともiPhone同様になる。
・IDEOSがあれば外出時の作業場所の選択肢が広がる。無線LAN付のカフェはマクドナルド等に限られ、LAN付を条件にすると旅の宿泊先が限定された。とくに海外では現地SIMを使える。LAN付の高めのホテルに泊まったり、夜にネットカフェを使うより、安く便利かつ安全だ。
・b-mobile IDEOSの場合、国内外でSIMフリーだ。普段はDocomo・Softbankの携帯電話・スマートフォンを使い、テザリングや海外SIMが必要なときのみ、ピンポイントでSIMを入れる2台目にも使える。b-mobileの半年/1年プリペイド(月額2500円前後でパケット定額+IP電話)、EMOBILEの半年/1年プリペイド(TRE Mobile Packはパケット定額)、EMOBILEの月払い(電話可能)、Docomo(パケット定額は上限1万円強)、Softbank(料金注意)や海外SIMでのピンポイント利用など、契約の選択が自由だ。他方、EMOBILE Pocket WiFi Sの場合、国内ではEMOBILEしか使えない。
・IDEOSもPocket WiFi Sも、海外ではSIMフリーだ。高額な国際ローミングに頼ったり、SIMフリー携帯を別途購入する必要がなく、到着空港で購入したプリペイドSIMで通話・通信ができる。もちろん、無線LANスポットならば、SIMを使わずともSkypeで通話できる。海外空港の乗継時など、無線電波に気づいたときにヒョイと無料通話できるのは便利だ。
・EMOBILE/Docomo/Softbank SIMでの通信速度(下り最大7.2Mbps)は、十分ビジネスに使える。速度はWiMAXの最大40Mbpsや新型Pocket WiFiの最大21Mbpsに敵わないが、これらはサービスエリアがまだ狭い。b-mobile SIMは、速度は遅いが(300Kbps)、FOMAのサービスエリア全域でつながり、月額2500円でパケ放題+IP電話だ。
・膨大なAndroidアプリを使える。iPhoneの主要アプリはAndroidでも実現しており、Windows Phoneよりはるかに充実している。Andoroid用モバイルサイトも使える(ANA、楽天トラベル、日経新聞電子版等)。GalapagosブラウザのUser Agent変更機能により、i-modeも閲覧できる。Gmail、Google Calendar、Facebook、Operaなどの基本ソフトは使いやすい。Radiko、Podcast、青空文庫、新聞、海外ラジオなどのメディアプレイヤーとしても十分使える。
・別売の大型バッテリー(Mugen Power)は、標準(1200mAh)の3倍強の容量がある(3900mAh)。WiFi接続が12時間にならないとしても、1日の作業には十分だろう。ただし、1万円かかり、厚みも3倍になる。

2-2.IDEOS/PocketWiFiSの短所

・Androidフォンとしてのスペックは価格並みに低い。テザリングやSIMフリーを必要としない人には向かない。EMOBILEが、あえてスマートフォンと呼ばず、Pocket WiFi後継機と位置づけた理由が分かる。
バッテリーが弱い。モバイルWiFiルーターのWiFi接続は元々4時間前後らしいが、Androidスマートフォンとしても酷使すると数時間で切れる。IP電話が可能だが、携帯電話との2台持ちの方が現実的だ。一日持たせるには、USB接続するか、大型バッテリー(Mugen Power)を用意する必要がある。大型バッテリーは、容量3倍ではあるが、高価で重く厚い。
タッチパネルは使いにくい。アプリ一覧をスクロール中に不本意なアプリが起動したり、逆に二度押さないと反応しないこともある。ひらがなのフリック入力は良いが、キーボード入力は指では押し間違いが多く、ローマ字入力は使えない。縮小拡大は、「+」「-」アイコンを押さないといけない。タッチペンは、iPhone用(静電容量式)の導電性シリコンゴム式だが、これを使っても押し間違いや二度押しが発生する。一般携帯電話の抵抗膜式ではないので、硬く細いスタイラスは使えない。
・EMOBILE Pocket WiFi Sを購入する場合、EMOBILE SIMと海外SIMしか使えない。b-mobileでIDEOS本体もSIMも購入する場合、総費用は一番安いが、通信速度は遅い(下り最大300Kbps)。IDEOSでDocomo SIMを使う場合、パケット定額の上限が約2倍になる(1万円強)。Softbank SIMを使う場合、パケット定額が適応されないと、膨大な請求をされるらしい。IDEOSでEMOBILE SIMを使う場合、SIMはEMOBILE本体なしには入手できないので、b-mobile SIMより初期費用が高い。
・b-mobile IDEOSの場合、初期状態では日本語入力もできず、アクセスポイント名の設定や各種アプリのインストールが必要だ。パソコンやスマートフォンの初心者には向かない。
・IDEOS/Pocket WiFi Sでは、iPhoneと異なり、PowerPointのプレゼンテーションはできないようだ。
・モバイルWiFiルーターとしては、下り最大21Mbpsの新型Pocket WiFiや下り最大40MbpsのWiMAXの方が速い(ただし、サービスエリアは限定され、AU HTC EVO WiMAXの月額料金は高い)。IDEOSは下り最大7.2Mbpsなので、新型Pocket WiFiのSIMにはおそらく対応しない。
・海外短期旅行ならば、よほどのヘビーユーザーでない限り、一般の携帯電話の国際ローミングで間に合う。長期出張や留学ならば、もっとバッテリーの持ちの良いSIMフリー携帯を中古購入した方が無難だ。
・IDEOSは、プロセッサーや解像度の性能が低いため、Firefox4、R25、朝日新聞、野村証券など、最新Andoroidアプリのうち正常に機能しないものがある。
・スマートフォン共通の現象だろうが、閲覧できないページがある。Galapagosブラウザ等でUser Agentを変更しないと、携帯用サイトは閲覧できない(Yahoo!や楽天トラベルなど)。

2-3.iPhoneなんかいらない

IDEOS/PocketWiFiSは国際規格のAndroidフォンだ。SIM交換禁止・テザリング禁止という日本特殊な制約がないため、WiFi対応機器や国内外SIMと組み合わせることによって、何倍にも活用できる。最新スマートフォンほど高機能ではないが、本体も通信費も安い。IDEOSの長短所を理解する人には、iPhoneなんかいらない。iPad/PC等との組合せを比較してみよう。

①iPhone/Smartphone + iPad 3G

・Docomo/AUユーザーがiPhone/iPad 3Gを使うためには、Softbankへの変更を強要される。が、家族契約やサービスエリア、通信速度のため、変えるに変えられない人もいる。
・iPhone/SmartphoneとiPad 3Gは、作業はかぶるのに、通信料金が6-7割増になる。他のPC、iPod Touch、ゲーム機等は接続できない。海外では、iPad 3Gなら海外SIMを使えるらしいが、国内iPhone/Smartphoneでは高額な国際ローミングをするしかない。

②携帯電話 + PC/iPad/iPod Touch + モバイルWiFiルーター

・通信をモバイルWiFiルーターに集中できれば、携帯電話パケット定額料をルーター通信料に代替できる。モバイル機器は、iPad、iPod Touch、PC、ゲーム機等、WiFi対応機器を自由に選べる。Softbankと契約せずとも、iPod TouchをiPhone化、iPadを3G化できる。
・しかし、鞄からiPad/iPod Touch/PCと取り出す必要があり、ネット接続時間はWiFiルーターのバッテリー残量にも制約される。海外では、モバイルWiFiルーターは使えず、SIMロック携帯で高額な国際ローミングをするか、SIMフリー携帯を別購入するしかない。


③Docomo/Softbank携帯電話 + IDEOS/PocketWiFiS + PC/iPad/iPod Touch

・IDEOS/PocketWiFiSは、AndroidスマートフォンとモバイルWiFiルーターを兼ねる。メールやWEBは、短時間ならIDEOS/PocketWiFiS、長時間ならPC/iPad/iPod Touchで見られる。
・IDEOSは利用者にSIM選択の自由を許す。たとえば通話を携帯、通信をEMOBILEに集中させれば、携帯パケット料を最小に抑え、EMOBILE通信料で肩代わりできる。b-mobileならば、接続速度は遅いが(最大300Kbps)、Docomo FOMAのサービスエリアでつながり、携帯電話のパケット定額の半額に近い(月額2500円前後でパケット定額)。海外では、IDEOS/PocketWiFiSに現地SIMを差すと、日本と同じ機能が現地価格で使える。海外SIMが通信対応ならば、メールやWEBもIDEOS/PocketWiFiSとPC/iPad/iPod Touchの双方で見られる。
・他方、Softbank iPhoneは、海外SIMをも拒否するので、高額な国際ローミングをするしかない。海外版SIMフリーiPhoneを購入しても良いが、Softbankは定額・割引料金を使わせない。利用者より会社の都合を優先したガラパゴスiPhoneなんかいらない

2-4.結論

・IDEOS/PocketWiFiSは、SIM交換やテザリングを必要とする者には唯一無二の存在だ。iPhoneを初めとする国内スマートフォンはこれを禁止してきたからだ。とくにパソコン/iPadを職場内・出張先・海外で持ち運ぶヘビーユーザーには向く。他方、低機能・低価格であるため、メインの通話・通信手段にするには割り切りが必要だ。せめて携帯電話との2台持ちとバッテリーの予備が現実的だ。
・短期の留学・海外渡航を繰り返す人には、海外でのメイン携帯と国内でのサブ携帯を兼ねることができる。海外向けのスマートフォンは中古でも2万円は下らないが、1年以内の短期海外滞在のために購入するのは抵抗がある。IDEOSは新品を2.5万円(香港の携帯ショップなら2万円以下)で買え、国内でも利用できるので、国内外を総合した費用対効果が大きい。
・国内では、低費用・低速度ならIDEOS+b-mobile SIM、テザリングを頻繁に本格活用するならPocket WiFi S+EMOBILE SIMだろう。他方、テザリングの利用頻度が少ないなら、SIMなしのb-mobile IDEOS本体のみを買っておくのも選択肢だ。Docomo/Softbankスマートフォン1台に作業を集中させ、テザリングが必要なときのみIDEOSにDocomo SIMを入れるなら、2倍のパケット定額上限額(1万円)を払っても、b-mobileやEMOBILEと二重契約するよりも安い。
・私の場合、家族通話の都合でDocomo T-01Aは手放せず、ノートパソコンを職場内でも出張・海外でも常に持ち運ぶ。そこでDocomoを通話専用にして、TRE Mobile Pack Outlet (EMOBILE Pocket WiFi)のEMOBILE SIMをb-mobile IDEOSに差している。Email/WebチェックはIDEOSだけで済ませ、通話とIDEOS電源切れの場合のみT-01Aを使う。本格作業はテザリングでパソコンを使うが、USBケーブルやMugen Powerの3倍容量バッテリーも用意してある。いずれも下り最大7.2Mbpsで接続できるのは、十分に快適だ。WiMAXは、エリア内であるはずの職場で電波障害があるので、選択肢になかった。今後の利用変更も、特定の携帯会社に縛られず柔軟だ。海外では海外SIMを買い、電話とテザリングに併用する。1年後に使用頻度が低ければ、EMOBILE/TREの契約更新をしない。その代わり、携帯電話用に併用するDocomo SIMをピンポイントで使うか、300Kbpsではあるが月額2500円前後でパケット定額のb-mobile SIMを契約する。

3.IDEOS - Androidの基本設定

・b-mobile IDEOSでは、アクセスポイント名や日本語入力アプリも自分で設定する必要がある。

3-1.b-mobile SIM用
・「設定」→「無線とネットワーク」→「モバイルネットワーク設定」→「アクセスポイント名」→「新規APN」で以下を設定し、「保存」する。
名前:bmobile
APN:dm.jplat.net
ユーザー名:bmobile@sw
パスワード:bmobile

3-2.EMOBILE SIM用
・「設定」→「無線とネットワーク」→「モバイルネットワーク設定」→「アクセスポイント名」→「新規APN」で以下を設定し、「保存」する。
名前:emnet
APN:emb.ne.jp
ユーザー名:em
パスワード:em

3-3. Docomo/Softbank SIM用
・Docomoでは、ダブル定額プランの上限額が通常の約2倍(1万円強)に設定された。
・パケット定額が適応されなければ膨大な請求をされるので、正確な最新情報が不可欠だ。

3-4.日本語入力アプリ等
・日本語入力アプリ: SimejiまたはOpenWnn。
・メール・連絡先・予定表: GmailとGoogle Calendarと同期。
・ブラウザ・ブックマーク: ソシアルブックマークを活用して引越し。FirefoxやOperaに自動同期機能が加わったらしい(未確認)。
・Podcast: Google ReaderにRSSを登録し、BeyondPodで読み込む。
・カメラ: Gmail連絡先にFlickrとFacebookのアップロード用メールアドレスを追加。また、IDEOSで撮影する写真にGPS情報は埋め込めない。
・基本アプリ: Android Market Place, Andronavi, Amazon Appstore for Androidからインストール。
・公衆無線LAN: Yahoo! Premium(346円)加入者のYahoo!無線LAN(+210円/月)、またはワイヤレスゲート+ヨドバシカメラ(380円/月)。主にマクドナルドで利用。複数機の接続可。

4.アクセサリ

・Rasta Banana PocketWiFi S専用反射防止フィルム (\580)
・Sanwa Supply タッチペン for iPhone4 (\980): キーボードの打ち間違いが多いので購入したが、これを使っても打ち間違える。イヤホンジャックで固定する。
・Beseto Mugen Power Lithium Battery (\13,860): バッテリー容量は3倍になるが、厚みも石鹸箱みたいに膨らむ。
・EMOBILE Pocket WiFi S標準バッテリパックPBS31HWZ10
・Eneloop Battery Booster: バッテリー切れが早いので緊急対策に。
電池パックマルチ充電池: 携帯・デジカメの機種を問わず電池パックをクリップではさんで充電する怪しい万能品。
・リュウド折りたたみワイヤレスキーボード: KING JIM ポメラ(370g)と似た使い心地でさらに軽い(129+220g)。



5. Androidアプリ

・Androidアプリは、iPhoneほどエンターテイメント性はないが、日々急増中だ。アプリがブラウザのブックマークに取って代わる。第三者が定番サイトのショートカットを自由に作れるため、公式アプリが最善とは限らない。Androidはアプリを定期更新するため、ファイルサイズの大きいアプリを死蔵していると、通信費・バッテリを消費する
・書籍もWEBも多数あるが、アプリの進化が目まぐるしい上に、他人の推奨はほとんど参考にならない。Android Market Place等で検索しながら、自分で動作とファイルサイズを吟味する。日本語ならAndronaviのランキング、英語ならAndroid Market Placeもチェックする。また、利用アプリをメモしておかないと、初期化時に立ち往生する。私はWindows Phoneからの移行なので納得済だが、携帯からスマートフォンに移行した人は面倒に思うはずだ。
Gmail、Google Calendar/ジョルテ、Facebook、Skype、新聞(アプリ+Opera+Galapagos)、外国語TVニュース(BeyondPod+Reader)、ラジオ(Radiko、TuneIn Radio)、辞書(Google翻訳、Wapedia)、交通・旅行(アプリ+Opera)を活用している(Windows Phone入門参照)。Docomo, McDonald, Lawson, ひかりTV等、ブラウザでの定型作業の多くもAndroidアプリになっている。が、GPS系はまだ使いこなせず、有料アプリ、Mixi、Twitter、携帯メールには手を出していない。モバイル活用法についてはiPadなんかいらないも参照。
・IDEOSは、短時間の情報チェックに向き、長時間の閲覧や入力には向かない。プロセッサが古いため、Firefox4やA-Secureには非対応。解像度が低いため、朝日新聞Catchew、R25、野村証券等の表示が崩れる。IDEOSプレインストールのFMラジオは海外周波数のため、日本のFM周波数が聴けない。雑誌のビューンや電子書籍のGalapagosも非対応。



5-1. ウィジット・壁紙
・プリインストール: ニュースと天気、Youtube。
・Yahoo!トピックス。
・ジョルテ: 予定一覧。本体メモリに置く必要がある。
・毎日新聞。
・検討中: Gmail着信表示ウィジット。

5-2.カスタマイズ・ツール
・プリインストール: Androidマーケット。
ADW Launcher: ランチャー変更設定。IDEOSではしばしばフリーズ。
・Advanced Task Killer: タスクマネージャー。
・AndExplorer: ファイルエクスプローラー。
・andronavi: 公式Android Marketと並ぶAndroidアプリのデータベース。
MySettings: 単純明快な設定で、3G/WiFi/Bluetooth切替など、省電力化。EMOBILE Pocket WiFi Sでプレインストールの「Pocket WiFi ウィジェット」に代替。
Simeji: 日本語入力アプリの定番。OpenWnnでも良い。
・寝るときHome: スリープ時にHomeに。
・ライト: 停電対策。

5-3. 仕事効率化
・プリインストール: Documents to Go (有料、Office文書閲覧)。
・Adobe Reader(公式): PDF閲覧。
Google翻訳(公式): 多言語の簡易辞書。発音までできる。
・QRコードスキャナ: 携帯同様にQRコードを読める。IDEOSでは動作未成功。
Evernote(公式)、Remember the Milk(公式): 話題の仕事管理。使わない。
sorami skydrive: skydrive(Microsoftの25GBの無料オンラインストレージ)を管理Windows Live Mobileをブラウジングした方が、Hotmail、Messanger、グループ文書等を総合管理できる。
・SugarSync(公式): オンラインストレージ。モバイルでPCのバックアップ分を閲覧できる。DropBoxの方が定番。
ジョルテ: Google Calendarと連動。月ごとの予定が一覧できるのがGoogle Calendarより良い。本体メモリに置くとウィジットにもなる。

5-4.通信・ソーシャル
・プリインストール: Facebook(公式), Gmail, Google Reader(Podcast番組をRSS登録しBeyondPodで読み込み)。
・En2ch: 大型掲示板リーダー。
・Galapagos: User Agent変更でi-modeも閲覧可能なブラウザ。cf.みんなのケータイブラウザ(情報の質が低い)。
・Goodle2: 主要ページを分類整理。
Opera Mini: 高速タブブラウザ。個人的にはブラウザNo.1。
Skype(公式): 国際電話・メッセージが便利。3GでもSkype同士の通話は良質。固定・携帯電話との通話は雑音。
・検討中: Twitter・SPモード(使わない)、Delicious、はてなブックマーク(公式)、Flikr等。

5-5.メディア&動画・音楽&オーディオ・写真
・プリインストール: Youtube(公式)はウィジットにもなる。IDEOSプレインストールのFMラジオは海外向けで、国内周波数には対応していない。
BeyondPod: 海外TVニュースに最適。PCのGoogle Readerに登録したPodcast番組のRSSを、Android版Readerと同期し、BeyondPodで読み込む。
Pandra TV(公式)、Ustream(公式)、ニコニコ動画(公式): Podcastの方が内容が厳選され質が高い。Youtubeで十分。
Radiko.jp(公式): 主要AMラジオを対象地域外でも聞ける。ネットラジオではなくリアルタイム。
TuneIn Radio: 国内地方FMラジオや途上国短波ラジオを聞く。韓国KBS(日本語)、Africa No.1(仏語)、France Info(仏語)など。ネットラジオではないが、デジタル音源として公開された音声のみ。cf. Radio France(中途半端)。
・テレビ欄: BSにも対応。
・ひかりTV: 録画予約が可能。

5-6.ニュース&雑誌・天気・ファイナンス
・スマートフォンでの新聞・雑誌閲覧は、無料サイトの速読か、PC/タブレットとの併用になる。
Financial Times(公式)、Le Monde.fr(公式)、読売ニュースリーダー(公式): IDEOSではマーケット検索で出てこない。朝日新聞Catchew(公式)、R25(公式)は、IDEOSでは表示が崩れる。
・L'Expresse(公式): 個人的に仏語週刊誌アプリNo.1。
NYTimes app for phone(公式): ファイルサイズが大きすぎる(10MB)。
Pulse: 英語新聞雑誌(Wall Street Journal, TIME等)の写真付記事のショートカット。記事数が少ない。
・World Newspapers: 海外主要新聞・雑誌のショートカット集。画面下の宣伝が煩いが、ファイルサイズが小さく、世界中を網羅。cf. Les journaux en francais(仏語限定版の妹分)。
Yahoo!トピック: ウィジットにもなる。毎日新聞よりエンタメ・技術系記事に強い。cf. Yahoo!ヘッドライン(起動が遅い)。
ウェザーニュース: 天気予報の定番。プリインストールの「ニュースと天気」の方がファイルサイズが小さい。
日本経済新聞電子版(公式): 配達版+千円でPCとiPhone/Androidの双方で閲覧可能。起動に無駄があり遅い。cf. 2kShimenViewer(非公式): 日経紙面ビューアー(IDEOSでは画面が小さすぎる)。
毎日新聞(公式): ウィジットにもなり、動作が軽い。個人的に日本語新聞アプリNo.1。
ビューン、マガストア(電通): 電子雑誌書店。IDEOS非対応。
Wall Street Journal日本版(公式): 有料なのでヘビーユーザー向けか。

5-7. 書籍&文献・コミック
・スマートフォンは長時間の読書に向かないので、無料サイトの速読か、PC/タブレットとの併用になる。IDEOSのディスプレイは小さいが、短時間の読書なら不可能ではない。Amazon Kindle日本語電子書籍は別記。
Amazon Kindle(公式): Kindleで一度購入した本はどの端末でも読める。米・英・仏・独のAmazonの公式アプリもあるが、日本のAmazon.co.jpのアプリは存在しない。
FBReader: Gutenberg/Feedbooks OPDSから膨大な版権切れ外国語書籍をダウンロードして閲覧する。cf. Aldiko Book Reader(ファイルサイズが大きく起動が遅い)。
・Top Books(NEC/BIGLOBE): Android向け日本語電子書店。購入した書籍はNB Viewerで読む。漫画を1コマずつ再構成する「フレームビュー」は、1話100円と高価だが、画面の小さいIDEOSにも最適化されている。cf. ebiReader(eBook Japan)(ファイルが大きすぎる)。
Wapedia(非公式): Wikipedia(公式)よりも多機能。ウィジットにもなる。
青空文庫ビューアー: 膨大な版権切れ日本語書籍をダウンロードして閲覧する。
デ辞蔵(有料): 辞書アプリの定番。Google翻訳で十分ではないか。
・検討中: Amazon.co.jp系アプリ(検索・バーコード)。

5-8. 交通・旅行&地域
・プリインストール: Googleマップ(公式)。
AccessPointMap: 公衆無線LANアクセスポイントMap。3G回線を使うので無線LANにこだわらない。
ANA Global(公式・国際線)、ANA旅達空間(公式・旅情報)、JAL国内線(公式・国内線)Android対応モバイルサイトの方が高機能。
・Tripadvisor(公式): 国内外ホテル・レストランの口コミ情報。
駅探★乗換案内: 乗換案内の定番。ジョルダンより高機能だが、ファイルサイズが大きい。
・乗換案内(公式): ジョルダンの乗換案内。
・検討中: Google Earth, Google Street View, GPS系各種(使いこなせない)。

5-9. ショッピング・ビジネス
Lawson(公式): クーポン情報。ファイルサイズが大きいので、ブラウジングで十分。
McCoupon(非公式): クーポン。cf. McDonald(公式)(ファイルサイズが非公式アプリの100倍)。
・MyDocomoChecker(公式): Docomo料金確認。Softbankにも同様のソフトがある。
ナビリブ、郵便局ナビ、湯遊ナビ: 図書館・郵便局・サウナの詳細を検索できるが、Googleマップで十分。
・ヤフオク(公式): Yahoo!オークション公式アプリ。モバイルサイトは携帯専用なのでAndroidアプリが便利。
・郵便追跡: 国内すべての宅急便を追跡可能。

5-10.エンターテイメント・スポーツ・健康&フィットネス・医療・教育・ゲーム
・使わない。

6. ブックマーク

・定番サイトには、ショートカットとして公式・非公式のAndroidアプリが用意されているため、Androidブラウザの出番は激減する。ブックマークをつけてブラウザで閲覧するのは、Androidアプリが存在しないマイナーサイトか、Androidアプリが使いにくいサイトだ。モバイルサイトもないPCサイトは、そもそも、出先でスマートフォンを使うほど緊急性がない。
・PCサイトや一部のAndroidアプリよりも、モバイル・携帯サイトの方が軽い。国内モバイルサイトは携帯専用が多いが、一部のショッピングHP・ブログ・掲示板等(FC2系)は、Andoroidでもブラウジングできる。モバイル・PCサイトはOpera Mini、携帯用サイトはGalapagosにブックマーク登録する。

6-1.モバイルサイト

ANA/JAL Mobile(Mobile): 航空券予約購入。モバイルサイトがAndroidに本格対応したため、Androidアプリよりも高機能で使いやすい。
mini asahi.com (Mobile): 朝日新聞の短文記事を読める。公式AndroidアプリはIDEOS非対応。
The Economist Mobile Edition (Mobile英語): 英国経済誌(週刊)の代表。短文記事を読める。
FT Mobile (Mobile英語): 英国経済新聞の代表。やや読みにくいが、記事全文が月に30本まで無料。公式AndroidアプリはIDEOS非対応。
Le Monde Mobile (Mobile仏語): 仏語新聞の代表。短文記事を読める。公式AndroidアプリはIDEOS非対応だが、WorldNewspapersでも読める。
Windows Live Mobile (Mobile): Hotmail, Messanger, SkyDriveが使える。
・楽天市場・楽天トラベル等 (Mobile): ANAマイレージモールはモバイルでは使えない。

6-2.PCサイト

Courrier International (PC仏語): フランス週刊誌(世界の主要新聞記事)。有料で記事全文を読める。Mobileでは重過ぎるが、雑誌全部をPDFでダウンロードできて、PCやKindleで読める。
Le Monde Diplomatique日本版 (PC): フランス論壇誌(月刊)を日本語で
・ANAマイレージモール(PC): 楽天市場・楽天トラベル等の利用でマイル加算。
・図書館HPやEndNoteWeb。

6-3.携帯専用サイト

・AndroidでもブラウザGalapagosならば、User Agentを変更してi-modeサイトを読める。PCサイトよりも軽い。
・My Airdo、Skymark (PC/携帯): 航空券予約購入。
Wall Street Journal日本版 (PC/携帯): 英語経済新聞を日本語で
・Yahoo! Japan (PC/携帯): Yahoo!映画など。Yahoo!トピックスやYahoo!オークションはAndroidアプリが存在する。
・朝鮮日報/中央日報・日本版 (PC/携帯): 韓国新聞を日本語で。

7. Podcast

・Podcastで欧米主要テレビ・ラジオのニュースも視聴できる。iTunesやPC接続は不要だ(iTunesの過干渉は、バックアップを複雑にするので忌避)。パソコンのGoogle ReaderにPodcast番組のRSSを登録しておけば、AndroidのReaderと同期される。それをBeyondPodで読み込む。Streamingでの再生は、素早くスムーズだ。以下の番組は外国語学習にも役立ち、ワンセグより生産的だ。Podcastを活用した英語学習参照。

7-1.標準ニュース
・BBC Global News (Audio): 英国国営局の国際ニュース。29分、昼着信。
 http://downloads.bbc.co.uk/podcasts/worldservice/globalnews/rss.xml
NBC Nightly News with Brian Williams (Video): 米国3大局のニュース、朝着信で便利。
 http://podcast.msnbc.com/audio/podcast/MSNBC-NN-NETCAST-M4V.xml
・MSNBC The Rachel Maddow Show (Video): フランクな語り口のニュース解説。
http://rss.msnbc.msn.com/id/27668917/device/rss/vp/26315908/rss.xml

7-2. 学習用ニュース
CNN Studnet News (Video): ニュースを米国人学生向けに解説。10分、早朝着信。 
 http://rss.cnn.com/services/podcasting/studentnews/rss.xml
VOA Special English (Video): サブタイトル付初歩英語ニュースで学習に最適。スクリプト・サイトもある。週刊。  
 http://www.voanews.com/podcast/videocastxml_local.cfm?id=1316
BBC World News for School (Audio): 途上国の小中学生対象の国際ニュース。演出に躍動感。3分、毎週金曜。
 http://downloads.bbc.co.uk/podcasts/bbc7/wnc/rss.xml

7-3.個性派ニュース
Euro News: No Comment (Video): 解説抜きの動画放映のみ。語学不問でユニーク。朝着信。
 http://feeds.feedburner.com/Euronews-NoComment
・週刊日経トレンディ (Audio): 経済トレンド解説。
 http://trendy.nikkeibp.co.jp/rss/podcast/trendy.rdf

7-4.仏語番組
TF1 Journal de 20H (Video): 仏語ニュースの定番。朝着信。
 http://www.tf1.fr/xml/rss/0,,205,00.xml
・TF1 Journal de 13H (Video): 代表的な仏語ニュース、夜着信。
 http://www.tf1.fr/xml/rss/0,,204,00.xml
・検討中: France Info (Audio)とTV5 (有料Video)はPCだけか?

7-5.趣味番組
セサミストリート(Video):米国子供番組の代名詞。大人にも面白い。
http://www.sesameworkshop.org/podcasts/sesamestreet/rss.xml
・いーふろん亭:若手落語家の登竜門。
 http://podfeed.podcastjuice.jp/app/rss_convert.cgi?url=http%3A%2F%2Fwww.podyose.com%2Fpodcast%2F

テーマ : スマートフォン
ジャンル : 携帯電話・PHS

SIMフリー携帯入門

1.SIMフリー携帯とは何か?

SIMフリー携帯とは、世界各国のSIMを差し替えて使える携帯電話のことです。ここではスマートフォンを含みます。SIMフリー携帯にはプリペイド式SIMという世界統一規格があります。もっとも安価なGSM Dual-bandでもアジアからヨーロッパまで、対応周波数の多いTri-bandやQuad-bandならアメリカなど世界中で、SIM交換だけで使えます。SIMフリー携帯は海外留学生や長期滞在者には常識です。海外渡航が多い人ならひとつ持っていると世界中で重宝します。

他方、Docomo、AU、Softbankの携帯電話では、i-modeやワンセグ、お財布ケータイなど、日本独自の付加機能をつけた代わりに、自社のSIMしか使えないようにロックをかけ、かつてはテザリングも禁じてきました。SIMも、長期契約を前提に後払いするポストペイド式で、プリペイド式は一般的でありません。これほど特殊で孤立した携帯電話市場は、世界広しといえども日本と韓国だけでした。「ガラパゴス携帯」(ガラケー)と呼ばれた所以です。

しかし、スマートフォンの普及と平行し、2011-2012年から海外携帯とガラケーの垣根が崩れました。ガラケーの定義も変わり、SIMフリー携帯の対義語ではなく、スマートフォンに対するフィーチャー・フォン(feature phone)を意味するようになりました。以下の囲みは2014年2月の追記ですが、本文は2009年9月に書き、2012年3月に修正したものです。最新情報は自己責任で調べて下さい。

1. SIMフリー携帯でも国内通信が安価になりました。IIJ、OCN、B-Mobile等、MVNO (Mobile Virtual Network Operator)が競争中です。また2012年以後、Docomo XiのSIMは、国内外の他社のSIMフリー携帯に挿入しても、接続速度はFOMAながら、Docomo Xiの定額・割引料金が適用されるようです。
2. スマートフォンや4Gタブレット、4Gルーターでは、通話契約がなくても、SkypeやLineで通話やSMSができます。Skypeは、通話の待ち受けには不便ですが、送信には役立ちます。短期滞在ならば日本で、海外4G WiFiルーターもレンタルできます。途上国ですらWiFi付のホテルが増えていますが、先進国でも高額な有料WiFiが多く、通話を無料WiFiに頼るのはリスクが高いでしょう。
3. Apple iPhoneやGoogle Nexus等、SIMフリー・スマートフォンが国内販売されました。2011年以後のDocomoモデルではSIMロックを解除できます。



旅・留学・出張の持ち物-3.精密機械IDEOS/PocketWifiSDocomo T-01Aは別記。

2. 海外ではなぜSIMフリー携帯が必要か?

海外では、SIMフリー携帯にプリペイド式SIMを入れ替えて使うのが常識です。SIMフリー携帯さえ持っていれば、初めて訪問する国でも、到着空港でプリペイドSIMを買ってすぐに使えます。携帯ショップは、先進国ならほぼ100%の国際空港の入国ゲート前に、両替所やATMと並んで位置しています。

2-1. SIMフリー携帯では、現地SIM(千円~)を自由に差し替えることができるため、海外でも日本と同感覚の現地通話料金しかかかりません。また、国際ローミング対応のSIMロック携帯をレンタルするより、中古・格安のSIMフリー携帯を購入した方が安いことがあります。1週間以上の携帯レンタルは5千円以上かかりますが、5千円で新品の格安GSM機を購入できますし、Yahoo!オークション等の中古ならさらに低額です。GSM+3G機ならば、GSM非対応の日本を含め、世界中で使えるでしょう。

2-2. SIMフリー携帯は、海外SIMだけでなく、Docomoや国内MVNO(IIJ、OCN、b-mobile)等、SIMを選べます。iPhoneやGoogle Nexusなど、SIMフリー携帯の国内販売も始まりましたが、2011年4月以降発売のDocomoの携帯・スマートフォンは、SIMロック解除できます。しかし、SIMフリー携帯でDocomoのSIMを使う場合、FOMAパケット定額に加入していても上限5,985円ではなく上限10,395円まで課金されます。Xiならば定額・割引料金が適用されるようですが、非Xi対応端末ではFOMA接続です。国内通信では国内MVNOを使う方が合理的でしょう。

2-3. 他方、WORLD WING(Docomo)、Global Passport(AU)、世界対応ケータイ(Softbank)など、国際ローミング対応のSIMロック携帯は、ここでいうSIMフリー携帯とは異なります。国内で割安なパケット定額料金が適応されるかわりに、海外では高額な国際ローミング料が発生します。旧型普及機種には「国際ローミング対応」と名乗りながら、米国・カナダ・中国等、世界の過半数の国で使えない3G専用(GSM非対応)携帯もあります。



2-4.国際ローミング料金については、Docomo WORLD WINGの料金表(2010年)を例に見てみましょう。ロンドン滞在時にロンドン市内の友人に電話するだけでも80円/分かかります。また、ロンドン市内の仕事相手や友人がロンドン滞在中の自分に電話するときも、相手が英国から日本への国際電話料金を払わせる上に、自分も着信料として110円/分を払わないといけません。日本に国際電話するときは280円/分、日本から電話を受けるときは、発信者側の国際電話料金に加え、着信料が110円/分です。注意すべきは、海外でのインターネット接続は、国内のパケット定額制の枠外にあることです。たとえばYahoo!モバイルのトップページを表示するだけで約200円です。海外パケット定額制に加入せず、日本と同じ感覚でWEBブラウジングやEmailすると、法外なパケット料金がかかります(百万円単位のいわゆる「パケ死」)。加えて本体をレンタルする場合、レンタル料が315-525円/日、補償料が210円/日かかります。

2-5. 2010年秋から海外パケット定額制が携帯3社で開始されました。海外でも同じ電話番号で電話を受けたいスマートフォンのヘビーユーザー向きです。たとえばDocomoの海外パケ・ホーダイでは、20万パケットまで1日1,980円、それ以上は1日2,980円が上限となります。ただし、国内のパケット定額サービスに加入していること、国際ローミングサービスに申し込むこと、海外パケ・ホーダイ対象業者を手動で設定することが条件です。対象業者は欧米アジア主要国の一部に限られますので、渡航先がそれに含まれるか確認が必要です。また、長期・頻繁に海外渡航する人の場合、SIMフリー携帯と現地SIMを購入した方が安いでしょう。長時間のWEB接続なら、ネットカフェの方が安く能率的なはずです。


3. SIMフリー携帯かSIMロック携帯か?

3-1. SIMフリー携帯を買うべき人

SIMフリー携帯の購入が望ましいのは以下の人たちです。一般には安い中古・旧型で十分でしょう。
- 海外留学・駐在などの長期滞在者(必須)
- 数年以内に複数回または計1ヶ月以上の渡航機会がある人
- 海外で現地人や同行者と通話の多い人
- 海外でもパケット通信をしたい人(高機能機種を購入)
- 高額なSIMロック携帯の盗難・故障が不安な人(低額機種を購入)
- いま使用中のSIMロック携帯が国際ローミング非対応の人

3-2.SIMフリーのスマートフォンを海外に持参すると良い人

海外でも国内でも高機能を使いたい人は、海外携帯、EMOBILE各種、b-mobile IDEOS、iPad 3G、SIMロック解除済Docomo(2011年モデル以後)など、SIMフリーのスマートフォンを購入しても良いかもしれません。テザリング(WiFiルータ)機能があり、かつ国内のLTE定額・割引料金も適用されるXi対応端末がお勧めです。以下の人に向いています。
- スマートフォンやWiFiルータのマニアックなヘビーユーザー
- 日本でもDocomo XiやEMOBILEやb-mobileのSIMを使う
- 海外での盗難やトラブルに耐えられる経済力と覚悟を持つ人
- 海外の宿泊先でLAN接続できずネットカフェからも遠い人

3-3. 日本のSIMロック携帯で国際ローミングを使うべき人

以下の人たちにはSIMフリー携帯の購入を勧めません。国際ローミング対応のSIMロック携帯を海外に持参した方が手軽でしょう。
- 海外でもSIMロック携帯の番号で電話を受ける必要がある人(SIMフリー携帯の電話番号はSIMカードを現地購入する度に変わる)
- 国際ローミング費用や盗難リスクの覚悟ができている人
- SIMフリー携帯費(中古5千円~、新品2万円~)を回収できないほど渡航機会が少ない人
- SIMカード最低額(千円~)を回収できないほどその国での通話時間が短い人

4. スマートフォン・WiFiルーターは国内外で併用できるか?

一般に日本用と海外用は区別し、2台別々に購入した方が無難でしょう。

4-1. 海外留学・長期渡航を機会にDocomo, AU, Softbankの携帯を買い替えるのは、盗難・紛失・劣化のリスクの上では勧められません。留学時には海外向けの旧型・中古のSIMフリー携帯を別に買い、新型携帯は帰国後に買い替えれば良いのです。Docomo、Softbak、AUの携帯では、国際ローミングはできますが、そのままでは海外SIMは使えないため、留学生や長期滞在者には向きません。

4-2. ヘビーユーザーならば、海外製のSIMフリー・スマートフォンも、選択肢です。「技適」基準を満たせば、日本国内でもDocomo Xiやb-mobileのtalking SIMの定額・割引料金を利用できます。
(1)香港製のSIMフリーiPhoneやGalaxy S等は、Expansys等なら国内価格とほとんど変わりません。ただし、Xi契約でも接続はFOMAです。
(2) IDEOS/PocketWifiSは格安のAndroidスマートフォンです。Expansys等ならば1万円程度ですが、EMOBILE/b-mobileでも倍額で販売しています。Docomo Xi/EMOBILE/b-mobileのSIMを使え、日本語情報も豊富です。ただし、低価格に見合った低機能・低速度なので、割り切りが必要です。


4-3. Docomo Xi対応端末やイーモバイルLTE対応端末を海外に持参するのも選択肢です。国内ではLTE、海外では現地SIMが使えます。2011年4月以後に発売されたDocomo端末ならば、SIMロック解除できます。GSM Quad-band(850/900/1800/1900Mhz)対応なので、韓国以外、ほぼ全世界に対応します。
ただし、長期契約の縛りがあるため、海外留学の直前に購入しても意味がないでしょう。

4-4. モバイル無線LANルーターの海外レンタルなら、グローバルデータMiFi(レンタル1,580円/日)もあります。


5. SIMフリー携帯の選び方

長期留学・滞在ならば、日本の海外携帯ショップでよく勉強した上で、SIMフリー携帯を中古購入するか、せめて購入候補の型番を決めておいた方が良いでしょう。

5-1. どのようなSIMフリー携帯を選ぶか?

(1) SIMフリー携帯の選ぶ際は、以下の機能を考慮しましょう。
- 通話とSMS: 短期旅行の使い捨てならこれだけで十分。
- SIMフリー: SIMフリー携帯でもSIMロックをかけたものがある。
- GSM+3G: 欧州・アジアの短期旅行ならGSM Dual-band(900/1800Mhz)のみで十分。北米ではTri-band(900/1800/1900Mhz)、中南米ではQuad-band(850/900/1800/1900Mhz)が必要。
- インターネット(GPRS): 3Gでも、プリペイド式SIMでは使えないこともある。
- 無線LAN機能: 高速インターネット接続が可能。
- Tethering(WiFiルータ)機能: 3G回線で無線LAN対応のパソコンやiPad等をネット接続できる。
- 日本語表示・入力: スマートフォンやNOKIA S60系
- Dual SIM: 2枚のSIM(海外現地SIMと日本SIM国際ローミング)で同時待ち受けできる。Cherry Mobileなど。中国製アダプタは不評。

(2) 価格帯の選択
SIMフリー携帯は安いものが良いでしょう。国内用携帯と兼用すると、盗難・故障リスクも大きく、メリットがありません。

2-1. 1万円以下
一般には通話とSMSのみのGSM携帯(渡航地域の周波数に注意)で十分でしょう。とくにDual SIM携帯なら、海外現地SIMとDocomo/Softbank SIMの2枚を入れて、同時待ち受けできます。フィリピンのCherry MobileのD15やF10は、欧州・アジア限定のGSM携帯ですが5千円程度です。

2-2. 1-2万円
世界中で使いたかったり、日本語インターネットが必要な場合、Androidスマートフォンなど、GSM+3G機が必要になります。Huawei IDEOSなど、格安のAndroidスマートフォンは存在します。またNOKIAは、長らく世界シェアNo.1で、一時はソフトバンクとDocomoでも販売していました。 S60ベースのNOKIA高級機種を日本語化するJ+ for S60(5千円)や電子書籍のGutenberg(別記)を見るためのMobipocketなどのソフトも豊富です。

2-3. 2万円以上
海外駐在員など、長期滞在で資金潤沢なヘビーユーザーでないかぎり、高額出費は勧めません。情報もコストもマニアの領域です。SIMフリーiPhoneなど高級携帯は、先進国でも途上国でも販売価格が変わりません。2011年4月発売以降、DocomoでもSIMロック解除が可能になったため、今後は国産のSIMフリー携帯も選択肢になるでしょう。

(3) 私自身は、国産のSIMフリー携帯、IDEOS/PocketWifiSで日本のEMOBILE SIMと海外SIMを併用しています。他に、NOKIA E61(ヤフオク購入・日本語化済)、NOKIA 3310(フランス購入)、Alcatel OT-E101(マダガスカル購入)、NOKIA 1650(スウェーデン購入)も友人間で無料で貸し出します。

5-2. どのような携帯電話会社を選ぶか?

・日本ではポストペイド式ですが、海外ではプリペイド式が支配的です。携帯電話会社によってサービスが違い、チャージの販売拠点数や国際ローミングの可否、SIMロックの有無も違います。とくにデータ通信は、非対応だったり、ポストペイド式(居住者)限定の場合もあるので、もっとも注意が必要です。電話機にSIMロックをかけて割引販売する電話会社もあります。渡航前にWEBで情報収集して決めておくと、現地で選択に迷わないでしょう。
海外空港に到着したら、まずATMで現地通貨を引き出してから、携帯電話会社カウンターでプリペイド式SIMカードを購入するのが、入国の定番作業です。携帯電話会社カウンターは一般に、先進国の空港は当然ながら、マダガスカルのアンタナリボ空港やチュニジアのチュニス・カルタゴ空港でも、到着口のすぐ目の前、ATMの隣にあるものです(コンゴのルブンバシ空港やザンビアのンドラ空港など、途上国の地方空港ではATMも携帯電話会社も未整備な場合もありますが)。
・とりあえず到着空港でプリペイド式SIMを購入し、落ち着いてから会社と契約方法を選び直すのでも良いでしょう。後述のバンコクのMBKでは、大量の携帯電話番号リストがスダレのように天井から吊り下がり(珍風景)、良番を選ぶことができます。

6. どこでSIMフリー携帯を買うか?

どこでSIMフリー携帯を買うかは、悩ましい問題です。

6-1. 日本の携帯・電器店

SIMロック解除済DocomoやEMOBILE/b-mobileの「国産スマートフォン」なら、日本語の情報量が多く、国内保証がつくことがメリットです。デメリットは、2年縛り等があることと、サポートが国内限定であることでしょう。

6-2.香港の日本語ショップや日本の海外携帯ショップ

・香港の日本語ネットショップは格安です。EXPANSYS電脳中心買物隊等が定番のようです。国内保証はありませんが、日本語HPでiPhone4S(6万円)やHuawei IDEOS(1万円)等を格安で購入できます。

・秋葉原にもSIMフリー携帯ショップはあります。Yahoo!オークションでも「SIMフリー携帯」のカテゴリーで売買されています。香港のショップより手数料が加算されますが、国内で質問できます。


6-3. 海外の携帯電話ショップ

・留学生や長期滞在者なら、現地で買うのも良いでしょう。SIMフリー携帯相場は国際化しており、カンボジアでも日本でも、世界中で価格に大きな違いはありません。他方、海外到着直後に闇雲に一番安い携帯を買うと、ロック付でネット(GPRS)もできないGSM携帯になりがちです(5千円から)。フランス、スウェーデン、フィンランド、マダガスカル等で購入した格安携帯はSIMロックがかけられていました。
・渡航先が欧州・アジアのみなら、Yahoo!オークションで5千円程度のDual-Band GSMを中古購入しておいて、到着当初を凌ぎ、数ヶ月後に現地の友人と相談しながら再検討するのも現実的かもしれません。ただし、北米や中南米の場合、上位機種のTri-BandやQuad-BandのSIMフリー携帯が必要になるため、この方法は使えないでしょう。

6-4. 世界各地の「秋葉原」

世界中の大都市で「秋葉原」に準じたIT・ハッカー集積地が形成されつつあります。バンコクのMBK(Mar Boon Klong) Centerの4階や香港の先達廣場は、SIMフリー携帯の販売・ロック解除・日本語化を含めた世界最大級の携帯電話市場で、圧倒的迫力の新名所です。ここの商品がYahoo!オークションやネットでも転売されています。マニラのGilmore、ソウルGangbyeonのTechno-Mart、パリのMontgallet(貧弱な華僑系)はもちろん、プノンペンのOrsay MarketやチュニスのPlace de la Republiqueにさえ「秋葉原」的な一角があります。「オタク」特有の垢抜けない雑多な雰囲気と自信ありげなプロ意識は世界共通です。カンボジアでは、液晶保護シートの代わりに携帯本体を丸ごと透明シールで包み、ライターとカッターで見事に整形するなど、各国固有の携帯文化もあります。


7.SIMフリー携帯の活用法

7-1.SIMフリー携帯を日本化する

英語表示しかできない海外モデルでも、日本語入力アプリをインストールできるものがあります。AndoroidならSimeji(無料)、Nokia S60系ならJ+ for S60(有料)が有名です。また、海外でSIMを購入したらまず最初に、海外滞在時の緊急連絡先を電話帳に登録しましょう(最重要・必須)。

7-2. SIMロック携帯への着信をSIMフリー携帯に転送する

・SIMロック携帯を維持する場合、国際ローミングで受信する代わりに、SIMフリー携帯への転送でんわサービスを設定しておくこともできます。
・転送の場合、SIMロック携帯を海外に持参し、常に充電して待ち受け状態を保つ必要がありません。ただし、発信者の通話料は通常の国内料金ですが、受信者が3倍の国際電話料金を負担します。また、SIMロック携帯を解約せぬ限り、月額基本料は払い続けます。
・転送先に特定番号への国際電話が安くなるゆうゆうコール割引等を設定しておくと、受信者の通話料も国際ローミングより安くなるかもしれません。


7-3. 海外から日本へ国際電話をかける

・海外から日本への国際電話は、SIMフリー携帯ならばSIMロック携帯の国際ローミングの半額以下です。日本からの国際電話も、SIMロック携帯で受けると発信者の国際電話料金に加え、受信者にも着信料が上乗せされますが、SIMフリー携帯で受けるなら受信者に負担はありません。
・Skypeが利用可能なスマートフォンならば、Skype同士の無料通話ができます。カフェ・ホテル・空港・キャンパス等、無線LANの電波さえあれば、SIMを使わずに世界中へ無料でSkype通話できます。PocketWifiS(下り最大7.2Mbps)の場合、Skypeから固定電話への通話は音質が落ちますが、Skype同士は携帯同等の高音質です。Skypeでは、固定電話との通話が無制限になったり、電話番号を取得する(固定電話から呼び出せる)ための月額プランもあります。

7-4.モデム機能(テザーリング)でパソコンをネット接続する

SIMフリー携帯・スマートフォンにモデム機能(Tethering)がついていたり、SIMフリーのモバイル無線ルーターを購入・レンタルすれば、現地SIMを入れてパソコンやモバイル機器のインターネット常時接続に使えます。テザリングは、海外向けスマートフォンでは一般的な機能です。国内向けでも、b-mobile/EMOBILEのスマートフォン/WiFiルーターは、日本でも海外でも現地SIMを入れ替えて、国内外で無線LANルーターになります。短期出張族なら、グローバルデータMiFiも選択肢です(レンタル1日1,580円)。

テーマ : 海外用携帯電話
ジャンル : 携帯電話・PHS

プロフィール

terry75014

Author:terry75014
仏米英生活10余年、海外大学院卒。海外渡航・留学助言は各数10ヶ国。ここでは一個人の立場で独断と偏見を書きます。テリーと呼んで下さい。

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