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どのような旅をするか? - Introduction to backpacking

海外旅行のスタイルは、人生の姿勢にも通じます。人それぞれのスタイルがあって、何が良いというものではありません。ただし、自分が今20歳だったとしたらどのような旅をしたいかと考えると、若い世代に助言したいことはいくつかあります。結論から言えば、「半月以上」の自由な時間を確保し、「途上国」を自分なりの「テーマ」を持って「一人旅」すべきだというのが、持論です。ただし、出発前の危機管理旅行中の危機管理が前提です。はじめての旅はどこが良いか留学の勧めは別記しました。

1.できることなら若いうちにインドや途上国へ行きましょう。

感受性や柔軟性が豊かな若いうちに、騙されたと思って是非、「若いときにしか行けない場所」に行くことを勧めます。好きになるか嫌いになるかは分かりませんが、その後の世界観や人生観が変わる可能性があります。途上国の今を知らずして、21世紀の世界は語れません。少なくとも途上国が視野の中に加わることは、人生の行動範囲を大きく広げます。また、途上国の成長変化に自分の今後の人生を重ね合わせることができます。

健康(とくに下痢)の問題がなければ、個人的にはインドがお勧めです。航空券は安くありませんが、総費用は欧米旅行ほどかからず、費用対効果が抜群です。思い立ったら先に延ばさず、若ければ若いほど良いと思います。実際、30歳過ぎまでに途上国に出会わなかったら、もう人生に2度とチャンスがない恐れがあります。私自身は、欧州に長期留学しながらアフリカを食わず嫌いだったことを後に心から後悔しましたが、20歳頃にインドを経験していなかったらどれほど視野が狭くなっていたか、ゾッとします。

   

2.欧米の名所観光は後回しで良いでしょう。

海外経験が少ない人ほど、「海外旅行といえば欧米観光」という固定観念があるようですが、歯がゆくてなりません。欧米の名所観光は、若者には後回しで良いのです。5年後には記憶が曖昧になってしまいますし、歴史的建造物は今行かなくても数十年後も変わりません。また、出張や家族旅行等で今後もいくらでも訪問機会があります。どうしても途上国訪問の機会がない場合も、せめてテーマを持って先進国の田舎に足を延ばしましょう。

先進国の平均所得(1人あたり国民総所得)は3-4万ドルですが、世界全体の平均所得は実は5-6千ドルです。その意味で、若者が世界を知るために最優先するのは、途上国だとほぼ確信しています。とくに「低所得国」とは、国連・世銀・JICAによれば、1人あたり国民総所得が1855ドル以下の国です。以下の世界地図でいえば暖色(黄・橙・褐色)のアフリカ・アジア・中南米国です(海外安全HPで危険情報の出ている国を除く)。

3.「まとまった時間」を思い切って確保しましょう。

1ヶ月単位の長旅は、就職・結婚後はできず、学生だけの特権です。社会人の有給休暇でも1週間程度の駆け足しかできません。学生でもアルバイトやサークルなどで忙しく、それらを切り捨てるには思い切った勇気が必要だということはよく分かります。しかし、かなり無理をしてでも、人生に二度とない機会として、時間を空ける価値があります。さらに3ヶ月間を確保できるならば、基礎力のない語学でもマスターできますので、学校に生活拠点を置く「留学」を勧めます。

    

4.一人旅が一番です。

若者が本当に海外を経験したいなら、一人旅の自由旅行が良いと思います。最初の一歩を踏み出す不安、思いつきや試行錯誤の自由度、トラブル時の決断、旅先での出会い、新発見の驚き等、一人でないと味わえないものは多々あります。不安に思う人もいるでしょうが、それが良いのです。人に頼れないからこそ、自分自身の真価が問われ、成長できます。珍しい建物・遺跡を見た記憶は2年後には忘れていますが、一人で人と出会った喜びや試行錯誤の不安や失敗の極限状況は、一生忘れないものになります。

他方、パック旅行や日本人同伴では、異文化体験の意味は半減します。とくにガイド付のパック旅行で「海外経験をした」と考えるのはまったくの勘違いです。日本人同士のグループ旅行は、バス内で談笑しながらサファリパークを動いて回るようなもので、アフリカの草原を歩くときの驚きや緊張感はありません。一番大切なものを何も見ていません。自宅でTVを見る方が安く、高額な旅費を支出する意味がないと思います。

仲良し仲間で海外旅行を計画したり、現地で出会った日本人と合流して旅行したがる人もいます。しかし、集団でないと行動できないのは、日本人(次いで韓国人・中国人やイタリア人・スペイン人)の悪い癖です。友達を同伴すると、日本でのしがらみをそのままひきずり、せっかくの成長の機会を半減させます。「お友達と一緒」の親睦が優先条件なら、国内温泉旅行で十分ではないですか。

5.「現地並」を原則にしましょう。

宿泊先や交通手段、食事は、体調と安全が許す限り、現地の庶民水準に合わせた最低限にするのが良いでしょう。慣れてから少しずつ生活水準を落とすのではなく、空港に到着したときの交通から、現地語しか通じない最安手段にこだわるのがコツです。

極論を言えば食事も、一度は下痢をするまであらゆるものを食べてみないと、自分の腹はどこまでその国の食生活に適応できるか、限界が分かりません(社会人になると、休暇・出張中に体調を崩すことは許されません)。また、旅費の大きな部分を占める「宿」に大金を使うより、名物料理・音楽コンサート・名物ホテル・オプションツアーなど、「体験」に一点豪華主義で使う方が賢いでしょう。さらには、1回の旅で散財するより、少しでも長く多く旅した方が良いはずです。

6.寄り道しましょう。

予定通りの数日単位で駆け足で名所を巡っても、面白くありません。むしろ思わぬハプニングに身をゆだね、当初にない変更を加える経験こそが、何十年たっても忘れられない旅の醍醐味になります。良い出会いも悪いトラブルもありますが、いずれも思い出深さには変わりません。旅程はあまり詰めすぎず、現地で変更できる余地を残しておきましょう。ガイドブック(さらにはパック旅行のガイド)に命じられるがままに動くのではなく、定番の観光名所からあえて一歩踏み外しましょう

7.旅にテーマを持ちましょう。

ひとつだけでも、観光見学以外の「こだわり」を作ると良いでしょう。マイナー都市訪問、スポーツ観戦、音楽CD購入、服のオーダー、レストラン珍味、幻の鉄道、伝説の安宿等、一味違うものなら何でも良いです。何が海外旅行のきっかけになるか分かりませんが、自分なりのテーマを持つと面白さが一転します。観光はテレビで見るのとさほど変わりません。大都市だけでなく、一度は意識的に田舎に足を伸ばしてみましょう。たとえば日本の原爆ドーム、黒部ダム、出羽三山、遠野村、沖縄等には、浅草・京都観光以外の日本像を発見する鍵がありますが、海外でも社会的な視点を忘れずにいましょう。そのためには事前準備が不可欠です。

とくに海外ボランティアや海外ワークキャンプを経験することは強く勧められます。特定の都市と仲間の中で生活することは、単なる通過とは根本的に違う経験になります。旅の合間の1週間でも1日だけだけでも良いのです。また、途上国旅行の冒頭で語学学校で現地語会話を学んでおくことも、生産的です。中南米旅行の最初に、付け焼刃の挨拶だけでもスペイン語を学んでおくと、その後の旅の経験密度が飛躍的に深まります。

   

8.知識を準備しましょう。

行先を決めるのは偶然だったとしても、行く前にその国に関連する旅行記・滞在記や各国事情、小説・映画等を見ておくと、胸に響くものが変わります。その国で自分が見つけるべきものが浮かび上がることもあります。WEB検索などの表面的な情報だけは駄目です。本を読む速度でゆっくりと感じ考えて、自分の思考や感性の中に溶け込ませることが必要です。

「百聞は一見に如かず」とは言いますが、知識がないと、何かを目の前にしても認識できません。たとえば、カンボジアの携帯電話の会社名やロゴを知らない人は、携帯各社が街中の屋台のパラソルを提供しているのを見ても、それが携帯電話の宣伝だとは気づきません。地域の名物料理を知らない人は、それを供する食堂を探そうという発想すら沸かず、マクドナルドで一食を無駄にしたりします。また、(英語だけでなく)現地語の数字と慣用句も暗記しておくと、現地での行動範囲が大きく広がります。

   
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はじめての海外旅行はどこが良いか? - The First Overseas Travel

「はじめての海外旅行を考えていますが、どこがお勧めですか」。このように相談されることがあります。自分が今20歳ではじめて海外に行くとしたらどこに行くか。考えるだけでもワクワクします。自分ならば、未経験のものも含めて、以下の選択肢を考えます。なお、どのような旅をするかを別記しましたが、少し慣れ始めた半可通が一番トラブルに遭いやすいので、出発前の危機管理旅行中の危機管理も予め良く読んで下さい。

1.半月以上の途上国旅行

半月以上の時間を確保し、途上国を旅行するのは、若いときだけの特権です。一度就職すれば退職するまで、半月以上の有給休暇を取ることはまず不可能です。時間・金銭だけの問題なら、少し頑張るだけの価値があると思います(健康と治安は最優先)。
・主要観光都市ならば、出張や新婚旅行、観光等で今後も訪れる機会がいくらでもあるでしょうが、途上国だけは、感受性と体力のある若いうちに行かないと、一生縁がないかもしれません。

若いうちに途上国に出会っておくと、世界の視野や人生の幅が広がります。大学生が途上国への留学に関心があったとしても、その前にまず途上国に旅行経験があることが前提条件です。私自身は最近、アフリカ・アジアを仕事の対象にしますが、20歳頃にインドに行った経験がなければ、これほど抵抗なく関心の幅を広げなかったはずです。ランブル鞭毛虫で隔離病棟に入院したのさえ、楽しい思い出です。

ただし、外務省・海外安全HPやガイドブック巻末で危険情報を漏らさず確認し、万全の準備をすることが前提です。たとえば、タイのバンコクはもっとも「安全」な旅先のひとつですが、その「安全」とは、避けられぬテロ・誘拐・殺人等が少ないという意味で、予防できるスリ・置引き・詐欺やA型肝炎等は、途上国でも先進国でも共通する「常識」です。それすらも「危険」と呼ぶなら、「安全」な国は日本以外には存在しません。出発前の危機管理旅行中の危機管理も是非読んで下さい。

1-1.インド一周旅行

インドの経済成長と将来性・課題を今見ておくことは意義があります。いまだにバックパッカーの王道とされるのは、旅の難易度が高く、良い意味のカルチャーショックがあるためでしょう。東南アジアよりもインパクトがあるので、アジア旅行を考えるなら、まずインドを優先するべきだというのが、私の持論です。とくに二等列車、ドミトリー、手掴み食、手拭トイレ等に慣れれば、世界のどこへでも行けるでしょう。1ヶ月以上あると理想的ですが、半月でも構いません。一方、1週間では短すぎるでしょう。

現地人並の宿泊・食事・交通に徹すれば(宿泊10ドル・食事5ドル・交通1ドルを上限)、物価が安いのも長所です。ツアーガイドが必要なアフリカ・サファリと異なり、自立的な一人旅ができます(パック旅行は無意味)。英語だけでなくヒンディー語等の現地語の挨拶・慣用句・数字も覚えておくと汎用性が高いでしょう。他方、緊急時には、先進国並の金額を出せば、便利なサービスや高度医療もあります。

1-2.インド以外の途上国旅行

途上国旅行ならばインドには限定しません。私自身が行って良かったと思う途上国は、インド、カンボジア、ベトナムです。また、仏語既修者ならばセネガルやマダガスカル、中国既修者ならば中国内陸部、スペイン語既修者ならば中南米も良いでしょう(最新の海外安全情報を確認して下さい)。これらの途上国は、既視感のある欧米先進国とは根本的に空気が違い、現地に行って初めて体験できる驚天動地の新発見が多々ありました。旅行先の選択とは視点が違いますが、留学国の選択は別記しました。

必ずしも快適なことばかりではありませんが、その不便が自分を成長させてくれました。英語は最前提ですが、インド・カンボジア・ベトナムでも買い物程度の現地語が前提です。インドでは人生で経験したこともないような強烈かつ長期的な下痢をしましたし、南ベトナムのホーチミンはインド並に交渉がタフです。マダガスカルで1人あたり国民総生産が1000ドル以下の生活水準を見ると、アジア「途上国」がいかに発展した富裕国か、発想が逆転します。

カンボジアのプノンペンは、成長性と呑気さが同居する点を気にいっています。一定の経験と慣れが必要ですが、先進国並の便利さが格安で提供されます。インド東南海岸のオーロヴィル、ラオス南部国境のドンデット島などは、夢のように美しい桃源郷です。アクセスこそ難しいですが、次はパートナーと一緒に戻りたいと思うほどです。

他方、外務省・海外安全情報で危険情報の出ている国・都市は、絶対に避けましょう。中南部アフリカの大都市は、「十分注意して下さい」という第一段階の危険段階でも、銃火器を使った強盗や警察によるトラブル(賄賂要求・写真撮影禁止)など、インド等での軽犯罪とはレベルの違う深刻な問題に発展しかねません。夜間には現地の人ですら外出しできないほどですが、日中でも市内バスでの盗難やATM付近での強盗が生じています。初めての海外旅行には向きません。私はケニアのナイロビの帰りにトルコのイスタンブールに寄りましたが、路上でガイドブックを広げたり、カメラをぶら下げた日本人のパック旅行者を見て、「この人たちはアフリカなら必ず事故に遭うな」と心配になりました。

2. 気力・体力に自信がない人にも勧められる旅先

あくまで個人的な独断ですが、東南アジアならバンコク、東アジアならソウルや香港、欧州ならプラハやイスタンブール、アフリカならモロッコやチュニジア(仏語力が前提)は、安心して誰にでも勧められます。安全かつ安価に異文化経験を楽しめ、そのインパクトや費用対効果も高いため、きっと満足するのではないかと思います(中国本土、中南米、オセアニアは他の人に聞いて下さい)。ただし、添乗員付の団体ツアーだけは避け、自由旅行を選ぶべきです。また、どの国でも、首都や観光地と別に、知名度の劣る田舎で1泊(以上)することを強く勧めます。印象が一変するほど強烈な思い出になる可能性があります。

トルコと韓国は、「旅先でもっとも親切にされた国」として好印象があります。タイは現代資本主義と伝統・自然の双方を残し、バンコクではセブンイレブンや高級巨大病院に代表される快適な都市機能、地方では民族や森林を経験できます。イスタンブールでは、東洋と西洋、イスラム教とキリスト教の交錯点を実感できます。プラハでは、古き良きヨーロッパの街並みと宮廷文化を格安で楽しめます。モロッコやチュニジアでは、迷路のような旧市街とイスラム文化を体験できますが、フランスの田舎にも似た新市街では疲れを癒せます。若者ならば同じ予算で別の旅先を選ぶべきだと思いますが、心配性の老人でもハワイや台北、シンガポールなら抵抗ないでしょう。いずれも、日本とほぼ同じ生活スタイルをそのまま維持でき、ハワイと台北ならば日本語まで通じるほどです。

その時々の価格と都合だけで行先を決めるのも一策です。韓国、中国・台湾、タイ・シンガポール、米国・豪州などは、地方航空からでも5万円以下の航空券があります。10万円あれば欧州も可能です。たとえば、旅行代理店HISの期間限定キャンペーンの格安ツアーは国内旅行より安く、受付開始日時と同時に競争で売り切れることもあります。

3. 海外インターンシップ・ボランティア・ワークキャンプ

旅人として通り過ぎるのではなく、生活者として特定の土地に根を下ろす経験は大切です。現地の人たちと触れ合い、社会を知る貴重な経験になります。非日本人と何かを共同作業して実現する経験は、海外インターンシップに準じ、社会人生活にも役立ちます。

語学初級者でもお金をもらえるワーキングホリデーは単純労働が大半で、大学生の学習機会には向きません。逆にお金をもらわないインターンシップやボランティアの方が、学習機会や社会貢献になります。費用は往復旅費・食費・宿泊費のみで留学や旅行よりも安いはずです。宿泊が提供されることもあります。インターンシップなら高度な英語力が必須ですが、ボランティアなら語学力を問いません。インターンシップならAIESECボランティアならNICEが有名です。

滞在国は問いませんが、旅先としても魅力のある国であれば、その合間や後に旅行を続けることもできます。ボランティアは期間の長さを問いません。1日だけでも良いですし、1週間以上ならもっと良いでしょう。数ヶ月間も可能です。長期旅行の一部にボランティアの期間を混ぜることも選択肢です。

現地語は、初級程度であっても身に着けることが望ましいです。お金や時間に余裕さえあれば、3ヶ月以上の語学研修を行い、その前後や週末にボランティアや小旅行を行う方が、「大は小を兼ね」ます。私も20歳に戻れるなら、フィリピンのセブ島で英語研修、中国の深センで中国語研修、セネガルのダカールで仏語研修、メキシコシティで西語研修などを選ぶでしょう。



4. 複数国周遊・大陸横断鉄道・世界一周航空券

国境間の長距離鉄道・バスは、多くの欧米観光客が利用するほど便利になりました。観光地以外の国境・辺境地を見られるのが良いです。中国からベトナム、カンボジア、ラオス、タイ、マレーシア等に至る東南アジア周遊の国境横断も、『深夜特急』以来メジャーになりました。インドより人当たりも柔らかく(南ベトナムは例外)、腹を壊すことも少ないでしょう。

バンコク、シンガポール、クアランプールなど、交通の要所にまず行き、そこからAir Asia(往復1万以内の格安航空会社)や長距離バスで放射線状に移動するのも、バックパッカーの王道です。沢木耕太郎『深夜特急』はとりあえず必読です。長距離バスも安めです。
欧州行ならばアジア経由便を選び、アジアに途中降機することを強く勧めます。ストップオーバーと呼びますが、同料金か1万円程度の追加料金でできます。たとえば、タイ航空やシンガポール航空やキャセイパシフィック航空は信頼があり、経由地も訪問価値がある。単純往復航空券であっても、到着空港と出発空港を変え、陸路移動を挟むことも選択肢です。オープンジョーと言いますが、多くは同料金できます。たとえば、バンコクIn-チェンマイOut、プノンペンIn-シェムリアップOut、ハノイIn-ホーチミンOut、ムンバイIn-コルコタOutなど。

世界一周航空券は、共通テーマを持って一連の都市を訪問するには、最適の手段です。時間の余裕は若者だけの特権です。留学の往復や半年以上の長期旅行なら検討価値があるでしょう。とくに7-9月のピークシーズンに留学へ出発するなら世界一周券の費用対効果は悪くありません。世界周遊ならピースボート等も良いかもしれません。

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現地情報の収集や現地語の習得

1.ガイドブックには得意不得意があり、目的と行き先によって使い分けるべきです。

1-1.『地球の歩き方』はパック旅行には最適です。初心者の観光・買物・飲食に特化し、写真と地図、そして読み物が長所です。他方、政治・経済・教育・交通等の客観情報が少なく、地方都市や独自体験に踏み出すには立ち往生します。現地志向の旅行者や留学生の間には、現地で裏切られ腹を立てる人が少なくありません。
   

1-2.英語ガイドのLonely Planetは逆に、独自テーマで旅を自由設計するのにツールとしてバックパッカーには絶大な信頼があります。印刷はできませんが、ネット上のGoogleブック検索で全ページ閲覧できるようになりました。しかし、写真・地図は『地球の歩き方』より大分見劣りします。また、紹介されるレストランは、味も趣味も悪い欧米観光客向けの店が多いという印象です。英語メニューの有無で選んでいるのではないかと疑っています。

1-3.日本語は絶版になりましたが、美術史解説ではフランスのミシュランも定評があります。Routardは、Lonely Planetに似たバックパッカー向け仏語ガイドで、私の知る限り大衆食堂の選択眼では一番です。

2.また、ガイドブックと別に、サブカルチャー本や紀行文を1-2冊購入しましょう(文庫・新書なら持参可能)。現地生活者のWEBサイトも幅広く検索しておきましょう。事前準備の量が現地での視野と行動半径を決定するというのが、フィールドワークの鉄則です。


3.なお、厚いガイドブックのうち自分の行き先だけを分解して持参する人もいますが、書籍は必要箇所をデジカメ撮影してファイルで持参しても良いでしょう。デジカメの液晶画面やネットカフェで見たりできます。

4-1.どの国でも短期間でも必ず、挨拶や買物、道案内程度の慣用句と数字は現地語を覚えましょう。周遊旅行でも移動中に暗記し、毎食後に次の場面を想定して復唱するのです。現地社会で実直に暮らす人に自分から現地語で話しかければ、余計な危険を避けられ、買い物も安くなります。

4-2.観光地で外国人に近づき英語で話しかける人は、それなりの理由(=利益)があるので、基本的に相手にしてはいけません。日本語(コニチハ! トモダチネ!?)は論外です。執拗な押売りを拒否するには、愛想笑いを冷酷に消し去り、そこに相手が存在しないかのように完全無視するのが得策です。

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tag : ガイドブック 地球の歩き方 現地語

出発前の危機管理

ここでは計画時の留意点について書きますが、以下も参考にして下さい。

旅・留学・出張の持ち物-1.収納用品: セキュリティ用品
旅・留学・出張の持ち物-2.貴重品:海外でのカード・お金・保険
旅・留学・出張の持ち物-7.日常用品:虫除け
海外滞在時の緊急連絡先
旅行中の危機管理
私の海外トラブル例


1.予防接種

厚生労働省検疫所ホームページFORTHで、渡航地に必要な予防接種を確認し、必ず出発の1ヶ月以上前に済ませましょう。打った注射はInternational Certificate of Vaccinationにサインをもらいましょう。このWHO指定の黄色い冊子は、海外では常識ですが、日本の地方病院では用意していなかったり、追加料金を取ったりすることもあります。その場合、WHOホームページから無料でダウンロードできます。

1-1.先進国でも破傷風は必須でしょう。

1-2. 途上国なら、飲食から感染するA型肝炎や体液から感染するB型肝炎もお勧めします。肝炎は感染率が高く、被害も大きい一方(強制入院1ヶ月)、予防注射で100%防げるので、感染は旅の上級者にあるまじき醜聞です(とくに出張ではプロ失格)。留学・長期滞在・駐在をする人は、今後5年間に必ず第三国にも海外旅行する機会があるので、先進国しか予定のない人も念のため射っておくと良いでしょう。ただし、1ヶ月後の2回目から効果が生まれ、半年後に3回目を打って5-10年有効になるので、遅くとも渡航の2ヶ月前に1回目を射たないと間に合いません(渡航中・帰国後の6ヶ月後に3回目を忘れない)。

1-3.黄熱病も、アフリカ・南米には必須です。注射証明「イエローカード」がないと入国できない国があるからです。一度注射しておけば10年有効ですので、至近の予定がない人も射つ価値があります。欧州滞在中にアフリカ、米国滞在中に南米に行く機会がありえますが、注射が間に合わないと渡航機会を逸します。私自身も後で非常に後悔しました。検疫所で月に1-2度しか接種されないので、遅くとも渡航の1ヶ月前までに射っておく必要があります。バンコク・スワンナブーム空港など、海外で時間と体調が許すときに打つことも選択肢です。

1-4.10-20代の日本人には、麻疹の免疫力が低い人がいます。母子手帳等を確認し、未接種の人は渡航前に必ず接種しましょう。米国大学での集団流行では、日本人留学生が問題視されています。1977-1979年生まれの人は、子供時代に接種したポリオ・ワクチンの効果が低いので、再接種が必要です。

1-5.私自身は、A型肝炎(3本/5年)、B型肝炎(3本/5年)、破傷風(10年)、狂犬病(1年)、ジフテリア(10年)、日本脳炎(10年)、ポリオ、腸チフス(10年)、髄膜炎(10年)、狂犬病(1年)などを公立病院で打っています。加えて、黄熱病(10年)は検疫所、腸チフス輸入ワクチンは東京の病院、髄膜炎ワクチンはパリのドゴール空港診察室、ポリオ生ワクチンは市の保健センター(年2回のみ)で接種しました。麻疹や結核は免疫があります。ちなみに、私立クリニックでの輸入ワクチン料は、公立病院での国産ワクチン料の倍近くかかることがあります。

1-6.狂犬病ワクチンは高価ですが(有効期間1-2年で1.3万円)、犬に咬まれた後にも5回注射する必要があります。私自身は、咬まれた後に打つことにして、予防接種を打たない年もあります。大都市の短期訪問が多く、大病院でワクチン治療ができ、動物徘徊も少ないからです。しかし、狂犬病ワクチンは大病院でも在庫が限られるため、咬まれた後に打ってもらえるとは限りません。大都市から列車・バスで10時間以上離れる場合や、人と動物が混住するような農村に長期滞在する場合は、予防接種が必要でしょう。私が中国雲南省からベトナム国境へ山岳地ばかりをバス移動したときは、予防接種を希望したのですが、在庫切れでした。他方、コレラの予防接種は効果が疑問視されています。

2. 防蚊対策

蚊を媒介とする伝染病は多く、海外での虫刺されは日本とは深刻度が違います。マラリアなどは、私の知人でも入院した人がいますが、早期に適切な治療をしないと死亡します。
2-1.蚊に刺されないことこそが、一番確実・安価です。季節・場所を問わず、長袖・ロングパンツ、虫除けスプレー、蚊取線香・ライターを、すぐに取り出せるよう手元に常備しましょう。一度でも蚊の羽音が聞こえたり、蚊が近寄ってくるのを感じた場合、危険信号です。たまたま虫に刺されない日が続くと油断しがちですが、一度、蚊が集まり始めたら、あっという間に何ヶ所も刺されます。旅・留学・出張の持ち物-7.日常用品:虫除けも参照。

2-2.マラリヤ予防薬のメフロキンは日本でも処方されますが、長期服用中の副作用や耐性ウィルスもあります。私の場合、発熱時に現地の近代的病院か日本帰国後に治療を判断してもらうことにしました。途上国でも大病院のある大都市のみを短期訪問するからです。しかし、発症時に近代的病院での適切な治療を期待できない現地環境ならば、やはり予防薬の服用を専門医に相談するべきでしょう。

3.お金と海外旅行保険

・旅費は、現金持参は危険なので、一般にカード利用を勧めます。カード加入や銀行口座開設には時間がかかりますので、1ヶ月前以上の申請が必要です。また、100-300ドル(欧州ならユーロ)の準備も必要です。以下はモデル事例ですが、貴重品を分散管理することも大切です。旅・留学・出張の持ち物-2.貴重品:海外でのカード・お金・保険を参考に。

・学生の短期留学・定期旅行なら、楽天銀行/スルガ銀行のVISAデビットカードをメイン、新生銀行キャッシュカードとMileage Plus Saison Masterカードをサブ。緊急用に現金100-300ドル。
・1年以上の長期滞在なら、現地銀行VISAデビットカードをメイン、新生銀行/シティバンク銀行キャッシュカードとMileage Plus Saison Masterカードをサブ。緊急用に現金100-300ドル。
・社会人の定期出張・旅行なら、三井住友VISA ClassicAカード(キャッシング枠20万円以上)をメイン、シティバンク銀行キャッシュカードとMileage Plus Saison Masterカードをサブ。緊急用に現金100-300ドル。
数年に1度だけの短期旅行なら、Travelex MasterCard Cash Passportとドル現金で旅費実費を半分ずつ。予備費・海外旅行保険用にMileage Plus Saison VISAカード。


・海外旅行保険も必須です。クレジットカードに3ヶ月以内の海外旅行保険が付帯することがあります。しかし、カード付帯保険は、保険額が不十分だったり、カードで航空券を購入しないと無効だったりするので、条件を慎重に検討すべきです(とくに年会費無料のカードは要注意。クレジットカード付帯保険の危機参照)。上記のMileage Plus Saisonカードは、保険が自動付帯する上に治療費が300万と大きいのが特徴です。また、3ヵ月以上の海外滞在では、3ヶ月間のカード付帯保険は無意味で、出発日から全期間の海外旅行保険に別途入る必要があります。
・事故に備え、海外滞在時の緊急連絡先を持ち歩くと同時に、飛行機便名と宿泊先を実家・友人+αに残し、定期的に無事を知らせましょう。



4. 外務省・海外安全情報・危険情報

渡航先を選択する前に外務省・海外安全情報を確認することは不可欠です。

危険情報には以下の4段階があります。

第一段階: 十分注意して下さい
第二段階: 渡航の是非を検討して下さい
第三段階: 渡航の延期をお勧めします
第四段階: 退避を勧告します


英語ですが、米国国務省・各国情報&旅行警報や米国CIA・世界情勢も参考になります。

5. 途上国初心者の海外旅行

初心者ほど、事前準備を軽視して、古典的な犯罪にひっかかります。初めての海外旅行の場合、外務省・海外安全情報で危険情報が出ていない国・地域を選択することを勧めます。たとえば、欧米、ハワイ・グアム、韓国・台湾・香港、シンガポール、ベトナム、モロッコ等です。その場合も、テロ等の心配が少ないというだけで、日本人が国内同様の危険感覚ではトラブルに合いかねません。最新スポット情報や安全対策基礎データ、概況・地域情勢・注意事項を熟読して下さい。また、各国ガイドブックの巻末には、典型的な犯罪例が載っています。初心者が海外で合う事故の8割は、警戒心次第で避けられたものです。

6. 危険地への個人旅行は社会悪の愚行

外務省・危険全情報の第一段階「十分注意して下さい」が発令される地域は、日本の国内旅行と同じ感覚なら、大なり小なり必ず事故に合うレベルです。要求される知識量・緊張感・注意力が一段上がるのです。中級以上の英語力に加え、買物程度の現地語も不可欠です。これらの国・地域への旅行者は、すでに海外経験がある方が望ましいです。

しかし、十分な情報収集とリスクの注意・覚悟をしていれば、旅行も不可能ではありません。とくに列車・長距離バス・ホテルでの置き引きトランプ詐欺、ケチャップ(ソフトクリーム)・スリ、道案内スリ、話しかけスリ、睡眠薬強盗等、は世界共通です。『海外安全虎の巻』『海外邦人事件簿』も参考にして下さい。

他方、危険情報の第二段階「渡航の是非を検討して下さい」以上が発令される地域・国は、経験・人脈・資金が豊富なプロでも手に余ります。私も自分の全経験をかけて断言しますが、政財力のバックもない学生には到底無理です。危険は、トラブルに合うか否かの確率論ではありません。「次の一手」を打つ救済策や柔軟性がなく、一人では打つ手のない袋小路に追い込まれることが怖いのです。小さなトラブルが出口のない底なし沼になりかねません。さらに危険情報の第三段階「渡航の延期をお勧めします」は、外交・軍事関係者でない限り、絶対に渡航してはいけません。第四段階「退避を勧告します」は、ほぼ戦闘地域なので論外です。

危険地への渡航は、仕事上の必要に迫られその時期・地域にどうしても渡航せざるをえないビジネスマンや専門家が、最大限の予算と現地人脈を駆使して出張する場合に限られます。外務省がいちいち警報を出していなくても、地元の人が「近づいてはいけない」と言うスラム区域なども同様です。世界中には危険情報のない地域は他にたくさんあり、危険情報も何年か待てばいつか解除されるはずです。職業的な緊急性もない素人が、よりによって「危険」な地域・時期に、単なる好奇心や冒険心のみで立ち入ることには、何の正義もありません。家族・大学・会社・政府にも大変迷惑な愚行です。

5. 私自身の危険地出張からの教訓

私は一度だけ、危険情報・第二段階「渡航の是非を検討して下さい」の地域に渡航したことがあります。コンゴ民主共和国のルブンバシ市とザンビア国境に出張したのです。後者は第三段階「渡航の延期をお勧めします」から第二段階「渡航の是非を検討してください」に危険情報が引き下げられたばかりでした。それでも「入国前にレンタカーを手配する等あらかじめ移動手段を確保してください」と警告されていました。

私は、現地パートナーの招聘状を取り、現地出身者に取材しつつ、英仏語の専門資料で丹念に準備しました。現地公用語である仏語も不自由なく話せます。その上で現地の財界幹部に、人脈と金を駆使したVIP扱いをしてもらい、1泊130ドルの市内最高級ホテルに泊まり、4輪駆動車を運転してもらいました。現地パートナーまたは車、ホテルから20m以上離れて単独行動することはありませんでした。しかし、私が飛び立った空港が2日後に占拠されることまでは予知できませんでした。襲った武装集団の一部が国軍・警官だとすれば、いくら用心しても予防できません。

それ以外でも「ヒヤリ、ハット」の危険は多々ありました。私は以下のトラブルに直面しました。

・海外安全HPでは「空港での入国審査に際し、入国審査官が不当に入国申請者を別室に連行し、金銭を要求する」と警告されている。私の場合は逆に、現地パートナーが空港職員に手を回したお蔭で、飛行機のタラップを降りた時点で、「XXX様ですね。XXX様がお待ちです」とVIP扱いで迎えられ、入出国審査も荷物検査も事実上のフリーパスとなった。
・ケニア航空が預け荷物を積み残し、次の飛行日の3日後まで、メインの鞄がない。緊急セットの配布もなく、自分で空港に鞄を取りに行く必要があった。現地パートナーが市内営業所で受け取れるよう交渉し、取りに行ってくれた。
・現地で洗面用具や替着を調達する必要があった。また、海外安全HPでは「コンゴ民主共和国内において使用可能な携帯電話の携行」が勧められている。しかし、外国人が市場を歩き回る治安状況ではないので、現地パートナーが携帯SIMを調達してくれた。
・鞄に入っていた虫除けスプレーは、現地の小商店では調達できず、大量に蚊に刺された。コンゴでは蚊によるマラリア感染はもちろん、エボラ出血熱でも200人弱の死亡者が出ている。
・東洋人は目立つため、毎日朝晩2度、汚職警官の検問のターゲットにされた。意味のない検査の反復で拘束され、賄賂を請求される。海外安全HPでも「国軍兵士や警察官等による銃器を使用した犯罪が散見される」「警察官からパスポートの提示を求められたときは、窓を開けずに窓越しに見せ、相手に手渡さないようにしてください」と警告されている。
・一度は、20ドル相当の賄賂を払わないと警察署に連行すると、警察官が後部座席に乗り込んできた。現地パートナーが「これ以上不当拘束するなら財界幹部から警察上層部に通報するぞ!」と携帯電話片手に脅し、1人1ドル相当の賄賂相場で妥結した。検問の警官がスワヒリ語で「水が欲しいな」と言って、現地パートナーが阿吽の呼吸で0.5ドル相当を渡して、即刻解放されたこともある。
・訪問先会社の外で記念撮影をしたら、守衛に「撮影禁止だ!」と怒鳴りつけられ守衛室に連行される。そこから社長に電話し、その鶴の一声で解放される。海外安全HPでは「主要施設の写真やビデオの撮影は禁止されています。それ以外の場所を撮影した場合でも軍人や警察官にカメラ等を没収されたり、金銭を要求されたりすることもある」と警告されている。
・検問所のある私的空間を訪問し帰るとき、守衛たちが手を振ってくれるので、単純に「さよなら」とこちらも手を振ったら、現地パートナーがさっと1ドル相当のチップを渡す。車の窓際まで寄ってきたのは、単なる挨拶ではなくチップの請求だそうだ。
・現存する唯一のガイドブックでも、外務省HPでも、車なしでの徒歩での街歩きを厳禁している。実際、路上を歩く非黒人は一人も見ない。
・都心部で駐車すると、自称案内人の若者がワラワラと飛び寄って来る。無職の若者で車上荒らし予備軍だと、守衛は言う。
・ルブンバシ空港にはATMがない。市内の銀行の営業時間内でしかクレジットカードによる現金の引き出しができない。クレジットカードが使えない旅行代理店も多い。ドル現金をホテルで両替するしかない。
・クレジットカードは、VISAカードが使えず、一般にマスターカードしか使えない。しかも、一度、航空券を購入したら、日本のカード会社がアフリカで頻発する不正使用を警戒して、カードを使用不能にブロックした。東京のカード会社に国際電話するまで、プロテクションが外れなかった。
・3つ星ホテルで、520ドルものクレジットカード払いができず、チェックアウトできないため、飛行機に乗り遅れそうになった。現地パートナーに運良く借金し、ナイロビから送金できたが、500ドルは平均年収に当たる超大金だ。

結論: 危険地は経験・人脈・資金を駆使しても難しい。素人は丸裸も同然で論外。

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格安航空券の買い方 - How to buy flight tickets

航空券は大変高価な買い物です。移動時間も馬鹿になりません。そのため、旅行代理店で言われるままに単純往復券を購入してはいけません。とくにJAL/ANAや欧米系の直行便は、たしかに飛行時間だけは最短でしょうが、それ以外はメリットがありません。パック旅行も、激安ならばそれはそれで良いですが、旅の自由度や醍醐味は激減します。また、ピークシーズン(盆・正月・連休)の出発券や帰国が半年後の往復券は、一般に高価です。
安宿予約の基本技術は別記しました。

そこで、ストップオーバー(経由地の寄り道)やLCC(格安航空会社)、海外発券を含めて、ルートを「多角形」にすれば、同じ予算で旅先を2倍以上に拡大できます。大半の代理店は面倒を嫌がり、出発地と到着地と日付を打ち込んで単純ルートを検索するだけです。そこで自分自身で様々なルートをシミュレーションした上で、具体的かつ積極的に自分から提案する必要があります。

注意:航空券や鉄道券はできるだけクレジットカードで支払いましょう。2007-2010年以後、それがカードに海外旅行保険を付帯させる条件になりました。例外もあるので、詳細はカード付帯保険の危機に別記。


1.ルートの検討

1-1.まずYahoo!トラベルの海外航空券予約で、日付を確定しないまま、渡航先候補について航空券の航空会社・経由地と価格相場を調べてみましょう。地方発の場合、ヒットする便数が少ないので、原則として東京発(や関西発)で調べます。大手航空会社がオプションで意外な国に飛んでいたります。


1-2.世界一周堂のアライアンス別の「就航図」も、経由地のシミュレーションに役立ちます。これらは予算や経由地を大雑把に知るための取り掛かりです。
(事例)ルフトハンザ航空のフランクフルト経由のチュニス・カサブランカ・ダカール行。タイ航空のバンコク経由のプノンペン・ビエンチャン行。ケニア航空のザンビア・ンドラ経由のコンゴ・ルブンバシ行。

1-3.往復券のもっと具体的な空席と価格は、ある程度までは、旅行代理店に準じたWEB検索システムで調べられます。Skygateは、日付を指定する必要がありますが、空席が分かるのが長所です。ただし、経由・周遊などの複雑なルートには向きません。地方航空発のデータは少ないですし、後述の格安航空会社(LCC)は対象外です。ウェブ購入の前に他のガイドブックや旅行代理店等も調べ、経由地を色々工夫する必要があります。

1-4.「マイナー」な渡航国や地方都市の場合、まず行き先候補の空港に発着する航空会社を調べます。おそらくその国の国営航空と同国または第三国の民間航空がみつかるはずです。国営航空ならば、東京からの格安航空券がある中継点を探します。また、第三国の航空会社の場合、その会社のハブ空港(その第三国の首都)と東京の間の格安航空券を再検索し、良い日本発便が見つかったら、次にA社のHPで往復料金と乗継時間を確認します。ただし、途上国の航空会社の場合、国際アライアンスにも加盟しない小規模会社が多いので、便数と信頼性に注意しましょう。

1-5.バンコク→アンタナナリボのマダガスカル航空、パリ→アルジェのアルジェリア航空など、渡航国の国営航空は分かりやすいですが、国営航空以外の方が安く信頼性も高い場合があります。たとえば、コンゴ民主共和国のルブンバシ空港なら、発着便で便数が多いのはケニア航空やエチオピア航空、南アフリカ・エクスプレスなので、次にナイロビやアジスアベバ、ヨハネスブルグへの日本便の最安料金と乗継時間を確認します。他にも私の搭乗例では以下のような便があります。
・バンコク航空(ビエンチャン→バンコク)
・ラオス航空(パクセ→ビエンチャン)
・シェムリアップ航空(シェムリアップ→パクセ)
・キングフィッシャー航空(チェンナイ→デリー)
・ケニア航空(ナイロビ→ンドラ→ルブンバシ)

2.経由地でストップオーバー

欧州行にはアジアにストップオーバーを勧めます。どうせ帰国直後は時差ボケすることを考えると、帰路にアジア経由地で宿泊して体調調整するのが理想的です。アジア系航空会社はサービスでも定評があります。

2-1.たとえば、タイ航空のバンコク、シンガポール航空のシンガポール、大韓航空のソウル、キャセイパシフィック航空の香港には滞在経験がありますが、航空会社の信頼性も高く、中継地としても数泊の価値があります。未乗ですが、アシアナ航空のソウルやエミレーツ航空のドバイも評判が良いです。

2-2.インド航空でロンドンに行き、デリー・イン、コルコタ・アウトで陸路移動することは、「オープン・ジョー」と呼びます。欧州便をパリ・イン、ロンドン・アウトとし、パリ=ロンドン間をユーロスターで陸路移動するのも同様です。ハノイ、ホーチミン、プノンペン、バンコク、シェムリアップ、ビエンチャン、ルアンパルヴァーン等のインドシナ半島内も、バス移動が可能です。

2-3.シンガポール航空で欧州に行き、帰路にシンガポールから鉄道でマレーシアのジョホールバル、バスでマラッカ、船でインドネシアのデタム島に往復することもできます。

2-4.ユナイテッド航空の米国経由の欧州便は、世界半周の長距離便でしたが、残念ながら廃止されました。未乗ですが、2大陸横断ルートでは、トルコ航空のイスタンブール経由のブラジル・サンパウロ行やエチオピア・アジスアベバ行も格安です。

2-5.米国行きにはハワイ等でストップオーバーできると理想的です。ユナイテッド航空では、往路・復路で各4回行うことができます。米国系航空会社の場合、中南米への往復も可能でしょう。

3.航空会社ホームページの正規割引券

航空会社がホームページで直接販売する正規割引券が格安になりました。旅行代理店のキャンペーン価格より安いこともあります。

3-1.格安航空会社(LCC: Low Cost Career)が急成長中です。新興中小の航空会社で、ホームページ上で予約販売します。旅行代理店の多くは扱わないので、初心者は見逃しがちです。しかし、行き先がLCCの就航都市(とくにハブ空港)の場合、検討価値があります。半年以上の長期滞在の場合も、LCCの片道券の方が安いこともあります。日本発のLCCも増えたため、そのハブ空港を拠点にLCCのみを乗り継ぎ、アジア周遊や欧米旅行も可能になりました。将来的には世界一周も夢ではないでしょう。たとえばクアランプール拠点のAir Asia、ロンドン拠点のイージーネットは、それぞれアジア・ヨーロッパの主要都市を往復1万円以下で結びます。Air Asiaでは、東南アジア・東アジアはもちろん、羽田発クアランプール経由でオーストラリア・ニュージーランド・ロンドン・パリまで行けます。LCCの就航都市は急増中なので、最新情報の入手が必要です。

成田・関空・福岡発:エアプサン(釜山)
成田・関空発:ジェットスター航空(オーストラリア)
成田・札幌発:イースター航空(ソウル)
羽田発:エア・アジア(クアラルンプール)
関空発:ジェットスター・アジア航空(シンガポール)、 セブ・パシフィック航空(マニラ)、済州航空(チェジュ航空)
札幌発:ジンエアー(ソウル)
関空・札幌・福岡発:ピーチ(ソウル、ANA系)

(Wikitravelに挙げられた格安航空会社での世界一周例)
London-Gatwick to Istanbul on EasyJet
Istanbul to Sharjah (Dubai) on Air Arabia
Dubai to Chennai on Jazeera, Air-India Express
Chennai to Singapore on Tiger, Air-India Express
Singapore to Melbourne on Tiger via Perth or JetStar via Darwin
Melbourne to Honolulu on JetStar
Honolulu to Vancouver on WestJet
Vancouver to London-Gatwick on Flyglobespan




3-2. 大手航空会社でも正規割引券が格安であることがあります。たとえばルフトハンザ航空やタイ航空には、欧州往復が8万円程度の正規割引券があり、70%のマイレージがつきます。バンコクを経由地に、タイ航空でパリ、またはマダガスカル航空でアンタナナリボに行き、バンコク=プノンペン往復を追加したことがあります。また、フランクフルトを経由地に、ルフトハンザ航空でダカール、カサブランカ、またはチュニスへ行き、フランクフルト=パリ往復を追加したこともあります。別々に航空券を買うより費用も時間も節約できます。

3-3.周遊券の利用も検討しましょう。スターアライアンスなら米国内、欧州内、タイ国内等の周遊券があります。期間限定のVisit ASEAN Air Pass(ASEAN周遊券)等もありましたが、Discovery Air Pass(インドシナ周遊券)は2011年現在でも購入可能です。鉄道でも、ユーレイルパス(欧州周遊)や各国毎の周遊券があります。時間の余裕があるなら、世界一周航空券も検討価値があります。前述の世界一周堂HPには一日の長がありますが、詳細情報はスターアライアンス、スカイチーム、アラウンド・ザ・ワールドのHPやガイドブック、旅行代理店で調べましょう。私自身は世界一周券(3回)や米国内、Discovery Air Passを使いました。



4.海外で現地購入・海外発券

4-1.バックパッカーの拠点として有名な都市にまず行き、その先の交通手段を現地購入するという方法もあります。アジアならバンコク(カオサン)、ヨーロッパならアテネ(シンタグマ広場)は、代表的なバックパッカー拠点です。ホーチミン(デタム)のシンカフェ、プノンペン(モニボン)のキャピトルなど、バスツアーで有名な現地旅行会社もあります。

4-2.海外発券航空券は、日本で予約・購入して現地で受け取ることも可能です。国際線は、行き先が事前に決まっているなら、予め日本で手配しておく方が確実でしょう。大手H.I.S.も進出しましたが、他にも老舗店がありますので、バンコク発券、シンガポール発券、ソウル発券等で検索してみましょう。日本のピークシーズンでも価格が安定し、為替で日本円が強い場合は安くなるのがメリットです。まず現地に飛ぶ航空券が必要なため、為替次第では必ずしも安くありません。

4-3.出張や交換留学等の場合、渡航先での国内便を含め、事前に旅程を確定させる必要があるでしょうが、自由旅行の場合はそうではありません。航空券だけでなく、超長距離バスや大陸横断鉄道、船旅等、柔軟な選択肢があります。私も現地手配でシンガポールからマレーシアのマラッカへバスで走ったり、インドネシアのデタム島へ渡ったりしましたが、周囲には中国からトルコへ鉄道で行った、中央アジアを横断した人、東南アジアを縦断した人もいます。

4-4.国内便は現地購入でも空席は多いはずですし、安いでしょう。たとえば、インドの国内便を日本の旅行代理店で手配するなら、インド航空の正規料金等になるでしょうが、現地旅行代理店では、キングフィッシャー航空等の格安国内便をはるかに安い価格で購入できます。ただし、購入のタイミングもありますし、運行は大手航空会社ほど正確ではないので、時間の余裕が必要です。アフリカの国内便は墜落事故が多いので、国際アライアンスに加盟するような大手航空会社、たとえば南アフリカ航空、ケニア航空、エチオピア航空、エジプト航空等を選ぶべきです。

4-5.行き先を限定しないなら、とりあえず現地に行って、そのときに安い航空券を検討するのも一策です。日本で扱っていない航空会社の格安航空券が入手できるかもしれません。ただ、エアーアジアやライアンエアー等の格安航空会社(LCC)なら、日本で事前にネット購入した方が確実でしょう。

4-6.留学等の場合、1年オープン券や片道券は高価です。30日FIX等の激安往復券を買って復路分は捨て、現地で復路便航空券を買った方が安いことがあります。他方、現地で自分が捨てる片道券を他人に売ろうとする人がいますが、他人名義では搭乗できません。

5.旅行代理店で購入する

5-1.大半の旅行代理店では、面倒と経験不足のため単純往復しか勧めないので、店頭では即決しない方が良いでしょう。データベースに渡航先と日程を打ち込んで検索するだけなら、素人がSkygateや航空会社HPで航空券を検索するのと大差ありません。正規割引運賃での単純往復なら、どの代理店でも同料金・同条件ですし、航空会社HPで購入した方がWEB割引があるはずです。また、旅行代理店では、現地発の割引料金や格安航空会社(LCC)を扱っていないのが最大の弱点です。少しでも複雑な旅程なら、まず自分で検索することを勧めます。

5-2.しかし、旅行代理店では、航空会社HPの検索で出てこない、地方発・国内便込の格安航空券、キャンペーン料金・回数券・周遊券等を提案されることもありますので、相談する価値はあります。自由旅行の場合、たまたま安い航空券が入手できたから旅に出る、というのもありえるでしょう。たとえばH.I.S.のキャンペーン価格では、5万円以下で中国・台湾・韓国、タイ・シンガポール、米国・豪州・ハワイ等に行けます(発売と同時に売り切れるそうです)。

5-3.マニアックな海外出張客が多く、複雑な旅程を苦にしない、信用できる旅行代理店を探しだしましょう。そういう代理店には、稀有な職人的知識を持つプロが少なくとも1人はいます。経験豊富な専門家に相談すると、素人では思いつかないルートを提案されることもあります。下手な旅行代理店で単純往復券を買う前に、本物のプロに経由地の多いルートを組んでもらうと、今後のルート設計の勉強になります。ネットで格安の単純往復券を複数組み合わせるより、代理店手数料を払って絶妙な経由便を組んでもらう方が、結果的に安くつきます。観光ツアー以外は面倒臭がるような、街角の代理店や腰かけ店員では絶対ダメです。世界一周なら世界一周堂、アフリカなら道祖神、官公庁出張なら霞が関トラベルなど、専門業者もいます。地方都市なら、一番手企業の提携代理店や一番手大学の生協旅行部も試してみてはいかがでしょうか。私はある代理店のスペシャリストに長らくお世話になっていますが、彼の手配で世界を何周したか、彼の逆提案でどれほど行動範囲が広がったか、感謝しきれません。



5-4.サークル等でスタディツアーや研修合宿をする場合、素人が軽率に幹事・引率役を引き受けたりせず、旅行代理店が受諾する「受注型企画旅行」にした方が望ましいでしょう。もちろん手配料はかかりますが、旅行代理店が旅程管理責任・旅程保証責任・特別補償責任を負ってくれます。以下は学校主催旅行の例ですが、「学校」の項目を「幹事・引率者」や「サークル・団体・企業」等に読み替えれば広く参考になります。

6-1.海外渡航が多い人は、クレジットカードを含めてひとつのプログラムに集中させ、マイル蓄積や上級会員を目指すのが定石だと言われます。マイレージ・プログラムの選択は、国内線(JALかANAか)、アライアンス・提携会社(どのルートが多いか)、有効期限の延長条件、クレジットカードなどによります。さらに、航空会社のクレジットカードを作り、ポイントを特典航空券で受け取れば、一般のクレジットカードは100円で1ポイント=1円のところ、100円で1マイル=2円になる計算です。航空系カードについては、国際派のクレジットカード選びで別記しました。

6-2.ANA/JALのマイレージは有効期限が36ヶ月なので、ANA/JAL搭乗数が多い人やANA/JALクレジットカードを使う人以外は貯まりにくいでしょう。そのため、スターアライアンス(ANAを含む)ならユナイテッド航空のMilage Plus、スカイチームならデルタ航空(有効期限18ヶ月+α)、ワンワールド(JALを含む)ならアメリカン航空のAAdvantage(有効期限24ヶ月+α)のマイレージカードを作り、ここにマイルを集中させるのが、「マイラー」の定番です。これら3つは、利用実績があれば有効期限を半永久的に延長でき、格安航空券のマイル換算率も良いからです。デルタ航空の「ニッポン500マイルキャンペーン」は、航空会社によらず国内便すべてに対し、1フライトごとにデルタ航空SkyMilesを500マイル加算するもので、人気のノースウェスト航空World Parksを引き継いでいます。他方、2009年以後、無期限有効を謳うマイレージはもはや見当たらなくなりました。最新情報は、マイレージの達人マイレージ比較の達人等が参考になるでしょう。



6-3.格安航空券が網羅的なのは、スカイチーム(Delta, Korean, France)、スターアライアンス(ANA, United, Thai, Lufthansa)、ワンワールド(JAL, American, Cathay)の順だと思います。同一アライアンスで旅程を組むことには、予約・乗継の連携だけでなく、欠航・乗継遅延・荷物紛失等のトラブル対応でも、メリットがあります。たとえばスターアライアンスなら、国内線にANA、アジアにタイ航空(+シンガポール航空)、欧州・アフリカにルフトハンザ航空(+トルコ航空)、北米・中南米にカナダ航空(+ユナイテッド航空)で、世界中のかなりをカバーできます。2回乗り継ぐアフリカ便や空港内で一泊するインドシナ便でも、預け手荷物がそのまま最終目的地まで運ばれるのが便利です。出張など、日程の拘束がキツイときほど、乗継トラブルの対応でも安心です。

6-4.しかし、海外出張の多い企業人以外は、ひとつのプログラムに絞り込めるほど、行動パターンが決まっていないはずです。格安航空券ではマイルがつかないことも多いですし、年に1-2度の海外旅行ではマイルが貯まりません。1マイルを2円相当と考えると、大手航空会社で5千マイルを貯めるより、1万円安い格安航空券を探す方が合理的です。前述のように、航空各社はマイレージの期限や特典、ボーナスを引き締め始めました。また、出張でのマイレージの個人取得も議論になりつつあります。今後はもはやマイレージを気にする時代ではないかもしれません。

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国際派のクレジットカード選び - Credit Card for a Cosmopolitan

はじめに: 海外旅行・留学用のクレジットカードの推奨例

・クレジットカードを海外旅行・留学に持参するなら、以下の組合せを考えた。VISAとMasterが1枚ずつで、治療費300万円以上の海外旅行保険が自動付帯することが最優先。ショッピング保険もつく。将来的なグレードアップにも備える。なぜこの選択をしたかを後述する。

学生:
・東京三菱UFJ銀行VISA Debitをメイン、
・Mileage Plus Saison Master(1,575円)をサブ。
一般:
・三井住友VISA ClassicA(一般1,312円/学生無料)をメイン、
・Mileage Plus Saison Master(1,575円)をサブ。

応用例:
・ANA SFC/Wide VISA(10,500円)、三井住友VISA Executive(3,150円)、またはMileage Plus Saison VISA Gold(15,750円)をメイン。
・UFJ/UC Corporate Gold Master(後述)、AEON Gold Master(後述)、またはMileage Plus Saison Master(1,575円)をサブ。
・留学・駐在勤務等ならば、新生銀行、Citibank銀行、または現地銀行のキャッシュカードを追加。


旅・留学・出張の持ち物-2.貴重品:海外でのカード・お金・保険海外滞在時の緊急連絡先クレジットカード付帯保険の危機海外で銀行口座を開設するは別記した。

1. クレジットカードの選び方

・WEBランキングや雑誌特集を鵜呑みにして些末な特典だけを理由に安易にカードを増やしてはいけない。メインカードは、利便性と信頼性を兼ね備えたカードを慎重に厳選した方が良い。些末な特典のために複数カードに分散するより、メインカードに利用を一極集中させるべきだ。利用額を把握するためにも必要だし、ポイント還元率や与信枠(利用限度額)も優遇される。海外旅行・留学で使う「初めてのカード」を前提に、4つの選択基準を挙げる。

①利用額が突出するなら提携カード

カード発行会社が単体で発行するカードをプロパーカード、カード会社が提携先の名前で発行するものを提携カードと呼ぶ。特定店舗の利用額が突出している場合、諸特典(ポイント・割引等)が付加された提携カードを検討しても良い。航空会社、鉄道定期券(Suica)、百貨店、家電店などが典型例だ。スーパー、コンビニ、携帯電話、ネットサービス、市内交通、ガソリンスタンドなども次点だ。しかし、利用総額がよほど大きくないと、ポイント還元率の多少の差は気分の問題に過ぎない。突出した支払先がないなら、老舗カード会社のプロパーカードから始めるのも王道だ。太く短くポイントを稼ぐ利便性優先のカードと、長く使い続ける信頼性優先のカードの2枚制でも良い。また、特定店舗と長く付き合うつもりで、招待制の上級顧客カードを目指すのも選択肢だ(AEON GoldANA SFCJAL JGC、三越お帳場、大丸お得意様)。

②信頼のあるカード発行会社

・信頼性の上で重要なのはカード発行会社だ。たとえばANAカードの場合、カード表面に一番大きく書かれた「ANA」が提携先、右下の「VISA」マークが提携ブランドで、裏面に連絡先が小さく書いてある「三井住友カード」こそが発行会社だ。カード選びで迷ったら、プロパー・提携を問わず、発行会社で選別するのが王道だ。とくに三井住友JCBなどの「銀行系」は審査も厳しく信頼性も高い(MUFGとCitiはクレジットカード付帯保険の危機で様子見)。老舗ほど多数の提携カードを発行しているが、同じ発行会社のカード間ならポイントや与信枠を合算したり引き継ぐことができる。逆に言うと、マイナーな発行会社では、他カードとの合算ができず、カード会社変更時には与信枠もリセットされる。加えて、メジャーカードでの信用実績は、安定収入と自己管理力の国際的な証明にもなる。

③海外旅行保険が自動付帯する国際ブランド

・海外利用を前提とするなら、VISAとMasterを1枚ずつ、海外旅行保険が自動付帯され、治療費用が計400万円以上補償されるカードを用意するべきだ(利用法は旅・留学・出張の持ち物-2.貴重品:海外でのカード・お金・保険も参照)。保険選択で一番重要なのは自動付帯と治療・救援者費用で、死亡・後遺障害補償額に実用的な意味は少ない。複数の保険が有効な場合、死亡・後遺障害は一番高い補償額を上限に打ち切られるが、治療・救援者費用等は合算される。そのため、保険が自動付帯されるカードを複数枚持つのが良い。また、海外用のメインカードにはショッピング保険もついた方が良い(Mileage Plus、ANA Wide/JAL Club-A、AEON Gold)。子供がいるならば海外旅行保険の家族特約も見逃せない(三井住友Executive)。
・他方、クレジットカード付帯保険の危機でも見た通り、保険が自動付帯しないカード(旅行費用をカード払いしない限り無保険)と治療費用補償が100万円未満のカードは、特別な理由がない限り選んではいけない(Citi等)。とくに出国後には無保険を解消する手段がないカードはもっとも危険だ(MUFG、楽天、NICOS、AMEX)。
・国内首位のJCBは海外では通用しない。AMEXも中小商店や途上国で弱い。VISA/Masterでも、海外に弱いカード発行会社は信用できない。たとえばUFJ Masterは、アフリカで航空券を購入しただけで不正利用を過剰に警戒し、日本の留守宅に留守番伝言を残しただけでカードを一方的に停止した。ただし、海外利用の金額・頻度が低ければ、カードは海外用(VISA /Master)と国内用(AMEX/JCB)の2枚制でも良いかもしれない。中国なら銀聯カードも選択肢だ。

④年会費は年間利用額の1%以下

・新社会人のメインカードは、会費無料や些細な特典に釣られず、老舗カード会社の定番カードから始めるのが良い。スタイルと利用額が安定してから、自分に合ったカードをゆっくり再検討する。大企業社員なら福利厚生カードを使えることもあるし、家族に海外旅行保険が必要になることもある。相互補完や予備のため2-3枚あって良いが、家計管理や盗難防止のためにも4枚以上は多すぎる。利用額の低いカードは迷わず解約すべきだ。上位カードへのステップアップは、年会費がポイント・割引・特典の相当額の半分以下であることが条件だと思う。ポイント・特典の還元率が2%だとすれば、全カードの年会費合計が年間利用総額の1%以下であることが、健全性の目安ではないか。

クレジットカード初心者への注意
・カード払いは国際人の常識で、決して怖くないが、自己管理も大切だ。銀行口座残高不足でカード利用料が引き落とせないと事故情報が残る。悪質な場合は5年間、すべてのカード会社で入会審査や与信枠設定が拒否される。
1.一括払いのみと決め、分割払いや国内キャッシングなど、 利子のつく借金には手を出さない
2. 海外でのキャッシングだけはむしろ活用すべきだが、収入証明書を事前提出しておく必要がある。
3.カードの引落口座は、定期収入が振り込まれるメインバンクとし、引落日前には必ず口座残高を確認する。引落日が怖くなるような放漫支出をしない
4.カード利用はメインカード1枚に集中させ、2ヶ月分の控えを保存する。ネットでも郵便通知でも「利用代金明細書」を照合し、翌月の引落総額を常に意識する。

・こうしたルールさえ守っていれば、カードは便利だ。電気・ガス・電話・ネット・新聞等、銀行口座引落をすべてカード引落に切り替えれば、年間20-30万円にはなり、ポイントにもなる。コンビニ・スーパー等の少額の買い物でも使えば、利用明細が家計簿代りにもなる。


2.お勧めの入門カード: Debit/Mileage Plus Saison/三井住友ClassicA

・学生ならば、東京三菱UFJ銀行VISA Debit(VISA Debitから選ぶ)と、Mileage Plus Saison Masterの組合せくらいしか選択肢がない。本当はデビットではなく、海外旅行保険が自動付帯する老舗の三井住友ClassicAの方が理想的だ。しかし、学生用クレジットの与信枠(約10万円)とキャッシング枠(約3-5万円)は海外滞在には小さ過ぎる。そこで、預金残高次第で利用上限額を増やせるVISAデビットをメイン、最大(300万円)の治療費用保険が自動付帯するMasterをサブに組み合わせる。さらに3枚目ならば、治療費用50万円が自動付帯するJAL navi(学生専用)もある。
・新社会人ならば、治療費用100万円とショッピング保険が自動付帯する三井住友ClassicA(死亡補償だけ条件付)、治療費用300万円が自動付帯するMileage Plus SaisonやSaison Blue American Express、治療費用200万円が自動付帯するSkywalkerの中から選ぶと良い(航空系は後述)。海外に持参するなら、ショッピング保険の三井住友ClassicAと治療費300万円のMileage Plus Saisonの組み合せは理想的だ。
・老舗の三井住友VISA/Master ClassicAは、学生にも社会人にも最初の1枚に相応しく、一生付き合えるプロパーカードだ。海外・国内旅行保険にショッピング保険、スポーツ賠償保険が加わる。Classicと異なり、ClassicAでは海外旅行保険が自動付帯する。旅行代金をカードで支払わないと、死亡保障が2000万円から300万円に減額するという「条件」ができたが、治療費用100万円が自動付帯する方が重要だ。将来的に子供ができたら保険に家族特約のつく三井住友Executive(3,150円)にステップアップもできる。
・旅行代理店HISのSkywalker(1,050円)では、現金払いを強いられるHISでカード払いができる。三井住友海上保険で治療費用補償200万円が自動付帯するのは良い。オリコマイレージクラブ(3,150円)に入ればマイル移行手数料1回1,050円で、1000円=1ポイントを3JALマイルに移行できる。あとは、オリコカード(信販大手のオリエントコーポレーション発行)やHISと長く付き合いたいか否かの判断だ。他方、学生専用ライフカードも、治療費用200万円の保険が自動付帯するが、発行元がアイフルの子会社であることは私の好みでない。
Saison Blue American Express(3,000円)は、Mileage Plus Saison VISA/Master(1,575円、後述)と並び、学生にもゴールドカード並の保険が充実する。損保ジャパンによる海外旅行保険は治療費300万円が自動付帯し、加えてショッピング保険もつく。セゾンの永遠不滅ポイントは、海外利用で2倍になり、Shopping Mile Plan(4,200円)でJALマイルに移行できる。帰国時には成田・羽田・関西・中部空港から手荷物を1つ無料で宅配できる。国内ではJCB加盟店の多くで使える。しかし、VISA/Masterに比べ、中小商店や途上国で使えない店舗が多いので、海外でのメインカードにはなりえない。また、富裕層限定のAMEXプロパーカードは国際的な知名度が高いが、格安のSaison AMEXにはそのステイタスがない。


3.このカードは海外に持参してはいけない


MUFG、NICOS、楽天、AMEX、SBI、Tuo、Yahoo、JAL一般、ANA一般は、海外でのメインカードにしてはいけない。海外旅行保険が自動付帯しないからだ。クレジットカード付帯保険の危機でも別記した。
・2007-2010年以来、多くのカードで海外旅行保険が自動付帯しなくなったので、見直す必要がある。旅行代金をカードで支払って初めて保険が有効になるため、うっかりすると無保険になる。
・大学生協のTuo VISAも海外には持参すべきでない。海外旅行保険は自動付帯せず、治療費用50万円は不十分だからだ。ただし、国内用には、生協カードを兼ねて学内売店でも使え、発行元は三井住友カードで、ショッピング保険もつく。
CitiカードとMUFGカードは、一般もゴールドも、海外持参には不適だ。Citi一般カードの海外旅行保険は悪条件で全種統一され、自動付帯ではない上に、治療費用は少なめで(100万円)、賠償保険がない。たとえば学士会Citi Classicカードだ。ただし、学士会会費(年3千円)さえ払えばカード会費が無料だ。
JAL一般、JAL Suica、ANA一般、ANA Suica等も、実は海外持参には向かない治療費用、賠償責任、携行品損害が補償されないからだ。航空会社系カードなのに、通常の海外旅行保険よりもさらに条件が悪い。それが明記されていないので要注意だ。

4.航空系クレジットカード

4-1. なぜ航空系カードか?

・航空券の購入は、庶民でもまとまった金額を支出する数少ない機会だ。そのため、飛行機に良く乗る人が、航空系カードをメインカードとして搭乗と支払いを集中させると、マイル還元の効率が良い。また、一般のカードではポイント還元率が100円=1ポイント=1円だが、マイルを特典航空券で受け取ると還元率が100円=1マイル=2円相当になる。しかも、航空会社と老舗カード会社という大企業同士が連携するため、カードサービスが充実かつ安定している。たとえば、ANA Mileage Mallは、ANAマイレージ会員ならANAカードを持たなくても、100円=1マイルのマイルがつく(カードポイントを加えると 100円=最大2マイル)。ただし、マイル蓄積が少なく、有効期限内に特典航空券に交換できない場合、航空系カードは不利になる。
・マイレージは、スカイチーム系ならデルタ航空、ANA/スターアライアンス系ならユナイテッド航空、JAL/ワンワールド系ならアメリカン航空にマイル登録を集中させると、効率が良く有効期限もない。しかし、海外旅行保険等が実用的な航空系クレジットカードは、Mileage Plus Saison、ANA Wide、JAL Club-A、りそな/AAdvantage VISAくらいだろう。Delta SkyMiles Citiは保険に難がある。私自身は、ANA/Star Alliance搭乗はANAカード、JAL/One World搭乗はアメリカン航空AAdvantage(クレジット機能なし)、その他はデルタ航空Skymiles(クレジット機能なし)に登録する(Skymilesのニッポン500マイル・キャンペーンには国内線マイルを登録できる)。マイルに期限があり、搭乗も少ないJALにはマイルを貯めない。

4-2.万人向けのMileage Plus Saison

・ユナイテッド航空のMileage Plus Saison VISA/Master(1,575円)は、抜群の費用対効果なので、学生・新社会人の最初の1枚にも、2枚目のサブカードにも良い。保険の条件が変わらない限り、長く持ち続けていても損はない。支払いを集中させるなら、Mile Up MembersやGoldカードへのアップグレードも元が取れる。

Mileage Plus Saisonの長所
・損保ジャパンによるゴールドカード並の海外旅行保険が自動付帯するのは希少だ(死亡3000万、治療・救援者300万、賠償2000万)。
・米国首位・世界最大級の航空会社(2010年にコンチネンタル航空合併)と流通系カード最大手のセゾンが提携したため、サービスの安定度が高い。
・マイルは、搭乗やカード利用で有効期限が実質的になくなる。ANA/JALカードのように端数のマイルが期限切れで無駄になることがなく、すべてを特典航空券に交換できる。
・マイルは、ユナイテッド航空便なら、格安航空券でも100%貯まる。同便は米国とアジア方面に日本発着便が多い。
・マイルは、ANAの搭乗でも登録できて、ANAの特典航空券と交換することもできる(15,000マイルでANA国内線特典航空券)。
・特典航空券には譲渡制限がなく、家族以外にも渡せる。
・カード利用が少ない人も、入門カードやサブカードとして、格安な年会費で自動付帯の海外旅行保険を確保できる。その場合、マイル換算率は1000円=5マイルとやや低めだが、マイル期限が実質的にないため、ユナイテッド航空の搭乗がなくても買い物だけで、いずれ特典航空券に交換できそうだ。
・メインカードとして、買い物や搭乗を集中させることもできる。その場合、マイル移行のMile Up Members(+5,250円)やGoldカード(15,750円)になると、マイル換算率が1000円=15マイルに3倍増し、ANA/VISAカードの1000円=10マイルよりも効率が良い。1マイル=2円ならば、Mile Upは年間利用23万円以上、Goldカードは53万円以上で、年会費+移行料(0.7-1.6万円)の元が取れる
・マイレージ・プラス・モールの買い物では、さらに1000円=2.5-5マイル貯まる。
・スターアライアンスの航空系カードには、ANA、シンガポール、タイ、ルフトハンザ等があるが、マイレージプログラムとしてもクレジットカードとしても、Mileage Plus Saisonが一番良い。

Mileage Plus Saisonの短所
・メインカードとして、買い物で効率良くマイルを貯めようとすると、Mile Up Members(+5,250円)にならざるをえない。
・メインカードとして、ショッピング保険や海外旅行保険の家族特約を加えようとすると、Mileage Plus Saison Gold(15,750円)にステップアップせざるをえない。一般カードが安すぎるだけに、ゴールドカードが高く見える。
・ANAカードと二者択一だ。ANA Wideカードをメインカードにする場合、ANA家族マイルはもちろん、ユナイテッド航空のマイルすらANAに集中せざるをえない。その場合、Mileage Plus Saisonはマイルを貯めない保険用のサブカードになってしまう。
・他方、Mileage Plus UC(1,575円)は、海外旅行保険で治療費用が50万円しか補償されないので、海外には不適当だ。UCカードは、みずほグループからクレディセゾンに買収された。

Mileage Plus SaisonがANA Wide/JAL Club-Aより劣る点
ショッピング保険がない。保険に家族特約もない。
・国内便の特典航空券を予約するときは、ANA/JALカードよりも不利。
・フライトに関する優遇はない。ANA/JALカードように、搭乗マイルが加算されたり、マイルを家族で合算できたり、国際線ビジネスクラスカウンターを使えたりはしない。
・空港またはグループ企業での優遇もない。ANA/JALカードのように、機内販売、空港売店、免税店、通信販売、パッケージツアー、手荷物宅配、ホテル等のグループ商品が割引になったりしない。
・マイルのつく店舗網や割引のある商品群が、ANA/JALカードより少ない。ポイントをマイルに移行できる提携カードもない。電子マネーも搭載されない。
・永久上級資格のMillion Mile Flyerは、SFC/JCGよりもハードルが高く、到達には何十年もかかりそうだ。

結論
・カード利用が少ない人、サブカード用、迷ったときには、まずMileage Plus Saisonで海外旅行保険を確保するのが無難だろう。その後のライフスタイルの変化に応じて、Mileage Plus Saisonをサブカードに降格させたり、Mile UP Membersやゴールドカードに昇格させたりすれば良い。


4-3. 「マイラー」には最強のANA Wide Card/JAL Club-A

ANA Wide(7,612円、三井住友/JCB)とJAL Club-A(10,500円、DC/JCB)は、ANA/JALの搭乗回数が多い人には定番のメインカードだろう。特典航空券が交換しやすく、付帯サービスが充実している。とくに海外旅行保険は、一般カードと異なり自動付帯される。
・他方、ANAマイルはユナイテッド航空のMileage Plus、JALマイルはアメリカン航空のAAdvantage、スカイチーム系マイルはデルタ航空のSkyMilesに貯めると、搭乗やカード利用によってマイルが無期限になり、特典航空券の譲渡制限もない。しかし、ユナイテッド航空は例外として、アメリカン航空やデルタ航空のクレジットカードは、費用対効果が悪いので、クレジット機能なしのマイレージカードだけで良い。
りそな/AAdvantage VISA Classic(5,250円)では、マイル移行料なしに200円=1マイルで貯まるが、海外旅行保険は自動付帯ではなく、治療費用50万円も不十分だ。Wide(8,400円)では、100円=1マイルで貯まり、海外旅行保険も自動付帯するが、治療費用100万円は少ない(死亡・後遺障害は旅行代金のカード払いの有無で増減)。りそな/AAdvantage VISA Gold(15,750円)だけは、治療費用300万円の保険が自動付帯するので、JAL Club-A Goldよりは良いかもしれない。
Delta Skymiles Citi Classic VISA(10,500円、Citiカード)も勧められない。Citiカードの保険は MUFGカードと並び悪条件だからだ。保険は自動付帯せず、治療費用は100万円のみで、賠償保険もない。Delta Skymiles Citi Gold(18,900円)ですら、賠償保険はつくが、保険は自動付帯せず、治療費用は150万円のみだ。同じスカイチームのカードには、エールフランスや大韓航空もあるが、人を選ぶ。

ANA Wide/JAL Club-Aの長所
Gold並の海外旅行保険が自動付帯される。通常のVISAカードと異なり、旅行代金のカード支払いの有無により、死亡・後遺障害が減額されることもない。
搭乗マイルが25%加算される。
搭乗マイルを家族で合算できる。
国際線ビジネスクラスカウンターが使える。
・グループ商品の割引がある。機内販売、系列空港売店、成田・関西空港免税店の10%割引、系列通信販売の7%割引、系列パッケージツアーの5%割引、系列手荷物宅配の160-200円割引、系列ホテルの割引・朝食無料等。
・半永久的な上級会員 (ANA Super Flyers CardJAL Global Club)を目指せる。UAのMillion Mile Flyerよりは到達しやすい。
・ANAの場合、買い物で通常1000円=5マイルのところ、マイル移行料(VISAなら6,300円、ANA JCBやJALは2,100円)を払うと、1000円=10マイルになる。1マイル=2円で、2年に1回マイル移行するならば、年間利用54万円以上で年会費+移行料(10,762円)の元が取れる。1年に1回移行するならば、年間利用料70-74万円以上で元が取れるが、年会費+移行料(13,912円)を払うよりANA Wide Gold(14,700円)の年会費を払った方が良さそうだ。
・ショッピングの提携会社が多い。ANAならANA Mileage Mall、JALならeマイルパートナーでのオンラインショッピングでも、1000円=5-10マイルが加算される。
・JALショッピングマイル・プレミアム(+2,100円)に入会すると、ショッピングマイルが2倍に加算される。
・JAL/ANAと提携するクレジットカードは多く、他のカードのポイントをJAL/ANAマイルに移行して一元化できる。
・カード発行会社が手堅い(三井住友/DC、JCB)。クレジットヒストリーを蓄積でき、他の提携カードとも与信枠やポイントを共有できる。
・クレジットカードから電子マネーをネット(+パソリ)経由でチャージできる。

ANA Wide/JAL Club-Aの短所
・メインカードとして支払いと搭乗を集中させないと採算が合わない。特典航空券に交換できる15,000マイルに「買い物だけで」達するには、年間利用54万円以上に加え、3年間(マイル有効期限)で150万円以上利用することが必要だ。端数のマイルの期限切れを避けるには、年間75万円以上の支払いか、7-8千マイル以上の搭乗で(欧米渡航1回+α)、約2年以内に特典航空券に交換するサイクルが望ましい。
・飛行機を使わない人には向かない。ANA/JAL搭乗が少ない人には、マイル25%加算や国際線ビジネスクラスカウンターの意味がない。特典航空券を使わずキャッシュバックを求める人は、採算が合わない。
・VISA独自のボーナスポイントはマイルに移行できない(ANA JCBなら可能)。
・ANAカード搭載のEdyでは、ポイントはたまらない。また、ANA Suicaは一般カードのみで、ANA Wide/Gold/SFCにSuicaは搭載できない。
JAL Club-A Suica(10,500円)の場合、Suica機能と引き換えに、ショッピング保険が消え、発行会社がビューカード(JR東日本) に変わる。

ANA/JALがMileage Plus/AAdvantageより劣る点
・年会費が高い。カード利用が年間75万円以下なら、Mileage Plus Saison(1,575円)にANAマイルを貯めた方が安く保険を確保できる。
・ANA/JALではマイルの有効期限が36ヶ月なので、期限内に特典航空券を交換するためには、75万円以上のカード利用か、年間7-8千マイル以上の搭乗か、その折衷が必要だ。他方、搭乗+カード利用がそれ以下なら、Mileage PlusにANAマイル、AAdvantageにJALマイルを登録する方が、カード利用・搭乗さえすればマイルの期限がなくなり、急がずともマイルが無駄にならない。
・買い物1000円=10マイルは、Mileage Plus Saison+Mile UP Membersの1000円=15マイルと比べ、効率が悪い。
・ANA Wide/SFC/GoldやJAL Club-A/Goldの場合、海外旅行保険は治療費用150万、救援者費用100-150万と少ない(死亡は5000万、賠償はANA Wide/JAL Club-A/Goldで2000万、ANA Goldで3000万と妥当)。Mileage Plus Saison(1,575円)は、治療・救援者300万、賠償2000万が自動付帯するため、保険の費用対効果が5-10倍良い。りそな/AAdvantage VISA Gold(15,750円)だけは、治療・救援者300万、救援者500万、賠償5000万が自動付帯して、JAL Goldより良さそう(AAdvantage Classic/WideはJALと変わらない)。
・ANA/JALの自社航空券の場合、+25%のボーナスマイルは良いが、自他社のPEX航空券は70%、格安航空券は50%のマイルしか登録されない。Mileage PlusやAAdvantageならば、自社のPEX/格安航空券は100%のマイルが登録される。
・ANA/JAL特典航空券は、登録家族しか使えない。Mileage PlusやAAdvantageの特典航空券は、譲渡制限がない。

結論
・ANA/JAL搭乗やカード利用が少ない人は、とりあえずMileage Plus Saisonが無難だろう。ANA/JALの一般カードは、海外旅行保険が致命的に悪く、マイルも期限のせいで活用しきれないからだ。その後、一定以上のANA/JAL搭乗・カード利用があって、上位カード(Gold/SFC/JGC)に切り替えるならば、Wide/JAL Club-Aをメインカードを選べば良い。


4-4.ANA/JAL一般カードは海外向きでない

ANA一般カード(2,100円)とJAL普通カード(同)やそれと同格のANA Suica, JAL Suica等は海外持参には勧めない。搭乗マイルが10%加算され、家族のマイルを合算できる。しかし、海外旅行保険は、もっとも重要な治療費用、賠償責任、携行品損害が補償されない。死亡時しか補償されないのでは海外旅行時にほぼ無意味だ。
・学生専用に限定すれば、JAL navi VISA/Master(無料)は、海外志向者に魅力的だ。海外・国内旅行保険が自動付帯される上、スカイメイト、留学、語学試験でもボーナスマイルが加算される。しかし、卒業後は、普通カード(2,100円)では保険が論外だし、Club-A(10,500円)では年会費が高過ぎるので、「JALマイラー」以外には更新価値がない。また、ショッピング保険がなく、保険の治療費用補償50万円は足りない

4-5. ANA American Express Cardは海外向きでない

ANA American Express Card(5,250円)やAmerican Express Green Card(12,600円)は、海外利用を前提とするなら選ぶべきでない。VISA/Masterよりも使える場所が少ないだけでなく、日本出入国の航空券・船舶券・ツアーをカードで支払わない限り、海外旅行保険が無効だからだ。無保険は致命的で、死亡・後遺障害補償5千万円や空港ラウンジなど、海外向けのあらゆるサービスは意味を失う。保険が有効なときでさえ治療費用補償は100万円と無料カード並に低額だ。とくにAMEX Greenは年会費の価値がない
・「常に」自分個人のカードで航空券を買える人はむしろ少数派だろう。出張では航空券が支給されることも多いし、グループ旅行では幹事役が同日程の航空券を一括購入することも良くある。格安航空券最大手のHISなど、カード払いを受け付けない旅行代理店もある。クレジットカード付帯保険の危機にも別記したが、Citiカード等、「旅行代金のカード支払い」を保険の条件とする他社カードでは、出国前の空港までの鉄道や出国後の現地リムジンバスの支払いでも保険が有効になるよう柔軟だ。しかし、ANA AMEX/AMEX Greenの保険は、条件が特別厳しく救済措置がない。無保険のリスクのあるカードは、危なくてメインカードにできない。

ANA American Express Cardの長所
American Express Internationalが直接発行する提携カードで、Saison AMEX(前述)やMUFG AMEXと比べ信頼性が高い。
・ANA Wideより安い年会費でGold並のサービスがある。空港ラウンジ、ホットライン、海外旅行保険の家族特約など。
・ANA Wideと同様に、家族のマイルが合算され、上級会員SFCも目指せる。
・ANAグループ商品購入は100円=1.5マイル。キャンペーンを見る限り、搭乗外の日常生活にもボーナスポイントの重点があるようだ。
・ポイントのマイル移行料(5,250円)は、JCB(2,100円)より高くVISA(6,300円)より安い。1マイル=2円ならば、年間利用51万円以上で、年会費+マイル移行料(1万円)の元が取れる。
・AMEXは、JCBの国内加盟店の多くとAMEXの海外加盟店の双方で使える。国内最大のJCBをほぼ代替できそうだ。

ANA American Express Cardの短所
・海外利用では、海外旅行保険が使い物にならないため、他の海外向けサービス(空港ラウンジや保険の家族特約等)が吹っ飛ぶ。航空券・船舶券・ツアーをカード払いしないと無保険になるのは、ANA AMEX/AMEX Greenだけの特別厳しい制約条件だ(旅行代金のカード払いを条件にする他のカードでは、空港までの鉄道を払うだけでも保険が有効になる)。加えて治療費用も100万円のみだ。ANA Wide(治療費用150万円自動付帯)やSaison Blue AMEX(300万円自動付帯)、Mileage Plus Saison(300万円自動付帯)の方がずっと良い。
・ANA Wideより劣る点は他にもある。搭乗ボーナスマイル+25%、国際線ビジネスクラス専用カウンターでのチェックイン、ANAホテルの無料朝食・ウェルカムドリンク、成田・関西空港免税店10%割引などは、ANA AMEXにはないサービスだ。
・VISA Goldより劣る点もある。ドクターコール24がない、国内空港ラウンジが少ないなど。
・ AMEXのグローバル・ホットラインは、VISAの一般カードでも提供されるVJデスクやグローバルエマージェンシーラインVJ保険デスクや緊急アシスタンスサービスと変わらないのではないか。
・ANA AMEXをメインカードにできない人には向かない。搭乗マイルが少ない人は、年間75万円以上のカード利用がないと元が取れない(ANA Wideカードで前述)。特典航空券を使わずキャッシュバックを求める人は、採算が合わない。
・上位カードのAMEX Gold/SFCカード(32,550円)は、年会費がJCB/VISA Gold/SFCの倍額だが、東京・関西・中部空港の送迎割引・手荷物宅配・定食とキャンセル・返品保険では割に合わない。AMEX SFCはGoldしかない。
・デザインは一般のANAカードと変わらず、AMEX発行のステイタスはない。
・純正AMEXは、Saison AMEXやMUFG AMEXとは発行会社が違い、提携カードが少ないので、他のカードとポイントや信用枠を合算できない。
・AMEXは、VISA/Masterと比べて、海外で使えるATMや加盟店が少ない。店舗側の手数料が高いので、途上国や中小商店で嫌われる。国内のJCB加盟店でもAMEXが使えない店舗がある。サークルKサンクスやミニストップやAMEXシールを貼っていない店舗など。

結論
海外利用には、通用度以前に海外旅行保険で失格。ANA搭乗が多いなら、ANA Wide/Gold VISA/Masterの方が良い。
・海外渡航が少ない人(とくにANA JCB CardやMUFG AMEXの利用者)が、国内専用と割り切るなら検討しても良い。ボーナスマイルの今後は様子見。


4-6. 国内専用カードのANA/JAL SuicaやYahoo!Suica

・国内専用カードならば、マイル・ポイント効率を最優先にしても良い。海外持参用に別途、海外旅行保険(治療費300万円以上)が自動付帯されるVISA/Masterカードを確保するという前提である。
・たとえばANA/JAL JCBやANA AMEXは、海外での利用が難しいカード・ブランドだが、マイルをためる効率は良い。
ANA VISA/JAL JCB Suica(2,100円)は、海外旅行保険が致命的に悪いが、Suicaオートチャージでもマイルがたまる(1000円=5マイル)点が良い。ANA/JALカードは複数枚作ることができるが、毎年のカード更新でも1000マイルつくので、年会費の元が取れる。とくにANA VISA Suicaは、ANA VISA Wideと同じ三井住友VISAカードなので一括管理でき、リボ払い登録をすれば年会費を半額にできる。Suicaは、ネット(+パソリ)経由でもチャージできる。
Yahoo! Japan Suica VISA/Master(525円)も、ポイントを手数料なしに1000円=10ポイント=5マイルで、JALマイルに移行できる。VIEWカードを発行元とし、Yahoo!トラベルはもちろん各種のYahoo!サービスでポイントがつく。ただし、三井住友海上保険の治療費用200万円は自動付帯せず、旅行代金のカード支払い(出国後も可)が条件なので、国内専用が無難だ。
・Suicaチャージのポイント還元率に限れば、非航空系のBic Camera Suica VISA/JCBの方が、年会費無料かつ1000=15円で効率が良い。

5. ゴールドカードに意味はあるか?

・ゴールドカードは、一般に年会費1万円以上の上位カードだ。カード年会費合計がカード利用額の1%以下ならば、ポイント還元率で元が取れる可能性がある。また、大企業等に勤める場合、無料で法人ゴールドカードを使えることもある。どのカードでも大半のサービスは重複するので、ゴールドカードは1枚で十分だ。
・他方、カード利用が100万円以下の場合、年会費に1万円を払う理由がない。プラチナカードやブラックカードは論外だ。海外旅行保険は、保険が自動付帯する一般カードを複数持てば手厚くできる。保険の家族特約は、一部の一般カードにも付帯するし、子供と旅行しない限り不要だ。空港ラウンジは、カードの有無によらず誰でも千円で使える。ダイナースクラブやAMEXプロパーは、一般カードがゴールドカードに相当するが、VISA/Masterよりも使える店舗/ATMが減るので、金を払って不便を抱え込む部分がある。
・Gold, Platinum, Black, AMEX, Diners等の上位カードは本質的に、特典や割引は本旨ではなく、高額出費を誘い込むビジネスモデルだと思う。法人ゴールドカードやヤングゴールドカードの存在理由もここにある。「この客は値札も見ずに札びらを切ってくれる上客だ」と期待するからこそ、カード会社も加盟店も特別サービスを用意する。とくにプラチナカードやブラックカードは、仕事上で高額(カード年会費の百倍以上)をカードで支払う自営業者・経営者専用だと思う。
・誰もが一瞬で手に入るものに価値はない。ホテルでもクレジットカードで変わる待遇は知れたものだ。商店やレストランでも、カードを見せるのは帰り際のみなので、サービスが変わりようがない。そもそも、水戸黄門の印籠のようにカードを見せると店員の態度が恭しく一変する場面など、見たことがない。他方、大衆店はもちろん一流店こそ、昔から長く通う常連の方が大切にされる。一流店は、常連客の顔・名前・エピソードをはっきり覚え、家族のように迎えるからだ。クレジットカードを気にするより、まず高級・大衆を問わず、馴染みの店にコツコツ通い続ける方が、自分も店も幸せになれるだろう。
実利のない見栄には代償もある。ボーナスポイントで年会費1万円の元を取ろうとすると、100-200万円以上のカード出費を迫られる。航空券・ホテル・買物の手配にコンシェルジュを利用すると、ネット割引の最安値は利用できない。わざわざ身元や資産を名乗ると、ケチケチした買い物や図々しい交換・返品もしにくくなる。年会費が割に合わないカードでは、ステイタスよりも衝動的浪費癖や自己顕示欲の方が目立つ。実収入を知る家族・友人・同僚は、「スゴイ」とは言ってくれず、「年会費いくら?馬鹿じゃないの」と冷たいはずだ。

ゴールドカードで意味のあるサービス
・海外旅行保険の補償額が大きい(死亡5000万、治療200-300万、救援者200-500万、賠償2000-5000万など)。保険に家族特約がつく(最重要)。旅行代金のカード支払いの有無によらず、旅行保険が自動付帯になる[Citi、JCB Extageを除く]。
・ショッピング保険の補償額が大きい(300万円)。他にも、ネット不正、返品等、付加的な保険がつく。
・ポイント還元率が大きい。マイル移行手数料(2-6千円)が無料である[ANA/JAL/MileagePlus]。
・国内空港ラウンジを使える[三井住友YoungGoldを除く]。海外空港ラウンジのプライオリティパスがつく[Platinum]。空港ラウンジについては、空港での過ごし方参照。
・24時間の電話医療相談を受けられる[三井住友VISA]。

ゴールドカードで意味のないサービス
・海外旅行保険の治療費用・救援者費用は、保険が自動付帯する一般カードを複数持てば加算されるので、ゴールドカードの補償額と並ぶ。Citi GoldやANA Wide/SFC Goldのように治療費用補償額が150万円と低いものもある。死亡・後遺障害は、別に生命保険に加入していれば、治療費用ほど重要ではない。
・ショッピング保険、海外旅行保険の家族特約や電話医療相談等は、一般カードでも利用可能だ[三井住友VISA Executive]。
・ポイント還元率が多少高くても、利用額が100-200万円以上ないと、年会費1万円の元が取れない。
・国内空港ラウンジは誰でも1,050円で使える。プライオリティパスが独自に用意する海外空港ラウンジは、分布に偏りがあり、質が期待外れなこともある[Platinum]。
・国内外の航空券・ホテル・レストランを予約する「コンシェルジュ」は、一般カードでも利用可能だ[三井住友VISA]。そもそも、自分でネット検索したり、現地ホテルのコンシェルジュに相談する方が、希望通りに安く手配できる。カードでの手配が必要な人は、ネットや英語が苦手な高齢者だけではないか。
・ゴールドカード程度では、ホテル・レストラン・小売店での待遇は変わらない。
・機関誌は、好みが合わなければ読まない。
・AMEXやDinersは、VISA/Masterと比べ、使える加盟店/ATMが減る。AMEXに付帯する成田・関西・中部空港での無料手荷物宅配便、割引送迎タクシー、無料定食等は、使う機会が少ないので、必要なときに自分で払った方が合理的。


5-1.招待制の無料ゴールドカード: AEON Gold

AEON Goldは、年間100万円以上の利用で招待される無料のゴールドカードだ。自動付帯の海外旅行保険(死亡3000万、治療100-200万、救援者100万、賠償3000万、1ヶ月限定)、ショッピング保険300万(損傷限定、盗難は対象外)、AEONラウンジ、空港ラウンジ(羽田限定)が使え、無料で3名分の家族カードもつく。発行会社のイオンクレジットサービスも流通系大手で手堅い。主婦には最強のカードだろう。ただし、割引率は一般AEONカードと変わらない。また、AEONラウンジは、全店舗にあるわけではなく、株主優待カードでも使える。加えて、海外旅行保険はMileage Plus Saison(1,575円)より劣るし、羽田空港ラウンジはカードがなくても千円払えば誰でも使える。したがって、家族カード付の無料カードとしては秀逸だが、カードだけのために無理に100万円を投じるほどの価値はない。AEONを使わない人は、その時々のライフスタイルに合う有料カードに加入する方が柔軟かつ合理的だ。
・招待状が届くまでは、AEON Suica(無料)などの一般カードを年間100万円以上使う。月1回のダブルポイントと月2回の5%割引がAEONカードの主要な特典だ。東京海上日動による自動付帯の海外旅行保険やショッピング保険がつくが、治療費用補償が50万円のみで、盗難のショッピング保険もつかないので、海外用には向かない。

5-2. 社員証・会員証を兼ねた法人ゴールドカード

・大企業等は、福祉厚生や社費決済を兼ねた法人ゴールドカードを社員に無料提供することがあるので、職場に確認するべきだ。各個人が私用に使えるタイプは、ビジネスカードや福利厚生カードとも呼ばれるようだ。サービスは一般のゴールドカードとほぼ変わらない。たとえば、UFJ/UC法人の海外旅行保険は、治療費用300/150万円、救援者費用400/200万円、賠償責任5000/2000万円、ショッピング300万円だ。ただし、利用限度額が低いし(50-80万円)、使えないサービスもある。社費決済専用のコーポレートカードは、私用には使えないが、自動付帯の海外旅行保険だけは利用価値がある。
・会員証(東弁協・医師協、KKR・アルプス・公立共済・JP労組、同窓会・学士会)や資産家カード(Citigold、Lexus)との一体型は、一種の身分証明・資産証明である。私用でも変なものは買えないが、プラチナカードより場合によってはステイタスがあるかもしれない。
住信VISAゴールドカード+アスパラクラブ(2,625円) は、学生・新社会人が法人ゴールドカードを持てる数少ない手段だ。ただし、朝日新聞アスパラクラブ(無料)に入会し、住友信託銀行に口座を開き、住信ダイレクトに申し込むことが条件だ。しかし、住信を本当にメインバンクにするのでない限り、ゴールドカード欲しさに銀行口座を開設するのは本末転倒だ。カードの引落口座は、定期収入が振り込まれ口座残高にもっとも余裕のあるメインバンクにするのが鉄則だ。残高不足で引落ができない「事故」があると、全金融機関共通のブラックリストに乗り、今後の金融取引に支障が出かねない。海外留学生・駐在員のメインバンクには、海外キャッシュカードが使える新生銀行やシティバンクの方が良い。

5-3.格安のゴールドカード

・1万円以下のゴールドカードは、外見だけ金色なだけでメインカードには物足りない。海外旅行保険が自動付帯し、空港ラウンジが使えて、発行会社が堅実なのは、ANA AMEX(5,250円、前述)、NTT Group Gold(5,250円)、UC Young Gold(3,150円、20代限定)くらいか。空港ラウンジさえ不要ならば、海外旅行保険の治療費用が300万円のMileage Plus Saison(1,575円)、保険の家族特約や電話医療相談がつく三井住友Executive(3,150円)など、一般カードの方が費用対効果が良い。
・とくにMUFG Gold/MUFG AMEX Gold(2,000円)は、いかなる意味でもゴールドカードとは呼べない。Citi Elite(6,300円)は、海外旅行保険が自動付帯せず、賠償責任もない。Top&ClubQ JMB Gold(6,300円)やJCB Extage(3,150円、20代限定)には海外旅行保険が自動付帯しない。三井住友Young Gold(3,150円、20代限定)では、海外旅行保険は自動付帯するが(死亡・後遺障害補償額がカード支払いの有無で増減)、空港ラウンジは使えない。

5-4.プライオリティパス付の楽天Premium

楽天Premium(10,500円)は、Saison AMEX Plutinum等に準じて、世界中の空港ラウンジが使えるPriority Passが付き、空港からの手荷物宅配サービスも年2回使える。プラチナカード相当のサービスとして破格だが、海外でのメインカードには危ない。楽天カードというより、Priority Passを売りにしたプラチナカード全般にも疑問がある。なお、一般の楽天カード(無料)では、楽天トラベルや楽天市場等でポイント2-3倍になり、条件付ながら三井住友海上保険で海外治療費用200万円の補償がある。

①楽天ポイント2-3倍は一見魅力的だが、利用額10万円でも1-2千円程度の差に過ぎない。他のメインカードにポイントを集中し、楽天ポイントに釣られず無駄遣いを避けた方が、何千円も節約できる。
②楽天カードの三井住友海上保険は自動付帯でなく、出国前に旅行費用をカード払いしないと無効だ。クレジットカード付帯保険の危機で改悪された。楽天カードは海外持参を勧めない。
③Priority Passが独自に用意するラウンジは、航空会社上級会員ラウンジより質が大分劣るようだ。一般にシャワーがなく(成田・関空)、存在する空港・ターミナルは限定され(パリ)、時間制限がつくことさえある(バンコク)。自分の財布で空港内の好きなカフェ・レストランを選んだ方が、安くて選択肢が広い。
④手荷物宅配サービスは、成田・関空・中部空港を使わない人や帰宅後すぐに荷物を開けるのが好きな人には意味がない。AMEXで有名なサービスだが、楽天の場合、2週間以上前の登録が必要なので実用的でない。

テーマ : クレジットカード
ジャンル : ファイナンス

クレジットカード付帯保険の危機 - Crisis of Automatic Travel Insurance

クレジットカード付帯保険の危機 - Automatic Travel Accident Insurance

※クレジットカードの利用法は、国際派のクレジットカード選び旅・留学・出張の持ち物-2.貴重品:海外でのカード・お金・保険海外で銀行口座を開設するでも別記した。

1.クレジットカード付帯保険の改悪(2007-2010年)

・クレジットカードに付帯する海外旅行保険は、2007-2010年の改正貸金業法以来、改悪が相次いでいる。収益が悪化したカード業界は、利幅の少ない客に保険を食い逃げされたくないと、保険対象者を絞り込んだのだ。これまでは3ヶ月以内の海外旅行なら、海外旅行保険に加入せずともクレジットカードの保険だけでほぼ代替できた。しかし、今後は、カード会社による最新の条件変更に注意しないと、気づかぬうちに無保険になってしまう
・多くのクレジットカード付帯保険には、以下の利用条件がついた。

①前年度ショッピング利用実績が20万円未満だと、2000万円の保険が100万円(200万円の治療費用補償が20万円)に減額(MUFG)
②出国前の旅行代金をカードで支払わないと保険適用外(2010年以後のNICOS、2007年以後の楽天)
③出国前の旅行代金か出国後の公共交通をカードで支払わないと保険適用外(2007年以後のCiti全般/学士会、2010年以後の三井住友VISA Classic/TUO、SBI、Yahoo!JapanSuica)
④出国前の旅行代金か出国後の公共交通をカードで支払わないと、死亡・後遺障害補償額が減額(2010年以後の三井住友VISA Gold/ClassicA)
cf. 利用条件なしで保険の自動付帯を維持(ANA Wid、Saison/UC Mileage Plus、DC全般/JAL Club-A/JAL navi、UFJ全般、JCB全般、HIS Skywalker)


・2007年頃に第一波としてシティ、楽天、MUFG、SBI等、2010年に第二波として三井住友、NICOS等が改悪に踏み切った。無料カードで保険が自動付帯するカードはもはやほとんどない。無料の学生カードや法人カードの多くも、保険の自動付帯を打ち切った(JAL naviやUC/UFJ/JCB法人等は例外)。中でもシティカードとMUFGカードは最悪だ。
シティカードは、全ゴールド・一般カードの保険の自動付帯を止め、治療費用はゴールドを含め一律100万円とした。とくに一般カードは、旅行者にとって治療費用の次に重要な救援者費用を50万円に切り詰め(他社は最低100万円)、賠償責任は廃止したので(他社は最低1000万円)、勧められない。実際、18,900円のシティゴールドカード(Delta)の保険さえ、1,575円の一般セゾンカードよりはるかに悪い
・MUFGは前年度の利用額が少ないと、治療費用50万円とほぼ無保険になる。JCB、UFJ、DC等、自動付帯を維持しているカードもある。が、三菱UFJニコスでは旗艦カードのMUFGの保険条件が最低水準なので、同社のDCやUFJも危ない
・保険が自動付帯するカードでも、旅行代金を支払っていないと、死亡・障害補償額が大幅に減額されるようになった。VISA GoldカードやCiti Goldカードですらそうだ(ANA VISA Goldは例外)。しかし、海外旅行保険で重要なのは治療費用なので、独身者や生保加入者には、死亡補償の減額は、自動付帯の停止ほど影響はないかもしれない。
・また、複数のカードを持っている場合、死亡・後遺障害補償額は、一番高いカードの額になってカード間で按配される一方、他の治療費用・賠償責任・携行品損害・救援者費用は、全カードの合計額が加算される。したがって、カード付帯保険を最大限活用するには、死亡補償額が高めのカードを1枚だけ持った上で、できるだけ多くのカードの海外旅行保険を活性化させるべきだ。
・三井住友カードやシティカードの場合、出国後に「公共交通乗用具」をカードで支払えば、支払日から3ヶ月間、保険が有効になるという救済条件がある(NICOSカードにはない)。ただし、先進国はともかく、途上国の場合、飛行機はともかく、カードを受け付ける鉄道・バス・タクシーは少ない。また、途上国でも旅行代理店が手配する長距離バスは、カードで払えるかもしれないが、「募集型企画旅行」か「公共交通乗用具」か、判断が微妙だ。「公共交通乗用具」とは、「時刻表に基づいて運行されている」(SBI)、「航空機、電車、船舶、バス、タクシー」(三井住友)らしいが、まだ曖昧だ。カード付帯保険には証書がないため、カード会社と認識が違うと無保険のままだし、自分では無保険状態に気づかない。

2.2007-2010年に改悪されたカード付帯保険の例

ここでは、MUFGカード、NICOSカード、楽天カード、シティカード、三井住友カードの例を挙げるが、改悪後の付帯保険の利用条件はこの順で悪い。とくにMUFGカード、NICOSカード、楽天カードは、無保険になることが怖いので、海外旅行には使わない方が良いと思う。加えて保険の改悪が、カード会社の経営状態や顧客哲学を反映したものだとすれば、その意味でも危ない。

①前年度ショッピング利用実績が20万円未満だと、2000万円の保険が100万円に減額(MUFGカード)

MUFGカードは、DC、UFJ、NICOSを束ねる三菱UFJニコスの旗艦カードだが、海外旅行保険は最悪だ。利用20万円以下の客は、海外旅行保険が1/20の100万円に減額される。一番重要な治療費用は200万円が20万円に減額されるので、NYで240万円、北京で50万円と言われる盲腸手術すらできない。「無保険」に近い。外務省もカード付帯保険の補償不足には警鐘を鳴らしている。しかも、保険の有無は前年度実績で1年間固定してしまうため、渡航前後に慌てて旅行代金で20万円分を支払っても、「無保険」は解消できず手遅れだ。ゴールドカード所有者ですら、無自覚なまま1年間も「無保険」にさらされる。事故にあったときの被害と怒りは甚大だ。
・顧客哲学にも疑問がある。てっとり早く費用を回収して収支のバランスを取りたいのは分かる。しかし、保険コストを露骨にそのまま利用者に請求するだけでは、顧客の信頼を尊重する工夫と旅の安全を守る配慮が欠けている。せめて渡航直前に無保険を免られるような救済策を用意できなかったのか? 三菱UFJニコスは信頼ある銀行カードの中でも業界最大手なのに、業界常識ではゴールドとは言えないはずの自称「ゴールドカード」を乱発し価値を低めているが、それほど余裕がないのか?
・実際、他社はもっとスマートに保険コストを回収している。出国前に航空券をカード払いさせれば、20万円になりえる。出国後に公共交通をカード払いさせれば、海外現地でのカード利用を促すことになる。いずれの場合も、利用者は無保険か否かを自覚的に選択できるし、海外旅行でのカード利用法を学習することにもなる。
・なお、同じ三菱UFJニコスでもDCカードやUFJカードでは、2010年時点では保険が自動付帯する。親会社の信頼性を反映するのか、ブランド・イメージはおそらくDC、UFJ、NICOSの順で、付帯保険も実際にその順に充実している。しかし、DC、UFJ、NICOSの3カードは長期的にMUFGカードに統合されると言われている。その場合、これまでは好条件のDCカード利用者も安心できない。

MUFGカード
ゴールド、およびイニシャルカード付帯の海外旅行傷害保険

ゴールド、およびイニシャルカードに付帯しております海外旅行傷害保険の補償金額は、年間のショッピングご利用の実績に応じて「2,000万円プラン」と「100万円プラン」のいずれかに変動いたします。
※ 入会初年度は「2,000万円プラン」が付帯されています。
※ 次年度以降
ショッピング利用額20万円以上:2000万円プラン
・・・障害死亡・後遺障害2000万円、治療費用200万円、賠償責任2000万円、携行品損害20万円、救援者費用200万円
ショッピング利用額20万円未満:100万円プラン:
・・・障害死亡・後遺障害100万円、治療費用20万円、賠償責任100万円、携行品損害10万円、救援者費用50万円



②出国前の旅行代金をカードで支払わないと保険適用外(ANA AMEX/AMEX Green、2010年以後のNICOSカード、2007年以後の楽天カード)

・シティカードや三井住友カードと異なり、「出国後の公共交通をカードで支払う」ことではカードは有効にならないので、出国前に旅行代金を支払う機会を逃すと、無保険になってしまう。出国後に気づいて後悔しても、後の祭りだ。
楽天カードは楽天ポイントで人気ランキング1位になったりするらしいが、海外旅行用には危険だ。NICOSカードは、さらに利用条件の悪いMUFGカードに統合すると言われるので、二重の意味で危ない。
ANA AMEXAmerican Express Green Cardは、海外旅行保険にはもっとも厳しい条件をつける。出国前に日本出入国の航空券・船舶券をカード購入しないと無保険になる。出張で航空券を支給されたり、グループ旅行で幹事役が航空券を一括購入してくれたりすると、もはや救済措置がない。NICOSカードや楽天カードなら、出国前に慌てて空港までの鉄道料金等をカードで払うことが保険を有効にする最後のチャンスになるが、AMEXにはそれもない。

※2010年7月1日よりNICOSカード(※)「海外旅行傷害保険サービス」は日本出国前にNICOSカードで海外旅行代金等をお支払いいただくことが必要となりました。

※楽天カードは、日本を出国する以前に、公共交通乗用具(*1)または募集型企画旅行(*2)の料金を楽天カードで支払った場合(補償期間/日本を出発してから3ヶ月後の午後12時までの旅行期間)に限り、海外旅行傷害保険が付帯されます。



③出国前の旅行代金か出国後の公共交通をカードで支払わないと保険適用外(2007年以後のシティカード、2010年以後の三井住友VISAカード)
④出国前の旅行代金か出国後の公共交通をカードで支払わないと、5000万円の死亡・後遺障害補償額が1000万円に減額(2010年以後の三井住友VISAゴールドカード)


・海外旅行に持参するカードは、保険が自動付帯するか、せめて「出国前後を問わず公共交通をカード払い」すれば有効になるものでないと、無保険が怖すぎる。
・シティカードは、ゴールドカードですら旅行代金か公共交通のカード払いがないと、保険が適用されない。2007年に先陣を切って改悪の舵を切った。よほど経営が苦しいのか。その点、三井住友VISAは、2010年になって保険の改悪に踏み切った。ただ、条件にはまだ余裕がある。昔からの優良顧客を逃すまいという配慮も見られる。

三井住友VISAゴールドカード

日本を出国する以前に公共交通乗用具(*1)または募集型企画旅行(*2)の料金を当該カードで支払った場合(補償期間/日本を出発してから3ヵ月後の午後12時までの旅行期間)または日本からの出国後、公共交通乗用具の料金をはじめて当該カードで支払った場合(補償期間/料金をはじめて当該カードで支払ってから3ヵ月後の午後12時までの旅行期間)に最高4,000万円の保険金額が上乗せされます

*1 公共交通乗用具とは
航空法、鉄道事業法、海上運送法、道路運送法に基づき、それぞれの事業を行う機関によって運行される航空機、電車、船舶、バス、タクシーなどをいいます(当該旅行のために乗用するものに限ります)。

*2 募集型企画旅行とは
旅行会社が、旅行者の募集のためにあらかじめ、旅行の目的地及び日程、旅行者が提供を受けることができる運送又は宿泊のサービスの内容並びに旅行者が旅行会社に支払うべき旅行代金の額を定めた旅行に関する計画を作成し、これにより実施する旅行(旅行業法第12条の3の規定に基づく標準旅行業約款募集型企画旅行契約の部第2条第1項に規定するもの)をいいます。詳しくは旅行代理店にご確認ください。


SBIカード

SBIカードで旅行のための下記の費用を支払った場合に、その旅行中の事故によって傷害を被った場合に補償されます。
ご旅行前に日本国内にてSBIカードで日本出入国のために時刻表に基づいて運行される国際航空機または国際船舶のチケットやパッケージ・ツアーの料金をお支払いになられた場合、海外旅行を目的にご自宅(日本国内)を出発されたときから、ご自宅にお戻りになるまで(日本出国の前日から入国の翌日まで)の最長90日間補償されます。
出国後海外ではじめて公共交通乗用具※1のチケットの料金をSBIカードでお支払いになった場合でも、その購入の日から最長90日間補償されます。

※1 公共交通乗用具とは、時刻表に基づいて運行されている交通乗用具のことをいいます。



3.利用条件付のカード付帯保険の使い方

・利用条件付のカード付帯保険について、以下の自衛策を考えた。ここでは、「出国前の旅行代金か出国後の公共交通をカードで支払わないと保険適用外」という利用条件を前提とする(2007年以後のシティカードやYahoo!JapanSuica、2010年以後の三井住友VISAカード)。「出国前の旅行代金をカードで支払わないと保険適用外」(ANA AMEX/AMEX Green、2010年以後のNICOSカード、2007年以後の楽天カード)とか、「前年度ショッピング利用実績が20万円未満だと、2000万円の保険が100万円に減額」(MUFGカード)とかでは、無保険状態時に救済策も打てないので海外旅行には持参できない

①保険が自動付帯するカードを少なくとも1枚持つのが、一番確実だ。たとえばJAL naviカード、三井住友ClassicA(条件付)、Mileage Plus Saison。
②カード付帯保険が無条件で自動付帯しない場合、まず航空券を含む旅行費をカードで支払うべきだ。これで初めて出国日から3ヶ月間、保険が有効になる。その際、飛行機事故に備え、死亡・後遺障害補償額がもっとも高いカードが優先だ(三井住友Classic)。
③出国日当日までに、自宅から出発空港までの鉄道・バス・タクシーをカードで払う。これが保険を有効にするためのラストチャンスだ。これを忘れてしまった場合、飛行機墜落や手荷物紛失や出国直後の諸トラブルは保険の対象外になってしまう。
④航空券に加え、出国までの国内移動と出国後の現地移動の公共交通機関は、異なるカードで各1回ずつは支払い、手持ちのすべてのカードの付帯保険が有効になるように意識する。
⑤公共交通機関の支払い後、念のため各カード会社の保険デスクに電話し、保険が有効になったか否か確認する。緊急連絡の練習にもなる。


4.利用条件付のカード付帯保険の活用法

・カードの付帯保険に利用条件がついたのは、利用者にとって「改悪」であるのは間違いない。しかし、長期旅行の場合、「出国前の旅行代金か出国後の公共交通をカードで支払う」という利用条件を、別の形で活用できるかもしれない。逆に言えば、「出国後の公共交通」という利用条件をつけないカードは、無保険状態の挽回ができないので海外持参が危険だ。

①長期旅行には、保険が自動付帯するカードを持参するべきだが、それとは別に、保険が自動付帯しないサブカードをあえて保険が無効なまま温存しておく。前者の保険は出国日から3ヶ月間有効だが、万一、帰国日をそれ以上に延期したい場合、保険期間が終わる直前に後者で公共交通機関の費用を初めて支払う。すると、保険期間を延ばせるかもしれない。
②留学では海外旅行保険に全期間分を加入しているはずだが、加えて、保険が自動付帯しないカードを、あえて保険が無効なまま温存しておく。帰国間際に、予定外のインターンシップや旅行で帰国日が伸びた場合、保険を延長したり現地で別購入する代わり、現地で公共交通機関をサブカードで初めて支払う。すると、保険期間を延長できるかもしれない。
③留学・駐在中は現地の強制保険を利用する人もいるが、第三国への国外旅行に出かける直前、保険が自動付帯せず無効なままのサブカードで、公共交通機関の費用を初めて支払う。すると、加入済の保険でカバーしきれない部分を二重にフォローできるかもしれない。


・ただし、海外現地で万事首尾良く条件が揃う保証もない。カード業界の苦境が続く限り、妙な小技で愛用のカード会社を追い込めば、利用条件は今後さらに改悪される懸念もある。そもそも、最後の頼みの綱である保険で綱渡りのリスクを冒すべきでないと思う。とくに留学では論外だ。出発前に全留学期間の保険証明書がないと、留学ビザや滞在許可証が下りない可能性もあるし、家族にも保険証番号を教えられない。やはり海外旅行保険と保険自動付帯のカードを出発前に準備しておくべきだと思う。

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プロフィール

terry75014

Author:terry75014
仏米英生活10余年、海外大学院卒。海外渡航・留学助言は各数10ヶ国。ここでは一個人の立場で独断と偏見を書きます。テリーと呼んで下さい。

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